舞台「はがきの王様」|松岡昌宏&ピエール瀧&金沢知樹 インタビュー

ハガキ職人が辿る数奇な人生
“深夜ラジオ”をテーマにした物語

『半沢直樹』や『サンクチュアリ-聖域-』の脚本を手掛け、劇作家や演出家、構成作家や映画監督も務める金沢知樹が、かつてラジオ番組のハガキ職人だった自身の経験を元にした物語を発表。主人公である元ハガキ職人を演じる松岡昌宏と、彼が敬愛するラジオパーソナリティ役を演じるピエール瀧、そして作・演出の金沢知樹を交えて5月に公演される舞台『はがきの王様』への意気込みを聞いた。

――『はがきの王様』は、ラジオドラマ、舞台劇、映像ドラマ化を視野に入れたプロジェクトですが、オファーを受けたときのお気持ちは?

松岡 自分は“オールナイトニッポン”で育って、“オールナイトニッポン”の中に入りたいって思っていたくらいラジオっ子でしたから、あの頃のラジオの世界を令和に伝えるって聞いて、シンプルに“やりてえな”って思いました。

 ハガキ職人にスポットを当てるのは非常に興味深いと思いました。ハガキ職人ってラジオ番組においては大事なリスナーというだけでなく、スタッフの一部みたいなところもあったりするので。金沢さんの体験を反映させた内容というのも出演を決めた理由のひとつです。

―― 本作は投稿者だった頃の金沢さんの経験や当時の心境を元にされているんですよね?

金沢 僕がオリジナルで作る物語は全て周りにいる人間を誇張して作っています。今作では、自分が中学生のときにとんねるずさんのラジオで読まれて貰ったグッズを学校で見せてヒーローになったことや、お小遣いを全部切手代に使ったりしたことなど、あの頃の無垢な自分を思い出して書けたらいいなと思っています。

―― みなさんはラジオに携われてきたことが共通点です。ラジオの魅力とは?

松岡 自分はかつてオールナイトニッポンをやらせていただいてます。しかも2部。

 僕ら電気グルーヴも2部からやりました。野良犬がリミッターもかけずにトークをしてましたけど、あの2時間ってリスナーにとってもモヤモヤしたものを吐き出す場所だったんだなと今、振り返ると思います。

松岡 あの頃のラジオって危なかったし、大人になる入り口だったような気がする。中1の感覚というか。エロいことも知ったし(笑)。ハガキも送ったことある。読まれなかったけど。

 読まれないよね。僕も送ったけど読まれたことがない。そういう経験があるから自分がラジオをやったときは来たハガキを全部見て、セレクトして順番も自分たちで決めてました。

松岡 自分も同じです。達筆すぎて読めないハガキとかありましたよね?今はメールで来るので読みやすいですけどね。

金沢 いやあ、早くおふたりと喋りたいですね。

―― 公演を楽しみにしている方へ

 挫折もあれば成功もするなかで、自分を取り戻す鍵ってあると思うんです。今回はラジオですが、それが人によっては草野球だったりすると思います。この話を通じて、自分なりの鍵にたどり着いて頂けたら幸いかなと思います。

松岡 歳を重ねると初めてやることって減ってくるんです。ですが今回は今までやりたくてできなかったことが詰まっているので素直に楽しみたいと思っています。それに久しぶりの男の役でもあるので(笑)。頑張ります。

―― 本多劇場での公演ですが、思い入れや楽しみにされていることはありますか?

松岡 本多劇場はやっぱり聖地です。観客としても観に行ってますし。演劇人ではない自分でも本多に出られるんだって凄く嬉しいです。

インタビュー&文/高畠正人

※構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

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【プロフィール】

松岡昌宏
■マツオカ マサヒロ
俳優としてドラマ『家政夫のミタゾノ』シリーズなど出演作多数。

ピエール瀧
■ピエール タキ
テクノユニット「電気グルーヴ」のメンバー。俳優としても数多くの作品に出演する。

金沢知樹
■カナザワ トモキ
脚本家、演出家。ドラマ『半沢直樹』の脚本、映画『サバカン SABAKAN』の監督・脚本など幅広く活躍。