ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』|竹内涼真 インタビュー

竹内涼真が5年ぶりの舞台で「ハードルだらけ」の作品に挑む

初舞台は2021年。『17 AGAIN』で見事なミュージカルデビューを果たした竹内涼真が、ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』で5年ぶりに再び舞台に立つ。話題のドラマに次々出演しているなかでの決意をこう語る。

「舞台でしか感じられないスリルが、また欲しくなってきていたのかもしれません。一つひとつ積み重ねてきたものを一旦手放し、観客の目の前で演じること、観客の反応が生で返ってくること、そのライブ感やリスクというのは映像とは全然違うものですから。しかも、この作品はハードルだらけ(笑)。だからこそ、やってみたいと思ったんです」

『奇跡を呼ぶ男』は、1992年の映画をもとに2010年にミュージカル化された作品である。描かれるのは、伝道師としてインチキな奇跡を起こして金儲けをしている詐欺師ジョナスの物語。それをゴスペル調のソウルフルな音楽が彩っていくとあって、ジョナスを演じる竹内には、人々が騙されるような華麗な説教や、グルーヴ感のある歌とダンスが求められるのだ。

「ラッキーなことに、Netflixで配信されている映画『10DANCE』でかなり踊ったので、ダンスは5年前よりレベルが上がっていると思っています。ただ、観客に対して説教しながらだんだんリズムに乗って歌に入っていく境目のない感じや、騙す相手に考える隙を与えない巧みなパフォーマンスは難しいでしょうし、何より、ゴスペルの歌い方やリズム感は相当稽古が必要だと思います。僕自身はブラックミュージックが好きで、ボーイズIIメンやブライアン・マックナイトを子どもの頃から聴いていましたが、そもそも文化の違うところで生まれた音楽で、自分のなかにはないものですから。でも、僕としては、そんな“嘘”から始まるものをいかに“本物”にしていくかが勝負だと思っているんです」

物語もまさしく、足の不自由な少年と出会ったことをきっかけにジョナスのなかで何かが変わり始め、嘘を重ねてきた男が本当の奇跡を起こせるのかと問うていくが、その可能性を竹内自身は信じているのである。

「自分も20歳くらいの時にサッカーを辞めて『俳優で成功します』と親に宣言したんですけど。本当に成功するかどうかわからないなかで挑戦して、一つひとつの作品を積み上げてきたわけで、世の中ってそんなことであふれていると思うんです。奇跡だって起こしたいと思って起きるものではなくて、撮影現場でもそうですけど、本気で目の前のことに打ち込んだり、何かを信じてそこに100%賭けた時に、気づいたら生まれていたということがある。だから今回も信じたいんです。同じ人間としてまず感情から役と自分をリンクさせて、そこからふつふつと湧き上がってくるエネルギーみたいなものを音楽に乗せて出していく。そして、日本キャストの真面目さやチームワークがパッションとなってゴスペルと結びつけば、何か新しい面白いものができるんじゃないかなと。もちろん、あのグルーヴ感を取り入れようとすることは最後まで続けて稽古を重ねたうえで」

稽古が好きだと初舞台で気づいたという。

「失敗がいっぱいできて、何回でもやり直せるので、もっとやりたい、時間が足りないと思いました。サッカーの練習はしんどいことも多かったですが(笑)、先にキツいこと辛いことをやっておいたら、どこかでお釣りがくるんですよね」

そのお釣りを今回も舞台上でもらうはずだ。

「僕ら出演者だけが盛り上がっているのではなく、客席の端から端まで、オーケストラの皆さんや照明までも熱量が高まっていく。その可能性がある作品だし、そういう作品にしていきます」

インタビュー・文/大内弓子
Photo/中田智章

【プチ質問】Q:手土産を選ぶポイントは?
A:「この人にこれをプレゼントしたい」と思って決めます。ある意味、半分押し付けみたいですが(笑)。最近だと、50代の方にパロサントという香木(火をつけることで焚火のような香りがする木)のセットをプレゼントしたら、すごく喜んでくれました。

※構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】

竹内涼真
■タケウチ リョウマ
現在「再会~ Silent Truth~」(テレビ朝日系)で主演を務める。またNetflix映画「10DANCE」が配信中。