浮世企画『誰そ彼』開幕レポート

2019.09.20

今城文恵主宰、浮世企画

妖怪微ファンタジー家族劇 『誰そ彼』 が駅前劇場にて開幕!

(今城文恵 コメントあり)

(写真:奥山郁)

今城文恵が主宰する浮世企画の本公演『誰そ彼』が9月19日に下北沢 駅前劇場にて開幕した。

今作は、見たいものしか見ようとせず生きてきた兄弟の前に妖怪が現れる微ファンタジー家族劇。

東京で根無し草の生活を送る原守眞一郎(松本亮)は、弟・誠司(田中博士)から「実家を更地にする」と伝えられ、数年ぶりに故郷に帰る。実家に住んでいた父が自動車事故を起こして入院してからというもの、家は事実上空き家になっていたのだ。 が、眞一郎が足を踏みれると、リビングで見知らぬ4人組、ムジナ(小野匠)、鬼婆・サリー(櫻井馨織)、ぬらりひょん(本井博之)、時計の付喪神(成瀬志帆)がくつろいでいた。彼らと関わるうち、眞一郎は今まで目をそらしてきた家族の問題や過去を突きつけられる。

物語が進むにつれて松本D輔ぎたろーも人間ではないものとして彼らの前に登場し、強烈なインパクトを残す。さらに、誠司の妻を綾乃彩、誠司の部下を髙橋龍児、眞一郎の旧友を鈴木アメリが好演。

「登場人物全員駄目人間」を謳い公演を重ねてきた浮世企画が、人間以外のものまで巻き込みお送りする新境地。

9月23日(月・祝)まで下北沢 駅前劇場にて上演。

 

 

<作・演出:今城文恵 コメント>

大好きな駅前劇場に、美術、照明、音響、役者の力で人間と妖怪が住む家が出現しました。

住人をなくした空き家をどこかにお持ちの方も、そうでない方にも、どこか郷愁を感じてもらえる空間になったと思います。

ファンタジーのようなお話ですが、きっと誰しも記憶をつつかれる瞬間があると思います。

そしてクセが強くて思わず笑っちゃうキャラクターが次から次へと出て来ますので、ぜひ劇場で「誰そ彼」の世界を体験していただきたいと思います。