舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』は、小説「ハリー・ポッター」シリーズの作者であるJ.K.ローリングが、ジョン・ティファニー、ジャック・ソーンと共に舞台のために書き下ろした「ハリー・ポッター」シリーズ8作目の物語。小説の最終巻から19年後、父親になった37歳のハリー・ポッターとその息子・アルバスの関係を軸に描かれる新たな冒険物語は、2016年7月のロンドン初演以降世界中で多くの演劇賞を獲得するなど、好評を博しており、国内でも第30回読売演劇大賞の選考委員特別賞、第48回菊田一夫演劇大賞を受賞するなど高い評価を獲得している。
本作の最大の魅力は、世界のエンターテインメントを牽引する一流スタッフが知恵と技術を結集して創り上げたハリー・ポッターの世界観を「体感」できること。原作ファンも、そうでない人も楽しめるストーリー、次から次へと飛び出す魔法の数々、ハリー・ポッターの世界に入り込んだような舞台美術と衣裳、独創的で心躍る音楽、体感する全てが、観客を魔法の空間に誘う。
2022年に開幕した東京公演は、多くの観客に愛され、総観客数130万人を突破、さらに通算1,400回公演を達成。
そしてついに2026年12月27日(日)をもって千秋楽を迎え、4年半のロングラン公演に幕を下ろすことが決定している。
この度、映画「ハリー・ポッター」シリーズでハリー役の吹き替え声優を12歳から務め、ハリーと共に成長してきた小野賢章のスペシャルインタビューが到着!映画「ハリー・ポッターと死の秘宝」の公開から15年が経つ今年、満を持して舞台でもハリー役を演じることとなり、「記憶の奥のほうにある扉を開いていきたい」と熱く語った。

小野賢章 スペシャルインタビュー
子どもの頃から長く声を務めた記憶を掘り起こし、自分ならではのハリーを表現したい
ついにラストイヤーに入った舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』。今年初めてハリー・ポッター役として、映画版のハリーの吹き替えを12歳から務めた小野賢章が参加する。まさにハリーと人生を共にしてきた小野が舞台の上でどのような表情を見せるのか。映画の時の経験談やこれまでのキャリア、そしてこの舞台にかける熱い想いを聞いた。

――舞台でハリーを演じることになると思っていましたか?
夢にも思わなかったです。映画「死の秘宝PART2」の後に「ファンタスティック・ビースト」が公開され、このシリーズは何らかの形で続いていくのだろうとは思っていました。海外で『呪いの子』を舞台でやると知り、観たいとは思いました。でもその日本版に自分が参加することになるとは思ってもみなかったです。
――舞台のハリー役のオファーが来た時はどう思われましたか?
実は今回よりも前に何度かお話をいただいてはいました。『呪いの子』のハリーは37歳で、しかも3人の子どもの父親になっていて、自分が演じるのに全く現実味がなかったんです。ハリーの声を長く演じてきたとはいえ説得力に欠ける気がして、その時はお断りしました。観劇を楽しむ側でいようと思ったんです。
実際に初演を観たら本当に面白かったです。3時間40分があっという間。藤原竜也さんがハリー役の回で、最初は藤原さんだ!とワクワクしていましたが(笑)、観ているうちにハリーにしか見えなくなって。その上、人が消えたり炎が出たり、目の前で魔法が次々と起こる。本当にハリー・ポッターの世界に入り込んだ気持ちになって、とても楽しかったです。印象に残っているのはアルバス、スコーピウス、デルフィーがポリジュース薬を飲んで魔法省に潜入するシーン。子どもの頃に冒険していたハリーとロン、ハーマイオニーがフラッシュバックしましたね。
――ちなみに、ご自身が組分けされるとしたらどの寮だと思われますか?
やっぱりスリザリンに憧れがありますね。エリート集団で少しダークなところがかっこいいなと。ずっとグリフィンドール生だったので、ゲーム等で自分で寮を選べる場合は「ちょっとスリザリン選んでみようかな」ということもあります(笑)。
――小野さんのこれまでのキャリアを教えてください
4歳の時にテレビの戦隊シリーズを見ていて、母に「僕も(ヒーローに)会ってみたい」というようなことを言ったそうです。そこで実際に会えるのはどこだろうと、親が子ども劇団に入れてくれました。普通はヒーローショーとかに連れて行くと思うんですけど(笑)。劇団には学校終わりに習い事をやる感覚で通っていましたね。初舞台は小学3年生の時の『少年H』。舞台美術家・妹尾河童さんによるベストセラー小説の舞台化で、演出は栗山民也さん。舞台をやるのは好きでしたが『ライオンキング』のヤングシンバ役では、稽古が厳しくてたびたび泣きましたね(笑)。また『エリザベート』の皇太子ルドルフの子ども時代の役もやりました。映画のハリー・ポッターはちょうど『エリザベート』の稽古をしている頃にオーディションの話をいただいて。
――映画の吹き替えのオーディションでどんなことをしたのか覚えていますか?
「賢者の石」のワンシーンの台詞を読みました。いざ決まった時、僕はまだハリー・ポッターのすごさを知らなかったので、へえ、そうなんだ、と冷静で。兄がハリー・ポッターの本を愛読していたこともあり、親は非常に喜んでいました。
――ハリーに関わらず、役を舞台で演じることと吹き替えで演じること、ご自身の中での違いはありますか?
舞台と吹き替えで意識的に変えようと思っていることはあまりないですね。ただ、技術的には存在していると思っています。例えば、すごく小さく台詞を喋っても声の現場の場合はマイクが拾ってくれますが、舞台の場合は客席に届けなくちゃいけないとか。そういうもの以外では、芝居のアプローチを現場によって変えるみたいなことは極力したくないと思っています。
――今回の出演を決めたきっかけは?
ラストイヤーということもあり、僕にも何かやれることがあるのかもしれないと思ったんです。これまで映画をはじめ、ゲームや様々なコンテンツでハリー・ポッターという作品に関わってきました。僕にとってこの作品でお仕事をさせていただく機会はいよいよ最後になるかもしれない。もし関われるチャンスがあるなら挑戦してみたい。そんな気持ちの変化がありました。僕の年齢も、今年の10月で劇中のハリーと同じ37歳になりますし、かなりハリーに近づいたかなと思います。
――今年は10名の俳優によるハリーが登場します。ご自身のハリーをどのように表現するか、現時点で考えていることはありますか?
これから覚えなくてはいけないことは山ほどありますが、登場人物の名前や魔法界の用語、呪文は言い慣れているので、そのアドバンテージはあるかもしれません(笑)。声や言い方から、映画を吹き替えでご覧いただいた方々が聞いたことがある!と思っていただけたら嬉しいかなって。
実は僕、映画の吹き替え版をほとんど観返していないんです。小学生や中学生の頃から声を務めていたので、自分の声が聞こえてくるのが恥ずかしくて。でもこの機会に観直したいですね。特に「死の秘宝」の青年になったあたりはどう演じていたのか、記憶の奥のほうにある扉を開いていきたいです。
――原作者J.Kローリング氏が『呪いの子』を小説や映画ではなく、舞台として書き下ろしたことについてどう思われますか?
個人的には登場人物たち同士の物語をしっかり届けたかったのではないかと思いました。映画は圧倒的なリアルさ、情報量の多さがあり、それに対して舞台は表現が限られている分、物語に集中できる気がします。専用劇場という特別な空間で観られるところも、ハリー・ポッターの世界の中に入り込めるような感覚があって魅力ですよね。
――『呪いの子』で描かれるテーマの中で特に印象深いものはありますか?
友情、家族愛、親子愛といろんなテーマが内包されていますね。僕が感じたのは、親は親の、子どもは子どものそれぞれの悩みがあるんだなと。世代によって悩みの種類が違うだけで、みんな何らかの悩みを抱えながら頑張って生きていることに感動しました。
特に幼い頃のハリーはダーズリー家の階段下に暮らしていて、まともな人と触れ合うことがない、そんな状況から「賢者の石」、このシリーズが始まります。ちょうど小学校に上がる年頃で、人格の土台が作られている時期。その後、彼は常に自分の居場所を探しながら生きてきたんでしょうね。本当に、あの時ホグワーツに入学できてよかったと思います。あのまま階段下の生活が続いていたら、とんでもない人物になっていたかもしれません。
――やはりホグワーツで築いた人間関係、生徒同士や先生との繋がりが彼を良い方向へと成長させたのでしょうか?
本当に。僕は映画の記憶が強いので、『呪いの子』でハリーが自分の息子(アルバス・セブルス・ポッター)にダンブルドアやスネイプの名前をつけたことにグッときます。ハリーが先生たちとの繋がりを大事にしていること、そして彼らの精神を受け継いでいるように感じます。
――劇中でハリーがダンブルドアの絵画と向き合うシーンがあります。どんな気持ちになりそうですか?
いろいろ思いが巡りそうです。映画でダンブルドアの声を務められた永井一郎さん、スネイプ役の土師孝也さんはもう亡くなられていて。僕は土師さんにとてもお世話になって、他の現場でお会いすると「元気か?」と声をかけてくださったのを覚えています。いつも「大きくなったな」と仰っていました。いろいろ感じるところがありそうです。
――そんな小野さんが、ついに大人のハリーになってTBS赤坂ACTシアターのセンターに立たれます。最後に今の思いとお客さまへのメッセージをお聞かせください
TBS赤坂ACTシアターは『ロミオ&ジュリエット』で出演したこともあり、懐かしさも感じます。ロビーでよくみんなとストレッチしていたことを思い出しました。その劇場に再び立てるのは感慨深いです。
映画を吹き替えでご覧になっていた方たちが、僕の大人のハリーに子どもの頃のハリーの面影を感じていただけたら嬉しいです。改めてハリーと向き合える良い機会をいただけたことに感謝しながら演じていきたいと思います。ぜひ劇場に足をお運びください。

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