荒牧慶彦が企画・プロデュース、植田圭輔が演出を手がける、舞台タメ劇vol.1『タイムカプセル Bye Bye Days』が2025年1月に紀伊國屋ホールにて上演される。同い年の2人が、タメのキャストを集めて行うといい、荒牧、植田に加えて赤澤燈、櫻田佑(トンツカタン)、冨森ジャスティンといった同学年キャストが名を連ねた。回替わりゲストにもタメが勢ぞろい。かつて仲の良かった5人の同級生のうち、ひょんなことから疎遠になってしまった1人との友情を取り戻すため、タイムリープを繰り返す、ドタバタのハートフルコメディが繰り広げられる。赤澤と冨森の2人に、出演への想いなど話を聞いた。
――今回、キャストは同い年だけという舞台ですが、出演が決まってどのようなお気持ちになりましたか?
赤澤 いや、もう最高だな!ってね。
冨森 なかなか経験できないことなんで、すごく楽しみでした。
赤澤 意識してみたら、この人も同い年だったの?って、意外に知らなかった人もいましたし。役者になって十数年、共演を重ねて行く中で同い年って多いなーって思っていたし、いつかタメで舞台ができればとも何度も思っていたので、ようやく形になるんだと。
冨森 ゲストで来てくださる方とかで、この人も同い年?みたいなのはあったよね。芸人さんとか、普段あまり接点がない方もいるし。同い年ってだけで、なんか嬉しくなるよね。
赤澤 わかる!なんか嬉しいんだよね(笑)。
――今作は企画・プロデュースを荒牧慶彦さん、演出を植田圭輔さんが手掛けられます。2人への印象はいかがでしょうか?
冨森 僕は荒牧さんとの共演が初めてで、もう大スター!ってイメージです。それにいろいろ手掛けていらっしゃるじゃないですか。僕もいろいろやってるんですけど、切り替えが上手くできないとダメなんですよね。俳優としての荒牧くん、プロデューサーとしての荒牧くんっていう切り替えがしっかりできる人なんじゃないかって思っています。すごくしっかりした人だと思うので、そうじゃないところをこれから探していきたいですね。そうじゃないところを見て、安心したい(笑)。
赤澤 俺は荒牧とはもう、12~3年くらいの付き合いになるけど、しっかりしていないところ、全然ありますよ(笑)。もちろん、お仕事の面ではいろんなことを率先してやるリーダー的な感じですけど、プライベートでは同い年ならではの安心感もある…抜けてるところもポンコツなところもたくさんあって、愛せる人物ですから。でも改めて考えてみると、こういう企画を実現するって、難しいことだと思うんです。みんなやりたいって思っても、形にするのが難しいから、それを実現してくれてありがとうって思いますね。
冨森 植ちゃんは共演したことがあるんですけど、演出もやっている植ちゃんは初めて見るので、そこは楽しみ。共演していた時も、お芝居にすごく真摯な人だと思っていたんです。でも、その時はタメって話もしていなかったんですよね。何なら年下なのにすげーしっかりしてる!って思ってた(笑)。
赤澤 確かに、荒牧にしても植ちゃんにしても、多分俺もそうなんですけど、実年齢に見えない派閥の人間だと思う(笑)。俺も植ちゃんとの共演は何度もしているけど、演出を受けるのは初めて。役者としての一面しか知らないけど、役者の顔を知っているからこそ、安心して演出を任せられる。何て言うか、同じだけのキャリアがあって、積み上げてきたものや感覚は似ている気がするんですよ。線引きするところとか。そういう感覚的な共感ができる人だとずっと思っていたので、安心しているし、楽しみしかないですね。
――メインキャストにはトンツカタンの櫻田佑さんも名を連ねています。ビジュアル撮影などでお顔合わせはされているかと思いますが、櫻田さんはどんな方でしたか?
赤澤 撮影の時にお会いしただけなんですが、まだちょっと謎は残っています(笑)。
冨森 やっぱり芸人さんだから、ちょっとしたときに出てくるひと言が面白いんですよね。ワードチョイスが流石芸人さんだな、と。
赤澤 そうそう!何気なくボソッと言った言葉が面白い。そう思うと、今回めちゃくちゃピッタリな配役だと思います。実際は、もっと違う一面があったりすると思うんで、本当はこういう人だった、っていうのを掘り下げていければいいな。
――脚本を読んだ印象をお聞かせください
赤澤 もう、シンプルに面白くて、一気に読めちゃう感じでした。まずは自分の役ベースで読んだんですけど、めちゃくちゃ汗をかきそうな役だな、と…。でも、そういう作品は大好きです。
冨森 まだ稽古に入っていないからわからないですけど、きっとお芝居のテンポもすごくいい感じでやるだろうから、お客さんもすごくのめり込んで観ていただける舞台なんじゃないかな。だからこそ、丁寧にやっていきたい。難しいところもあると思うけど、このメンバーなら大丈夫だと確信しています。まだサッと目を通しただけですけど、それだけでもこれだけイメージが膨らんでいるので、面白くなりそうです。
――同い年ならではの空気感がありそうですよね
赤澤 脚本の亀田真二郎さんもいろいろ調べてくださったんだと思うんですけど、僕らの世代の流行とかキーワードとか、ネタ的な部分をちょこちょこと入れてくださっていて、読んでいても懐かしくなったんですよね。同世代にはそこを楽しんでもらえると思うし、世代が違う人にも「何それ、面白い!」って楽しんでもらえそうな気がしています。
――役どころについては、今はどんな印象ですか?
赤澤 僕が演じるトモキは、割と自分に近しい印象ですね。きっと自分をイメージして書いてくださっているんじゃないかな。ツッコミに回ることもあれば、しっかり突っ走ってボケてるところもあって、性格そのものが似ているかどうかはさておき、割と普段の自分の立ち位置的なところを感じます。それこそ、タメの仲間と一緒に居るときはこういう立ち回りだよな、っていう。だから演じやすそうだと思いましたし、すごく楽しそうな役ですね。あと、他のキャストは35歳と中学生時代の両方を演じるんですけど、僕だけはほぼほぼ中学生時代のないキャラクター。なので、そこは中学生ノリとは別の、今の疲れた35歳の一生懸命さとか(笑)、リアルな感じを出せるといいなと思っています。
冨森 何なら一番大変だよね(笑)。トモキがストーリーテラー的なところもあって、お客さんを連れていくようなところがあるから。
赤澤 めっちゃ楽しそうだけどね。
冨森 僕は自分に似ているかと言われるとそうでもないかな。僕が演じるやっちんは、すごく目立ちたがりで、割と自分を誇張して表現するんですよね。ビビってないから!とか、俺は鍛えてるから、とか。そこら辺はいろいろと遊べそうで、楽しみなところです。
赤澤 客観的に見てるとやっちんがピッタリな役に思えるけど、よくよく話してみるともっと根が優しい人なんだろうな?って今、思いました。
冨森 たぶんね、得意な役というか、得意なジャンルだと思うよ。
――これから稽古も始まりますが、楽しみにしていることは?
冨森 回替わりゲストで出てくれる塩田康平とは前に共演したことがあるんだけど、同い年だからかお互いに遠慮なくガンガンいっちゃって、めちゃくちゃケンカするんですよ。でもすぐ仲直り(笑)。みんな35歳だからね、遠慮とかなく言いたいことを言い合あえる、そんな稽古になればいいな。
赤澤 いいと思う!俺もその感じが好きだし、最強のバランサーたる私がいるので。そこは任せてください(笑)。
冨森 なるほど(笑)。でも、リアルに役と似ているかもね。役名も赤澤くんだけ似てるし。
赤澤 そう、俺も思った。茜沢智樹だもんね。
冨森 他のみんなは別にそういう感じじゃないもんね。
赤澤 そういう部分でも入りやすい気がするし、言いたいことを言い合って、タメだからこそできるクリエイティブができそうな気がします。
――では最後に、公演を楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします!
冨森 なかなかこういう機会に選ばれることもないので、本当に出演できることを嬉しく思っています。同世代も、そうじゃない方も、みんなが共感できるよう、楽しい舞台、素晴らしい作品にしたいと思っています。ぜひ、皆さま劇場に足をお運びください。
赤澤 平成元年生まれの役者ってこうなんだぞ、と楽しんでもらえるような作品を作っていきます!楽しみにしていただけたら嬉しいです。
取材・文/宮崎新之
Photo/篠塚ようこ
ヘアメイク/akenoko▲
スタイリング/MASAYA(PLY)
衣装クレジット/赤澤 燈:パンツ ¥33,000(LA CORRUPTION)
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