舞台人の儚い宿命と、残酷なまでに美しい愛の物語を、ノスタルジックに描いた映画『ライムライト』。この不朽の名作が待望となる3度目の再演を果たす。
出演は、世界初演から主役カルヴェロ役を務める石丸幹二が5年ぶり3回目の同役を演じる。更に今作からの新キャストとして朝月希和、太田基裕という実力派キャストが名を連ねた。
明日8/3(土)の開幕にあたり、ゲネプロ写真と初日開幕に向けた意気込みコメントをお届けする。
ゲネプロ写真
初日開幕に向けた意気込みコメント
「ライムライト」に寄せて
石丸 60代のチャップリンが演じた老芸人カルヴェロ。ちょび髭をつけず、山高帽もかぶらず、素顔のまま。 今、私の頭は彼の言葉であふれ、心は彼の精神に満たされています。 「ライムライトの魔力、その光の中にスターは誕生する。その光からスターは去って行く」。 このセリフに接するたび、瞳を射る強烈な光や、穏やかに包み込む光を感じ、時には熱く高らかに、時には深く染み入るように語っている自分に出会います。 皆さんには、どんな言葉が響くでしょう。劇場で感じてください。
朝月 今、胸がドキドキし高鳴ります。命の意味、生きる勇気、自分の価値を、カルヴェロによって見い出すバレリーナ役をいよいよご披露します。思いやり、支え合い、そして自立。人生のどん底でも消せなかった舞台への思いを、心に残る台詞、お芝居、歌、そしてバレエを通して演じます。この舞台に携われる感謝を込めてお届けします。
太田 『ライムライト』には喜劇や悲劇、様々なエッセンスが絶妙なニュアンス、バランスで描かれているような気がします。 ネヴィルという役を通して、生きる活力、瑞々しさ、苦さも含め、噛み締めながら演じられたら幸せに思います。 観劇される皆様の心に、あたたかい何かが寄り添い届く事を願います。 千穐楽までよろしくお願いいたします。
あらすじ
1914年、ロンドン。ミュージック・ホールのかつての人気者で今や落ちぶれた老芸人のカルヴェロ(石丸幹二)は、元舞台女優のオルソップ夫人(保坂知寿)が大家を務めるフラットで、酒浸りの日々を送っていた。 ある日カルヴェロは、ガス自殺を図ったバレリーナ、テリー(朝月希和)を助ける。テリーは、自分にバレエを習わせるために姉が街娼をしていたことにショックを受け、脚が動かなくなっていた。 カルヴェロは、テリーを再び舞台に戻そうと懸命に支える。その甲斐もあり歩けるようになったテリーは、ついにエンパイア劇場のボダリング氏(植本純米)が演出する舞台に復帰し、将来を嘱望されるまでになった。 かつてほのかに想いを寄せたピアニストのネヴィル(太田基裕)とも再会する。
8/3(土)~8/18(日)で東京・日比谷シアタークリエにて上演されたのち、8/23(木)~8/25(日)にて梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演される。