「かもめ」、「三人姉妹」、「ワーニャ伯父さん」シス・カンパニー+ケラリーノ・サンドロヴィッチが挑んだチェーホフ四大戯曲上演シリーズ KERA meets CHEKHOV 遂に最終章『桜の園』の幕が上がる!
帝政ロシア末期の社会を舞台に、没落してゆく社会と人間をみつめた傑作戯曲を世に遺した劇作家アントン・チェーホフ。ある者は過去の栄華にしがみつき、ある者は新しい時代を夢見て前へ前へと歩み始める…。そんな人間たちの姿を描き、いつの時代も観る者の心をざわつかせてきたチェーホフ四大戯曲(「かもめ」(1896)、「ワーニャ伯父さん」(1899)、「三人姉妹」(1901)、「桜の園」(1904))。そのチェーホフ戯曲に、日本の現代演劇の最前線で活躍するケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、上演台本と演出を手がけるシリーズが【KERA meets CHEKHOV】。この度、その最終章『桜の園』の上演が決定!チェーホフが最後の戯曲に託した思い、人間の可笑しみ、哀しみをKERA独自のタッチで描き出していく。
最終章を彩る俳優陣は、天海祐希、井上芳雄、大原櫻子、荒川良々、池谷のぶえ、峯村リエ、藤田秀世、山中崇、鈴木浩介、緒川たまき、山崎一、浅野和之の顔ぶれ!充実の布陣が総力で、シリーズ集大成公演に臨む。
ストーリー
19世紀末のロシア。桜の木々に囲まれた、もはや没落している貴族の屋敷に、長く外国に滞在していた女主人ラネーフスカヤ夫人(天海祐希)が、迎えに行った娘のアーニャ(大原櫻子)と家庭教師シャルロッタ(緒川たまき)と共に数年ぶりに戻ってきた。兄のガーエフ(山崎一)、留守中の屋敷を切り盛りしていた養女のワーリャ(峯村リエ)や老僕フィールス(浅野和之)は再会を喜ぶが、実は屋敷の財政は火の車…。この家の元農奴の息子で、今は商人として頭角を現しているロパーヒン(荒川良々)は、かつての主家を救おうと救済策を提案するが、ラネーフスカヤ夫人やガーエフは現実に向き合えず、浪費を繰り返す。そんなことを知ってか知らずか、隣の地主ピーシチク(藤田秀世)は借金を申し込む。
屋敷の事務員エピホードフ(山中崇)は、小間使いのドゥニャーシャ(池谷のぶえ)に求婚しているが、当人は外国帰りの夫人の従僕ヤーシャ(鈴木浩介)に夢中だ。そして、夫人の亡き息子の家庭教師だった大学生トロフィーモフ(井上芳雄)は、来るべき時代の理想像を、アーニャに熱く語っている。
様々な人間ドラマが繰り広げられる中、ついに抵当に入れられていた領地が、競売にかけられる日がやってきた。果たして、「桜の園」と呼ばれる屋敷の運命は…?