KAATキッズ・プログラム2025『わたしたちをつなぐたび』『鏡の中の鏡』情報解禁!

2025.04.28

「宝探し」をテーマに、二つの劇場がキッズ作品で競演!
KAATとSPAC-静岡県舞台芸術センターが、それぞれ新作を創作し、両館で連続上演!

KAAT神奈川芸術劇場では、2011年の開館以来、現代の舞台芸術シーンを先導するアーティストとの新作創作や、良質な海外作品の招聘など、こどももおとなも楽しめるキッズ・プログラムを上演し、多くのお客様から好評を博した。
KAATのメインシーズン前に皆さまにご覧いただく今年度のキッズ・プログラムは、SPAC-静岡県舞台芸術センターと協働して企画する新たな試み。シーズンタイトルである「虹」のように、舞台作品の創造・発信の架け橋となるべく、公共劇場同士が連携し、クリエイティビティの高い舞台芸術作品の流通構造の構築を目指す第一歩として、両館がそれぞれキッズ作品を創作し、それぞれの会場で同日上演する。

今年度KAAT神奈川芸術劇場では、9月から始まるメインシーズンのタイトルを「虹~RAINBOW~」とし、様々な作品をお届けする。多様な人々を繋ぎ、越境する七色の架け橋である「虹」から私たちは、様々な事柄から目を背けず、世界をあるがままに見ることを学ぶ。

テーマは宝探し!

KAAT作品は、Kate Greenaway Medal 2021ロングリストに選出された、イリーナ・ブリヌル作の絵本『わたしたちをつなぐたび』の舞台化。第43回(2024年度)向田邦子賞にも選出された、うさぎストライプ主宰の劇作家・演出家、大池容子が上演台本と演出を担当し、小林顕作の音楽とともに、ファンタジックで優しい原作の世界観の中に垣間見える、社会への問いかけと、深い人とのつながりを、表情豊かに描き出す。
また劇団としても活動するSPACが挑むのは、ミヒャエル・エンデの『鏡のなかの鏡-迷宮-』。SPACの俳優として数々の舞台に立ち、演出家としても活躍する寺内亜矢子が、世界の大舞台を経験した俳優たちとともに、しなやかな身体と音楽性豊かなセリフ術を活かし、現実と幻想のはざまを旅するような演劇体験をお届けする。
週末には、同日に異なる2作品を連続してご覧いただける。多彩な感情あふれる2作品を、ぜひお子様とご一緒にご堪能あれ!

コメント(2025年度ラインアップ発表会より)

『わたしたちをつなぐたび』上演台本・演出:大池容子

『わたしたちをつなぐたび』は、一人の少女が「自分はどこから来たのか」を探る物語です。少女は一緒に暮らしているお母さんのもとを離れて、森の動物たちと出会い、旅をして、やがてある少年に出会います。イリーナ・ブリヌル氏とリチャード・ジョーンズ氏による原作では、一見可愛らしいファンタジーの世界の中で、今を生きる私たちの“さまざまな家族の姿”が温かくも現実的な眼差しで描かれています。今回舞台化するにあたって、そのバランスを保ちながら“旅”という要素にスポットを当てて作品を立ち上げたいと思っています。初めて演劇を観る子どもたちはもちろん、大人たちも楽しめる作品になるよう創作に臨みたいと考えています。

『鏡の中の鏡』構成・演出:寺内亜矢子

わたしたちはどこからきて、どこへいくのか。誰もが抱える、人生最大の謎です。
こどもたちは「わからないことをわかるようになりたい!」という知に対する強い欲望と、わからないまま遊びながらルールを発見したり発明したりする高い能力を持っています。
知への欲望に応えてくれるところはたくさんあります。でも、わからないことをわからないまま楽しむ力を育ててくれるところは多くありません。だから、いつの間にか、わからないことを楽しむことをあきらめてしまうのかもしれませんが、劇場はその力を伸ばし育んでくれる場所だと信じています。
地域の公共劇場が連携して作品を作り、発表の場を共有する、この素晴らしい機会に、わからないことをわかるようになりたいという欲望とわからないことをわからないまま楽しむ力を両翼にたずさえて、こどもたちと一緒に宝探しの旅に出ます。