誰も見たことのないモリアーティVSホームズの対決
名探偵シャーロック・ホームズの最大の宿敵・モリアーティ教授。「犯罪界のナポレオン」と評された天才犯罪者の視点から数々の事件を描く人気漫画『憂国のモリアーティ』がミュージカル化を果たす。キャストには、モリアーティ役に鈴木勝吾、ホームズ役に平野良ら実力者が揃った。
鈴木「今まではどの作品でも『ホームズ=正義、モリアーティ=悪』という描かれ方が一般的。でもこの作品はまた新しい切り口でモリアーティを描いていて。ダークヒーローとしてのモリアーティのキャラクター像に面白さを感じました」
平野「こんなモリアーティ、今まで見たことなかったですから。しかも、この作品は娯楽性だけじゃなく、階級制度という時代の闇にも焦点が当てられていているところも、とても魅力的。モリアーティ・チームの家族以上の絆に、ホームズとワトソンの友情、そして善悪のあり方など、いろんな要素がつまった作品なんです」
天才同士の頭脳戦をミュージカルで描くという点が興味深い。
鈴木「僕はミュージカルだからこそより魅力を出せると思っています。ミュージカルは、キャラクターの心情を表すために歌がある。大義を持ちながら、それを隠して暗躍するモリアーティの信念を表現するには、歌が適しているんじゃないかなと」
平野「原作の情報量は膨大で複雑。これを全部台詞で説明しようとしたらクドくなるけど、歌ならわかりやすく伝えられる。しかも今回の音楽はピアノとバイオリンの生演奏。19世紀末のイギリスの世界観とぴったりなので、きっと一瞬でお客さんを引き込めると思います」
モリアーティとホームズは天才的な頭脳の持ち主だが、演じるふたりの推理力は果たして…?
鈴木「推理小説は好きです。わりと犯人を当てるのも得意かも」
平野「俺はマジで全然わかんない。終盤の『犯人はあなただ!』って言う場面になっても、何でそうなるのか常に謎。ホームズ適性はまったくありません(笑)」
鈴木「聞かなきゃ良かった!これでもう稽古中に推理してる良くんを見ても『中の人は全然わかってないんだ』って思っちゃうじゃん(笑)」
インタビュー・文/横川良明
※構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載
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【プロフィール】
鈴木勝吾
■スズキ ショウゴ ’89年生まれ。神奈川県出身。近作に舞台『ジョーカー・ゲーム』『トゥーランドット』『エン*ゲキ#03「ザ・池田屋!」』など。
平野良
■ヒラノ リョウ ’84年生まれ。神奈川県出身。近作に舞台「ハイスクール奇面組」、舞台「文豪とアルケミスト 余計者ノ挽歌」など。