日舞パフォーマーの花園直道が東京・歌舞伎町劇場にて上演する「花園城LIVE~別邸編」が3月16日(月)に開幕した。
「花園城」は、城主である花園直道が宴会を行っているというコンセプトで、日本舞踊をベースに歌謡曲やポップス、殺陣、寸劇などさまざまなエンターテインメントが繰り広げられるパフォーマンスショー。これまでに、2024年に明治座にて行った芸能生活20周年記念公演「花園城だよ!全員集合」をはじめ、日本各地のホールや米ロサンゼルスなどでも公演を行っている。
今回の“城”となった歌舞伎町劇場は大衆演劇の常打ち小屋として2023年10月に開業したが、2026年からは大衆演劇以外の公演も行っていくという。同劇場は花園直道がオフィシャル広報大使を務めており、本公演は歌舞伎町劇場の新たな可能性を拓くものとなる。
松坂ゆうきをゲストに迎え、大盛り上がりで上演された初日の模様をお届けする。
あらゆるエンタメを詰め込んだ華やかな宴!
オープニングは花園のオリジナル曲「百花繚乱~blossom~」からスタート。桜の一枝を手に華やかに歌う姿に聴衆はたちまち魅了され、“別邸”の世界へと招かれた。さまざまな曲に合わせて軽やかに舞う姿、その美しい所作は煌めきにあふれ、ハッと息をのむような輝きを放つ。日舞の伝統と現代的なエッセンスのハイブリッドに、胸躍る時間が次々と訪れた。


本公演では日替わりで“殿様”なるゲストが登場。初日の殿様を務めた松坂は、まずは「令和夢追い太鼓」で賑々しく宴を盛り上げる。「まにまにのまに」では、ファンによる“ラブリーゆうき”のコールが会場に響き、さらに会場の熱量を上げた。この季節にぴったりな「桜の花の木の下で」は先日リリースされたばかり。大きなLEDビジョンに桜の花が目いっぱいに映し出され、聴衆は染み入るように聞き入っていた。
このほか、音大声楽科卒業の松坂が先日のミラノ五輪で金メダルを獲得し話題となったフィギュアペア“りくりゅうコンビ”の使用曲「Nell tue mani」なども歌唱。同曲では圧巻の歌声に合わせ、花園による踊りも披露され、2人のコラボレーションで魅了した。


2人は長い付き合いで、共演も100回以上だと語る。トークコーナーでは息のあったやり取りが繰り広げられ、会場からは笑い声もこぼれた。途中、松坂は花園とともにミュージカルナンバーに合わせてダンスを踊ったり、寸劇では女性をめぐり刀を交えるバトルから、まさかのゲーム勝負などを繰り広げたりと、普段の松坂とひと味違う姿も。そんな姿が引き出せるのも、花園城ならではの魅力のひとつだろう。


寸劇ではコミカルな一面を存分に見せてくれた花園だが、三味線「じょんがら節曲弾」では一転、力強くクールな音色を放つ。「希望の詩~立ち上がれニッポン~」では花園も観客も一緒になってタオルを回し、会場が一体となる。途中には撮影OKのコーナーなどもあり、客席に降りてハイタッチする場面もあり、ファンは大いに盛り上がっていた。


歌と踊りだけでなく、お芝居や殺陣、早着替えなどステージショーのあらゆるエンタメを詰め込んだステージに、観客からは惜しみない拍手が送られていた。


お客様との近い距離感、一体感を大切にしていきたい
初日公演を終え、花園直道、松坂ゆうきの2人がメディアの囲み取材に応じた。

花園は「明治座公演からは約2年ぶり。初日からあたたかいお客様に迎えていただき、最高に楽しかった」と笑顔をみせる。本公演は1週間11公演となるが、「私にとっても初めての挑戦。毎日が初日の気持ちで駆け抜けたい」と意気込んだ。
松坂は「僕は初日であり、千穐楽」とはにかみ、「本当に楽しかった。遊びに来たようなアットホームな雰囲気で、普段のステージとは違いますね」と花園城ならではの雰囲気を楽しんだ様子。「ダンスなど、普段とは違うことに挑戦させていただいて、実は昨日も自宅でダンスの練習をしました」と明かした。
そして明日からの公演に向け、「歌舞伎町劇場はLEDビジョンという武器があります。没入感のある世界観をお見せできると思いますし、何よりお客様との距離が近い。その一体感を大切にしていきたい。ぜひ、何度でも遊びに来ていただけたら」と花園が語り、千穐楽までの奮闘を誓った。
「花園城LIVE~別邸編」は、3月22日(日)まで、東京・歌舞伎町劇場にて上演される。
各人のおもなコメントは以下の通り。
■花園直道

――1週間の公演ですが、いかがですか。
あっという間に終わりそうですね。ただ、今日はハラハラドキドキでした。また明日に向けて、改善点もあります。1日として同じものはないというか、明日はパク・ジュニョンさんがゲストに来てくださり、また全然違う姿が見られるかもしれません。毎日楽しんで、1週間を駆け抜けたいと思います。
――今回の別邸編の工夫は?
やはりこの劇場のLEDビジョンで、ほとんどのシーンで背景が出てきたと思うのですが、ゲストの松坂さんのシーンに至るまで一つひとつ(映像を)決めてきました。これは他の劇場にはない準備だったかなと思います。また「花園城」というのは、一体感になるのが一番です。この150人の劇場だからこそできるアットホームな感じを意識して作りました。
――ミュージカルナンバーや懐かしいポップスなどさまざまな楽曲が登場しますね。
同じ曲もありますが、コラボレーション曲は毎日変えます。裏はとんでもないことになっています。僕の持っている衣装をすべて持ってきたので、昨日今日は引っ越し屋さんのようでした。僕のソロ曲も、明日も全部変えます。気になりますよね。明日のパク・ジュニョンさんも面白いですよ。
――毎日通っても楽しめますね。
そうなんです! 「花園城」は城の中で宴会をやっているというコンセプトなのですが、お客様との触れ合いを大事にしていきます。今日は松坂ゆうきさんのファンの皆様が最初からノリノリで盛り上げてくださいました。松坂さんとは。100回近く共演している心強い仲間。でも、いつの間にあんな「アイラブゆうき」「ラブリーゆうき」というコールができたの? と思って(笑)。実は、楽屋で一緒にやっていました。(「Nell tue mani」は)ほかのご提案もあったんですが、本当に何でも歌えてしまうので唯一無二の存在だと思っています。
――最後に、ファンへのメッセージを。
2年ぶりの「花園城」ということで、この施設(歌舞伎町劇場)自体のオフィシャル広報大使を務めておりますが、この劇場で初めて自分の公演ができるということで、初日にお客様が来てくださるかドキドキしていました。たくさんの方にお越しいただき、本当に幸せな初日になりました。明日からも残り1週間、10公演、全力でいきたいと思っております。歌って踊って津軽三味線を弾き、名作時代劇まで精一杯駆け抜けますので、ぜひ歌舞伎町劇場でお待ちしております!
■松坂ゆうき

――初日ゲストとして、終えてみての感想は?
僕は今日が初日であり千穐楽です。でも楽しくやらせていただき、温かいお客様の前で歌い、パフォーマンスさせていただけることは我々にとって本当に幸せなことだと感じました。初日ということでみなさんも緊張されていましたし、僕も緊張しましたが、僕らは今まで何度もご一緒させていただいているので、胸を借りるつもりで楽しんでやらせていただきました。普段とはちょっと違う踊りや、寸劇では殺陣、お芝居なども少しやらせていただきました。ここは元々大衆演劇をやられている劇場でもありますので、そういう意味ですごくアットホームな感じがします。花園城の別邸に遊びに来させていただいた感覚で、楽しく務めさせていただきました。
――以前「踊りません」とお話されていましたが、今回はしっかり踊っていらっしゃいましたね。
少しですが、踊ったり、回ったりもしましたね。まだまだ精進しますので、機会がありましたら、ぜひ。昨日の夜も少し練習しました。ただ、マンションなので音を立てるとうるさいかなと思い、抜き足差し足でスー、スッと練習しました(笑)
――寸劇では殺陣や勝負もありました。
まさかあんなにゲームで簡単に負けるとは思わなかった。取る隙もなかったですね。でも楽しかったです。ゲームは種類があるみたいで。違うゲームなら勝てていたかもしれないです。
――新曲「桜の花の木の下で」も披露されましたね。
これから桜のシーズンですし、ここでは(LEDビジョンで)きれいに映像が映っていましたが、今後は実際の桜の前でも歌わせていただける機会があるかと思います。出たばかりなので、頑張って歌っていきたいと思っております。
――最後に、感想とメッセージを。
初日ということで光栄でありながら緊張もいたしましたが、何より花園さんをはじめキャスト、スタッフの皆様が温かく迎えてくださり、お客様もノリノリでご覧いただけて本当にありがとうございました。「別邸編」としてこちらの劇場に初めて出演させていただきましたが、また出演させていただけますように。そして、この「別邸」からまた「本丸」の花園城にも戻れるようにと。またご一緒させていただければと思います。
取材・文・撮影:宮崎新之
