演劇と落語のコラボレーション H&Aプロデュース第1弾『死神』来春上演決定!

2025.11.13


古典落語「死神」をベースに、脚本・演出家の倉持裕が噺家・立川志の春の協力を得て、演劇と落語を掛け合わせた「演劇×落語=演劇作品」を初顔合わせにてお送りします‼

この度2026年4月から5月にかけて、H&Aプロデュース第1弾『死神』を東京:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA、兵庫:兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて上演することが決定しました。


演劇と落語のコラボレーション
「演劇×落語=演劇作品」が始動します!

この度、ドラクエ愛好家の演劇プロデューサーである細川展裕(イニシャル「H」)と、落語好きのプロデューサーである浅生博一(イニシャル「A」)が、H &Aプロデュースを立ち上げる運びとなりました。細川と浅生が立川志の春の「シモハルの会」を観に行き、志の春の神がかった新作落語の数々に心酔し、「演劇と落語を掛け算した演劇作品を創作しよう」という着想を得ました。

噺家の独演会に若年者層の女性が殺到するといった落語ブームは、漫画「昭和元禄落語心中」がアニメーション化、ドラマ化、ついには舞台化されていることからも窺い知れます。NHK「超入門!落語 THE MOVIE」では、落語の登場人物が実際に動き出し、無声芝居に声を当てるという映像がとても斬新で話題となりました。古典落語が新作の芝居となる、これまでに無い新たな発想で、H&Aプロデュース企画第1弾として、いわゆる3次元の演劇に古典芸能である落語を掛け合わせるシリーズ「演劇×落語=演劇作品」を始動いたします。


企画第1弾は三遊亭圓朝「死神」をベースとして、これまでにはない、新たな演劇作品をお送りします。

本作のベースとなる落語は、古典落語である三遊亭圓朝の「死神」です。借金に苦しむ男が死神に出会い、死期が迫る人を見分けて助ける術を授かる。男は医者として成功するが、禁を破って死神をだまし、死期が迫る人の命を救おうとし、逆に自らの命を奪われてしまうというストーリーです。今作は、サゲ(お話の最後、落ちの部分)が噺家によって十人十色になるのが特徴、魅力のひとつでもあります。はたして、本作のサゲはどんな展開になるのでしょうか。古典落語「死神」をベースに、どのような新作のお芝居になるのか、どうぞご期待ください。


脚本・演出家:倉持裕を支える噺家:立川志の春、彼らを筆頭に、各セクションのスタッフが総集結!

作・演出を手掛けるのは、2000年に劇団「ペンギンプルペイルパイルズ」を旗揚げ及び主宰を務め、今や舞台から映像に至るまで縦横無尽の活躍を見せる倉持裕。数々の作品を手掛けてきた倉持が、今作で初の落語とコラボレーションをした演劇作品に挑みます。舞台戯曲、演出、ドラマ執筆、ドラマ企画監修など分野を問わず活動し注目作を生み続けている倉持が、落語家の立川志の春と共鳴し、エンターテインメント要素満点の演劇(ちょいと、音楽劇)として進化させます。
脚本協力の立川志の春は、2002年に立川志の輔に弟子入りし、2011年、二つ目。2020年、真打に昇進を致しました。レパートリーは、古典落語はもちろんのこと、新作落語、英語落語、シェイクスピア作品の落語化や、艶話のみの「シモハルの会」などにも取り組むほか、真打昇進の同年に自身の新作落語「阪田三吉物語」が、明治座1月の三山ひろし公演にて舞台化もされました。現在、多岐に亘る活動をしている落語家のひとりです。噺家・立川志の春が、本作にスタッフとして、また出演者として参加いたします。


主演に牧島 輝を迎え、共演に、水野美紀 ほか、強力なキャスト陣にてお送りします!

主演を務めるのは、牧島輝。近年、演劇での活躍がめざましく、2021年『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-』(作:中島かずき、演:白井晃)、2023年『季節はずれの雪』(作:スティーブン・メトカルフ、演:稲葉賀恵)、2024年『ハムレットQ1』(作:ウィリアム・シェイクスピア、演:森新太郎)に出演。今年も3月、『きたやじ オン・ザ・ロード〜いざ、出立!!篇〜』(作:シライケイタ、潤色・演出:ウォーリー木下)に出演。10月には、『明日を落しても』(作:ピンク地底人3号 演出:栗山民也)、12月にはミュージカル『十二国記』(脚本・歌詞:元吉庸泰 演出:山田和也)に出演予定です。名だたる演出家の元、鍛えられたその演技は、若手ならではのチャーミングなところも備えつつ、凛とした演技により各方面からの評価がとても高く、舞台だけでなく、映画、テレビ、歌手、声優など、活躍の場を広げ、ますます期待が膨らむ俳優です。牧島の相手役を務めるのは、水野美紀。シリアスなものからコメディまでこなし、自身も演劇ユニット「プロペラ犬」を2007年に旗揚げし、主宰・脚本・演出を手掛けている。2026年のNHK連続テレビ小説「風、薫る」の出演も決まりました。共演には、樋口日奈、浅利陽介、玉置孝匡、香月彩里、立川志の春が出演。作・演出の倉持裕が彼らをどのように描くのか、ぜひお楽しみいただければと思います。

 

コメント

作・演出 倉持裕
初めて『死神』を聴いたのは子供の頃、叔母が持っていた六代目・三遊亭圓生の木箱入りカセットテープでした。落語自体に触れたのもこの時が初めてで、語りだけで笑いと恐怖を生み出す話芸に驚き、終盤のゾクゾクを味わいたくて繰り返し聴きました。だから僕にとって落語といえば『死神』です。
一つの肉体が生み出す落語に対し、登場人物分の肉体を用いて表現する演劇の強みがどう活かせるか、そして、すでに様々なバリエーションがある『死神』のサゲに、新たな発明が出来るか、試行錯誤を重ねたいと思います。


脚本協力・出演 立川志の春

死神といやあ落語ファンに大人気の演目。貧しく金にだらしない、欲の塊のようなロクデナシ男の主人公。ボロを着て、みすぼらしい姿の中におかしみと哀愁をたたえた死神。そのロクデナシに牧島 輝さん、死神に水野美紀さん。僕が落語で死神をやる場合、絶対に脳内でキャスティングしないお二人です!まだ最終稿は読んでいないのでどんな展開になるのか僕自身も知りません。が!尋常ではない死神になること間違い無しDEATH!


プロデューサー 細川展裕

1985年2月2日、新宿・紀伊國屋ホールで『朝日のような夕日をつれて 85』の初日と共に始まった私の演劇人生は今年で40年。いろいろな寄り道、迷い道もありましたが、そんなこんなを踏まえつつ、さてこの先は?と思案の結果、かねてよりの思惑「演劇と落語」に至りました。
41年目の春にお送りする『死神』。この道が次のどこかに繋がると信じて。 2025年冬・吉日。


プロデューサー 浅生博一

今企画、相方の細川さんと話し始めたのが4年前の春頃でした。紆余曲折を経て、いよいよ来春、縁と運と機会をいただき集結した愉快なキャストとスタッフたちにて、『死神』を創作します。これまでも、演劇界の先人たちによる古典落語をベースにした演劇作品はありますが、我々は彼らの足跡を尊愛し、「演劇×落語」を目的とした、ここでしかできないことに可能な限り挑戦し続けます。乞う、ご期待ください。