舞台劇「からくりサーカス」~デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)編~ 大西桃香(AKB48) インタビュー

葛藤を乗り越えて。大西桃香が目指す、さらなる進化


舞台劇「からくりサーカス」が10月から上演の~デウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)編~をもって完結する。キーパーソンである、しろがね・フランシーヌ役を演じるのは前回同様、AKB48の大西桃香だ(飯田里穂とのWキャスト)。

大西「前回は私にとって初めての48グループ以外の舞台。稽古期間は悩んだりすることも多かったんですけど、10日間の本番は本当に楽しくて、夢のように時間が過ぎていきました」


強い意気込みで臨んだ前回の初演。しかし、序盤は慣れない演技に試行錯誤する日々が続いた。

大西「最初はアニメのエレオノールの声を真似したらいいのかなと思って、声優さんの台詞回しをひたすら聞いて、お風呂場で自分の声をチェックして、アニメに近づけていく練習をしていたんです。でもある日、演出の村井(雄)さんに相談したら『それじゃ何も伝わらないよ』と言われて。そこから自分の言葉で喋ることを意識するようになったら、声もずっと通るようになって、『良かったよ』と言ってもらえることが増えました」


緊張と戦う毎日。あまり食事もとれず、どんどん痩せていったと言う。そんなプレッシャーから救ってくれたのが、共演者たちの優しさだった。

大西「一番苦戦したのが、フランシーヌが最後に『インさん』と名前を呼ぶシーン。すごく悲しいシーンですし、最初は悲しい気持ちを思い切り前に出してやっていたんです。そしたらアルレッキーノさん(松本寛也)が、『一番すごいのは、泣ける女優じゃなくて、泣きたいけど泣かない女優なんだよ』とアドバイスをくださって。そこで初めて、泣きたい気持ちを我慢して笑顔でいることが人を感動させるんだということを学びました」


自分だけでは辿り着けなかった表現や感情。悩み苦しみぬくことで、新しい領域にふれることができた。

大西「アルレッキーノさんは本番中も毎回楽屋のモニターで私の演技を見て、気になるところを指摘してくださっていたんですけど、千秋楽の日は『すごい良かったよ』と褒めてくださって。キャストやスタッフのみなさんに支えられて、あの舞台に立つことができた。「からくりサーカス」が初の外部舞台じゃなかったら全然違う感じになっていたんだろうなと思うぐらい、居心地の良い場所でした」


そんな第二のホームと呼べる場所に再び帰ってきた。当然、目指すのは前回を超える舞台だ。

大西「またゼロからのスタートではなく、前回積み上げたところからさらに上を目指していければ」


原作には、生の舞台ではとても表現できないような描写も多い。だが、それをどう演劇で具現化するかが、舞台劇ならではの魅力だと語る

大西「前回もフェイスレスが歯車に挟まるシーンとか、どう再現するんだろうと思っていたんですけど、本番ではフェイスレスが歯車に挟まっているのがはっきり見えた。そんなふうに観る人の想像を刺激する演出が舞台の魅力。今回も、フランシーヌ人形が沈むシーンとか、今からどうやるのかすごく楽しみ。原作ファンの方が見たら絶対に驚くものになると思うので、ぜひ楽しみにしてください」


2度目のエレオノール。きっと大西にも新しい成長をもたらしてくれるはずだ。

大西「まだまだ経験も少なくて、将来の夢は女優さんですかと聞かれたらきちんと答えられるかわからないんですけど、前回が本当に楽しかったので、また今回の舞台が終わったときに、自分の視野が広がって、新しい夢を見つけられたらいいなと思います」

 

インタビュー・文/横川良明

 

※構成/月刊ローチケ編集部 8月15日号より転載

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【プロフィール】
大西桃香
■オオニシ モモカ ’97年生まれ。奈良県出身。’14年よりAKB48チーム8奈良県代表メンバーとして活動中。地元奈良市の観光大使も務める。