京都・南座『歌舞伎鑑賞教室』開幕レポート

左より)村吉太朗、桂團治郎、片岡千壽

5月15日(木)、京都・南座にて『歌舞伎鑑賞教室』が開幕した。
多種多様な芸能の第一線で活躍している俳優陣による分かりやすい解説と、誰もが楽しめる歌舞伎舞踊の二本立てで好評な本公演。今年は、落語家・桂團治郎による解説『歌舞伎のお噺』に続き、姫から獅子への踊り分けが魅力の豪華絢爛な舞踊『相生獅子』を、上方歌舞伎の次代を担う俳優・片岡千壽と上村吉太朗により上演される。
初日開幕に伴い、舞台レポートが到着!

舞台の見どころと初日の様子

幕開けは、落語家・桂團治郎による『歌舞伎のお噺』。『越後獅子』の邦楽にあわせ歌舞伎俳優の片岡千壽と上村吉太朗が客席から登場すると、来場していた学生や海外からご来場のお客様より大きな歓声が上がった。第二幕『相生獅子』で奏でられる長唄や小道具として使用される“扇獅子”を紹介する。続いて、舞台上へ観客を招き、俳優らとともに実際に女方の所作を体験する一場面も。そして、写真撮影タイムも設けられ、客席も参加しての企画に盛り上がりをみせた。その後、桂團治郎が歌舞伎や落語など伝統芸能の歴史を振り返りながら、義太夫狂言の三大名作『菅原伝授手習鑑』、『義経千本桜』、『仮名手本忠臣蔵』を紹介。そして、歌舞伎が大好きな若旦那を描く上方落語の名作『七段目』を上演。團治郎の明朗な語りに、片岡千藏、片岡當史弥が歌舞伎らしい台詞まわしで加わり、本公演ならではの歌舞伎と落語のコラボレーションが実現!大きな拍手が送られ、幕を閉じた。

続く『相生獅子』は、勇壮な獅子を題材にした「石橋物(獅子物)」のなかで最古の作品。舞台は大名家の屋敷の大広間。片岡千壽と上村吉太朗が演じる二人の姫が優雅な姿を見せて登場。二人は扇を手に四季折々の様子や恋に迷う女心を艶やかに舞い、そして、紅と白の獅子頭を手に踊るうち、蝶を追って花道から姿を消す。再び花道から姿を現した二人の姫は獅子の精となっており、牡丹が咲き乱れるなか、百獣の王である獅子の狂いを見せる。最後、二人による壮大な「毛振り」が舞台を華やかに盛り上げ、万雷の拍手で閉幕した。