歌舞伎ならではの魅力に溢れた歌舞伎座4月興行! 歌舞伎座「四月大歌舞伎」ついに開幕!舞台写真が到着!!

『裏表先代萩』右から仁木弾正=尾上菊五郎、渡辺外記左衛門=中村東蔵

 

明治百五十年を記念する『西郷と勝』
御家騒動を二つの視点から描く菊五郎による『裏表先代萩』
仁左衛門が一世一代で悪逆の限りを尽くす『絵本合法衢』
歌舞伎ならではの魅力に溢れた歌舞伎座4月興行!

 

4月2日(月)、歌舞伎座「四月大歌舞伎」が賑々しく初日の幕を開けました。
明治元年から満150年に当たる本年。歌舞伎座では、明治への道を開いた物語を皮切りに、悪を題材に取った通し狂言2本が続きます。昼の部では練り直され久々の上演となる『裏表先代萩』、夜の部では片岡仁左衛門が一世一代と銘打ち演じ納めとなる『絵本合法衢』と、注目の演目が揃いました。

昼の部の幕開きを飾るのは、明治百五十年記念『西郷と勝(さいごうとかつ)』。激動の時代のなかで江戸城無血開城を決断した西郷隆盛を尾上松緑が、勝海舟を中村錦之助で上演します。江戸の庶民の生活を守るために奮闘した英傑二人を描き出す物語です。江戸城総攻めの前日という緊迫した状況の中で、西郷が見せる器の大きさと信念の強さが見どころです。

 

『西郷と勝』右から勝海舟=中村錦之助、西郷隆盛=尾上松緑

 

二幕目は、音羽屋にゆかりの深い通し狂言『裏表先代萩(うらおもてせんだいはぎ)』を上演します。伊達家の御家騒動を題材に、謀反を企む執権仁木弾正の陰謀を「表」、下男小助による医者殺しを「裏」とした二つの視点で進む物語です。時代物の実悪仁木弾正と世話物の悪党小助、異なる悪の二役を尾上菊五郎が23年ぶりに演じます。菊五郎自ら台本を練り直し、よりドラマチックな展開に仕上げた見逃せない舞台です。

 

『裏表先代萩』右から下男小助=尾上菊五郎、大場道益=市川團蔵

 

夜の部は、鶴屋南北が描く悪の世界『絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)』を通し狂言としてご覧いただきます。御家横領を狙う左枝大学之助と強欲な無頼漢太平次を、片岡仁左衛門が二役で勤めます。大望成就のためなら手段を選ばない大名侍と市井の悪党、立場の違う二人の悪人の演じ分けが見どころです。すべての幕で残忍な殺しの場面が描かれ、南北作品ならではの退廃的な気分と江戸時代の爛熟した雰囲気をお楽しみいただけます。大学之助と太平次を演じるのは5度目となる仁左衛門、今回「一世一代」と銘打ち演じ納めとなります。歌舞伎座での待望の初上演、極められた悪の美をご堪能ください。

 

『絵本合法衢』右から左枝大学之助=片岡仁左衛門、高橋瀬左衛門=坂東彌十郎

 

『絵本合法衢』右からうんざりお松=中村時蔵、立場の太平次=片岡仁左衛門

 

いずれも見どころ溢れる充実した内容です。どうぞご期待ください!
「四月大歌舞伎」は26日(木)千穐楽まで歌舞伎座で上演中です。