舞台『トンデモ?ピーター・パン!~Peter Pan Goes Wrong~』│加藤里保菜 インタビュー

全英&全米を爆笑の渦に!
傑作コメディが日本初上陸

とある劇団が、『ピーター・パン』を上演しようとする。ところが、本番中に次々とトラブルが発生し、舞台上は大混乱。そんなドタバタを描いたロンドン発のコメディ舞台『トンデモ?ピーター・パン!』がついに日本で初上演となる。

「冒頭からかなりのドタバタで。もし私が舞台に立っているときに同じことが起きたら戸惑ってしまうようなトラブルが次々と降りかかってくるんです。これだけのドタバタの仕掛けを舞台で表現できるのか。私の知らない未知の可能性に、台本を読みながらワクワクしました」

そう声を弾ませるのは、劇団員の一人、サンドラ・ウィルキンソン役を演じる加藤里保菜だ。

「舞台が生モノである以上、トラブルはつきもの。私が出演した舞台でも、ある役者さんが出番を間違えちゃって。でも音響さんがもうその役者さんのマイクをオンにしていたので、急いでステージまで向かっている様子が全部お客さんに聞こえちゃったことがありました(笑)。そんなトラブルをとことん笑いに変えるのがこの作品の面白さです」

加藤は劇中劇の『ピーター・パン』では、ヒロインのウェンディ役を演じる。

「子どもの頃から『ピーター・パン』が大好きで、誰に感情移入するかといったら、いつもウェンディでした。昔の作品であるにもかかわらず、ウェンディは今の時代感覚で見ても魅力的。女性としての尊厳を持ち、言葉として発している姿に憧れを抱いていました。今回、そんなウェンディを演じることが
できて、すごく嬉しいです」

2012年に初舞台を踏んで以来、様々な舞台作品へ出演を重ねる加藤。その胸には、すべての観客を楽しませたいというエンターテイナーシップがある。

「舞台は何公演もありますが、どの公演にも今日初めてご覧になる方がいると思うんです。だからこそ、どの公演も同じクオリティのものをお見せすることが大事だと私は考えていて。そのためには、鮮度を落とさないことが大事。本番が始まっても毎日台本を持ち歩き、自分が最初に抱いた気持ちを取り戻せるよう読み返したり、稽古中にメモしたことを常に楽屋で見られる状態にして、稽古で学んだことを忘れないように心がけています」

そんな加藤が経験した「ドタバタ」と言えば…?

「地方公演に行くためにキャリーバッグを準備したのに、駅に着いたところで家に置いてきたことを思い出して急いで取りに帰ったり。忘れ物が日常茶飯事すぎて、よくマネージャーさんが代わりに取りに行ってくれていて…。本当に申し訳ないです(笑)」

こんなドタバタも序の口と思えるほどのトラブルが舞台上で起きるはず。右往左往する人々を笑いながら、日々の悩みも一緒に笑い飛ばしたい。

インタビュー&文/横川良明

※構成/月刊ローチケ編集部 9月15日号より転載

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【プロフィール】

加藤里保菜
■カトウ リホナ
俳優・声優として幅広く活躍。近作に舞台「モノノ怪~座敷童子~」、舞台「けものフレンズ」シリーズなど。