【連載】はじめての歌舞伎体験!歌舞伎ツウ 目指すあなたの 入門書【2】

2018.06.20

ようこそ歌舞伎座へ!

≪歌舞伎の常識 キーワード解説≫

歌舞伎ツウなら知っておきたい、観劇がもっと楽しくなるキーワードを厳選し、ご紹介するコーナーの第2弾!

■キーワードその3.
大向う(おおむこう)

©松竹

 

歌舞伎を観ていると、何やら後ろの方から掛け声が!
それが、「大向う」です。

もともとは、舞台から見て正面の上のほうの客席(歌舞伎座だと3階席正面や幕見席あたり)を指し、それが転じてそこに座るお客さんのことも表すようになりました。

比較的安価な大向うの席には、何度も足を運ぶ芝居通が多く、こうしたお客さんたちが芝居を盛り上げるためにかける声もまた、大向うと呼ばれます。

歌舞伎は元来庶民の最大の娯楽であり、客席から役者に賛辞を送る行為は、舞台と客席がもっと近かった時代から脈々と続く、歌舞伎の伝統を支える重要な慣習なのです。

劇場全体を芝居の世界で包み込む大向うの効果を存分に発揮するため、声は基本的に3階席からかけることになっています。

役者が見得(みえ)を切ったり、名台詞にさしかかる直前の絶妙な間で大向うがかかることで、芝居が一層盛り上がり、舞台と客席が一体となる瞬間は、まさに歌舞伎見物の醍醐味です!

 

※掛け声のバリエーションは…
「○○屋!(役者の屋号)」、「○代目!」、「○○町!(役者の住んでいる町名)」、「待ってました!」、「たっぷり!(=存分に楽しませてくれ!)」などなど実に様々。

 

 

 

■キーワードその4.
幕見席(まくみせき)

©松竹

 

ちょっと時間があるから、歌舞伎座に寄って行こうかな…。
そんなザ・歌舞伎ツウなことができてしまう席が、歌舞伎座ならではの場所、幕見席です。

「一幕見席(ひとまくみせき)」とも呼び、その名の通り、いくつかある幕のうち、1つだけを観ることができるんです。
値段は幕によって違いますが、大体1,000円~2,000円程度!全て当日券、自由席なので、観たい幕の売り出し時間を目安に、正面玄関左手の専用売り場へ。観劇は、4階(3階席の後方)、まさに「大向う」に該当するような場所になります。

何度も歌舞伎を観たい!という方はもちろん、歌舞伎の雰囲気を少しだけ楽しみたい初心者の方や、海外からのお客様にも大ッ変オススメです!

基礎知識を身につけたところで、早速場内へ!

 

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