躍動する男たちの熱く切ない物語
“メサイア”が帰って来る!
華も実もある若手男優として知られ、発表されているだけでも今年3本の主演舞台が決まっている松田 凌。そのうちの1本で5月開幕の「メサイア-翡翠ノ章-」は、2013年の舞台一作目「メサイア-銅ノ章-」より彼がほぼ全作出演を続けるシリーズの最新作。2/20[金]からはドラマ「メサイア-影青ノ章-」(TOKYO MX2)がスタートし、シリーズのますますの盛り上がりが予想されるなか、待望のニュースが松田のもとに! 1作目から松田演じる海棠鋭利の絶対的パートナー(=メサイア)・御津見 珀を演じるも芸能活動を休止していた小野健斗が、この舞台で復帰するという知らせだ。
松田「スケジュールの都合でどうしてもキャスト変更しなきゃいけないこともありますが、これに関しては健斗くんが戻ってくる可能性がないなら僕もやれないなと思っていました。海棠鋭利を演じるのが松田 凌であれば、御津見 珀を演じるのは小野健斗でなければならないという関係性であったと信じているし、観てくださった方にとってもそうあればいいなと思っていて。ほかの作品や役だったら違うんですけど、別の人では妥協できないものを作ってしまったんです」
武器を用いた戦争の代わりに熾烈な情報戦が繰り広げられる世界で、秘密任務のために特殊機関「チャーチ」で育成されたスパイ、通称“サクラ”。過去も国籍もなく生きた証を残してはならない彼らは、失敗しても誰にも助けられず、誰も助けてはならない。唯一ペアを組む“メサイア”を除いて。
松田「メサイアっていうのは互いにとってただひとりの救い人で、いちばんの存在なんです。健斗くんとは僕の舞台デビュー作ミュージカル『薄桜鬼~斎藤一篇~』から一緒で、いちばん共演している役者のひとり。『メサイア』前から公私ともに仲が良かったので、この役を演じるにあたって障害がなかった。鋭利と珀の関係性がそのまんま、松田 凌と小野健斗です(笑)」
そんな鋭利と珀は、この「翡翠ノ章」でついに卒業ミッションに挑む。
松田「ただ最初に聞いたとき、『ほんとに卒業するのかな?』って疑問符から始まりました。ほかのキャラクターたちが3つぐらいヤマを越えて卒業していった姿を見てたから、卒業を迎えて悲しいとかいうよりも『うわ、絶対ひとクセありそう!』って(笑)。どんな卒業ミッションが与えられるのか、僕たちも楽しみにしています」
そして下級生だったふたりが、後輩のサクラを迎えるのにも注目。
松田「僕たちが出ていない去年の夏の『紫微ノ章』を客席で観ていたんですけど、『新しいサクラが出てきた!』ってびっくりして。次作で『そういえば、鋭利と珀っていたなあ~』なんてセリフで処理したりするのはやめてくださいよ! と思ったんですけど(笑)。その後輩たちはドラマにも出てくるんですが、生の舞台で共演するのは初めてで、必ず化学変化が起きるはず。珀も戻ってきますし、“ドリームチーム感”を楽しんでほしいですね」
鋭利がここで初めて見せる一面もありそう。
松田「彼はまだ自分のなかの闇を発散していないんですよね。それを見据えたうえで、僕はさらに先があると思いながらやっていたので、ここまで溜め込んだものを、満を持して花咲かせる瞬間が来るのか、それとも散るのかっていうような楽しみもあります(笑)」
ビギナーにはちょっと複雑な物語に思えるかもしれないが、最も重要な核はメサイア同士が見せる、一対一の人のつながりだ。
松田「相方(小野)が言ってた言葉なんですけど『誰しもメサイアがいる』と。お客様にも家族か恋人か友人か、ペットのワンちゃんでももちろんいい。メサイアであり得る存在が必ずいるはずなので、初めてでもきっと共感しつつ観ていただける作品です!」
インタビュー・文/武田吏都
Photo/谷本結利
ヘアメイク/友森理恵
構成/月刊ローソンチケット編集部
【プロフィール】
■松田 凌(マツダ リョウ)
‘91年、兵庫県出身。’11年デビュー。ドラマ「メサイア-影青ノ章-」(TOKYO MX2)が2月20日[金]スタート。3月に「遠ざかるネバーランド」、4月に「クロードと一緒に」の舞台出演を控える。