『セツアンの善人』開幕コメント・舞台写真到着!

2024.10.18

『セツアンの善人』(撮影:細野晋司)

2024年10月16日(水)世田谷パブリックシアターにて『セツアンの善人』が開幕した。
『セツアンの善人』は、第二次世界大戦中、ナチスにより市民権を剥奪されたドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトが亡命先で執筆し、1943年にスイスのチューリッヒで初演された作品。神様が地上に降りてきて善人を探すという本作は、ブレヒト作品を代表する寓意劇として、今も多くの人々に愛され、世界各地で上演を重ねている。

演出を手掛けるのはブレヒトから大きな影響を受けているという白井晃。
出演するのは葵わかな、木村達成、渡部豪太、七瀬なつみ、あめくみちこ、小林勝也、松澤一之、小宮孝泰、ラサール石井ら若手からベテランまで、総勢17名の個性豊かな面々。ドイツ文学者の酒寄進一が新訳を手がけ、『ある馬の物語』(‘23年)でも白井とタッグを組んだ国広和毅が音楽監督を務める。

開幕コメント

▼上演台本・演出 白井晃

80年前に初演されたブレヒトの名作を、今を生きる私たちの物語にしたいという一心で稽古に励んできました。キャストの皆さん、そして、スタッフの皆さんの頑張りで、素晴らしい初日を迎えられました。シェン・テとシュイ・タという二役を見事に演じてくれた葵わかなさんには感服します。
この作品は、観客の皆さんと共に作る舞台です。演劇が持つ力をもう一度信じることができる、そんな作品ではないかと思います。これは私の実感です。
どうぞ、劇場に足を運んで頂き、一緒にこの作品の良い結末を見い出して頂ければと思います。
ご来場を心からお持ちしています。


▼出演・葵わかな

無事に初日を迎えることができました。 やらなければならない事や伝えたい事がたくさんある中で、熱量と緊張感に満ちた良い初日でした。観客の皆さんが入る事で新しい形が見えたりして、ブレヒトが台本の中で常に観客を意識していたり、白井さんが演出の中で大切にされていた事が腑に落ちた瞬間がたくさんありました。これからの公演期間を通して、たくさんのことを感じていけるだろうと想像して、ワクワクしています。
また、挑戦的なものがたくさん詰まっている作品になったと思います。今回は初めての一人二役で、男性役も演じています。歩き方一つとっても演じ分けが難しいのですが、二役のキャラクターの差が出ることでさらに面白くなっていくに違いないと必死に稽古に臨んできました。
初日を迎え、お客様の前で演じられたことで、その思いが更に強くなりました。
稽古のスタート時点から白井さんや音楽監督の国広さんと一緒に話し合いながら一つ一つ積み上げてきましたが、これからも毎公演さらに高みを目指していきたいと思います。歌もたくさんありますし、ストーリーも分かり易いので、お客様に楽しんでいただける要素満載の舞台です。劇場でお待ちしております。

▼出演・木村達成

稽古場では和気あいあいとした雰囲気で、白井さんと僕たち役者の間でたくさん話をすることができて、そこで生まれたコミュニケーションが舞台上にも反映されていると思います。
白井さんとご一緒するのは3回目になります。他の作品に出演する時も、白井さんに言っていただいたことを自分に言い聞かせてきました。今回は昔と同じダメ出しをいただかないように心がけていて、ふとした時に癖が出てしまうことはありましたが、役者としてもっと次のステージにいけるよう頑張ってきました。
僕が演じるヤン・スンは、この作品の中で唯一自分の目標にまっすぐ走っていく素直な男です。
『セツアンの善人』が持つ独特な怖さのようなものを伝えられたらと思っています。
僕にとっては一年ぶりの舞台作品。多くのお客様に観て頂けたら嬉しいです。

舞台写真

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