『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Division Jam Tour》vol.2│小波津 亜廉&中西智也 インタビュー

©『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage製作委員会

11月・12月に開催され、3都市を熱く盛り上げたライブツアー『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Division Jam Tour》vol.1。その熱を引き継ぎ、2026年1月には『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Division Jam Tour》vol.2が、福岡・名古屋・東京にて開催される。
本作は、音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』を原作とした『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage(通称ヒプステ)のライブツアー。第2弾となる「《Division Jam Tour》vol.2」には、シンジュク・ディビジョン“麻天狼”、ナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”、“糸の会”、寶井 灯依里、“道頓堀ダイバーズ”、ディビジョン・ダンス・バトル“D.D.B”の計18名が出演する。
今回はシンジュク・ディビジョン“麻天狼”のリーダー・神宮寺 寂雷を演じる小波津 亜廉、ナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”のリーダー・波羅夷 空却を演じる中西智也にインタビュー。ディビジョンメンバーとの仲の良さが伝わるエピソードと共に、ライブツアーへの思いを語ってもらった。

――ここまでの公演を振り返ってみて、とくに印象に残っている作品について教えてください

小波津 最初に出演した公演という点で、「-New Encounter-」に思い入れがありますね。寂雷先生のマイクがとても重かったのも印象的でした(笑)。本作で初共演となった“麻天狼”の2人(伊弉冉 一二三 役の安藤夢叶、観音坂 独歩 役の中染雄貴)と迎えた初日の感覚は今でも記憶に残っていて、その感覚をこの先も大事にしていきたいなと思ったことを覚えています。

中西 僕は10月に上演された「《Buster Bros!!! & Bad Ass Temple feat. 糸の会 & WESTEND-MAFIA》」ですね。ナゴヤの新たな一面や絆をお届けできたんじゃないかなと。ずっと「こういう空却を演じてみたいな」と思っていた姿を演じることが叶ったという意味でも、大切な公演になりました。

――役を演じる上で、大事にしている核はどういったものですか?

小波津 他者を重んじることです。どの役を演じる上でも大事なことではありますが、寂雷先生を演じる際はとくにそこを意識しています。稽古の際も、「あんでぃ(安藤)やなかぽん(中染)が今どんな気持ちでいるんだろう?」と、自分よりも他者のことを考えるようにしていますね。

中西 空却は人のことをすごくよく見ているし、何より他者を導く僧侶なので、人を導ける人ってどんな人なんだろうか、と考えることに重きを置いています。僕自身の性格は空却とは真逆なんですよ(笑)。だからこそ、たくさん考えています。

――ご自身の役について、公演を重ねてきた中で新たに見えてきたものや、役の捉え方で変化した部分があれば教えてください。

小波津 寂雷先生の最初の印象は、“あまり人間味を感じない人”でしたね。「-New Encounter-」の序盤も、空の上の人じゃないけれど、一つ俯瞰したところにいる人という印象で、すごく捉えるのが難しかった。でも、一二三くんや独歩くんと関係を築いていった上での物語である「-Grateful Cypher-」で、寂雷先生の内面的な部分が少しずつ少しずつ見えるようになってきて。寂雷先生にとっての“麻天狼”の存在の大きさを感じています。

中西 最初の頃は、とにかく「空却にならなきゃ」ってずっと思っていました。だけど、そう思えば思うほど、逆に近づけない感覚があって。次第に、空却ってこうだからこう演じよう、というより、空却と自分の性格をすり合わせながら演じてみようと、考え方を変えてみたんです。そうしたら、自分の中でしっくりくるし、より楽しく演じられるようになりました。

神宮寺 寂雷 役/小波津 亜廉
©『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage製作委員会

――お互いにどんな第一印象でしたか?また、共演する中で感じたお互いの魅力や好きなところを教えてください

小波津 智也は本当に身体能力が高いんですよね。寂雷先生が“静”だとすると、空却は“動”で、そんな空却のアグレッシブさを表現しようと熱心に研究していた姿が印象に残っています。初めて会った頃から智也は、もう本当に可愛くって!可愛くて抜けているところもあるけれど、根っこが真面目なところが彼の魅力だなと思います。

中西 へへ(照)。でも、僕の亜廉さんの第一印象は怖かったです……。

小波津 え!そうなの(笑)!?

中西 背も高いしオーラがあったので(笑)。でも、亜廉さんの親しみやすい人柄に触れていくうちに、すごくお話しやすい方だなと。優しくて大好きなので、このライブでももっと仲良くなれるんじゃないのかなと楽しみにしています!

――ここまでのお話からも両デビィビジョンの仲の良さが窺えますが、改めてリーダーであるお二人から見たご自身のディビジョンのカラーとは?

小波津 シンジュクはまずそれぞれが自分で考えて、それを共有するということを徹底しているチームです。「-New Encounter-」の稽古では、お互いに役の解釈を話し合っていました。例えば、僕が思う一二三と独歩、あんでぃが思う寂雷先生と独歩……という感じで書き出して話し合ったことが、今も僕らの中に根付いていて。自分の役だけじゃなく、“麻天狼”として考えるために徹底的にコミュニケーションを取っているというのが、僕らの強みだと思います。

中西 ナゴヤはまさに家族だなと思います。皓平さん(天国 獄役の中塚皓平)は年齢的にもお兄さんで大先輩なんですが、それを感じさせないように接してくれますし、その懐の深さに僕と楓太(四十物 十四役の酒寄楓太)は甘えさせてもらっていて、3人で一緒にいると居心地が良いんです。舞台上でも普段の僕らのアットホームな絆を出せたらいいなと思いながら演じています。

小波津 シンジュクはすごく役割がはっきりしています。パフォーマンスはあんでぃが主体となってまとめてくれるし、なかぽんは原作やキャラクターについての知識量が一番なので“「ヒプマイ」の歩く辞書”の役割を担ってくれる。僕は芝居の部分を担っていて、そのバランス感もシンジュクらしさだなって思います。

――シンジュク、ナゴヤにとっては初のライブ公演です。楽しみなことをお聞かせください

小波津 ライブでたくさんの楽曲をお届けできることが、まずすごく嬉しいです。「-Grateful Cypher-」からの期間で、あんでぃもなかぽんも『ヒプステ』への思いを貯めていると思うので、それを3人で共有してステージに昇華する瞬間が楽しみです。

中西 ナゴヤは《Buster Bros!!! & Bad Ass Temple feat. 糸の会 & WESTEND-MAFIA》を終えたばかりで、できたてほやほやの絆があるので、それをライブで一層深められたらいいなと思っています。

波羅夷 空却 役/中西智也
©『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage製作委員会

――ライブに向けて、ディビジョンの仲間に向けて一言ずつメッセージをお願いします!

小波津 まずは、2人とも感謝祭「《Hypnosis Delight Fes.》」で久しぶりに会えて本当に嬉しかった!あんでぃには、「大好きなあんでぃのパフォーマンスを間近で見られることを楽しみにしています」。稽古であんでぃのパフォーマンスが積み上がっていく過程を見られるのはすごく贅沢な時間だと思っていて、お客さんより一足先に見られるのが今から楽しみです。なかぽんには「《Hypnosis Delight Fes.》で“麻天狼”を支えてくれてありがとう。その時の思いを、3人揃ったライブでの爆発力に変えてくれるのを楽しみにしています」と伝えたいです。

中西 ナゴヤの裏リーダーは皓平さんだと言われているので、皓平さんには「僕がリーダーだよ」と言いたい(笑)!

小波津 アハハ!

中西 もちろん皓平さんにはすごく支えてもらっていて、本当に感謝しています!でも、皓平さんも舞台裏ですっごく緊張しているんですよ(笑)。だから僕がリーダーだよ、と改めて伝えておきたいなと。楓太には「歌声やパフォーマンス、役への向き合い方含めて、楓太の演じる十四が大好きです!」かな。3人でお互いの良さを引き出し合って、パワーアップしたナゴヤをお届けしたいなと思っています。

――では最後に、ライブを楽しみにしているファンの皆さんへのメッセージもお願いします

小波津 これまで培ってきた経験や僕らの関係値を最高のパフォーマンスに乗せてお届けしますので、“麻天狼”を存分に肌で、心で感じてください!

中西 今回は名古屋公演があります!ホームで公演ができることが本当に楽しみです。《Buster Bros!!! & Bad Ass Temple feat. 糸の会 & WESTEND-MAFIA》ではナゴヤの絆を存分に示せたと思うので、ライブでは僕たちの荒々しさも出して、皆さんの心をぶち上げたいと思います。楽しみに待っていてください!

取材・文/双海しお