□字ック10周年前夜祭企画 第13回本公演『掬う』稽古場レポート!

2019.10.23

劇団、□字ックの1年半ぶりの最新作『掬う』(2019年11月~12月シアタートラム・穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース・HEP HALL)について11月9日の初日に向けて稽古場の写真と作・演出の山田佳奈のコメントが届いた。

山田佳奈コメント
久しぶりの劇団公演ではありますが、すでに稽古場で手ごたえを感じるシーンが立ち上がってきています。さまざまな自然災害や陰惨な事件で悲しみを覚えることが続いていますが、我々はそれでも生きていくことをやめない。そんな物事に揺るがされても、抗うことが難しくても、何とか立ち上がるための力になってくれる作品になればと願ってます。今作は、わたしにとっても、自身のアップデート完了後の最新作だと思うのですが、皆さんにどのように感じて頂けるか。それも楽しみです。

また、11月11日(月)の14:00と19:00にはそれぞれ出演者によるアフタートークが行われることが解禁された。

10月28日から開催となる東京国際映画祭では、2013年に第六回本公演として上演し、山田佳奈自身が監督を務め映画化した『タイトル、拒絶』が日本映画スプラッシュ部門に選出。こちらの映画でも佐津川愛美が出演しており、今回二度目のタッグを組む。

 

◆あらすじ
30代半ばのミズエには余命幾ばくかの父がいる。
父が余命宣告を受けてからと言うもの、ミズエのもとに母からの常軌を逸したメールが連日届く。
しかも兄の嫁は母との折り合いが悪く、母に執拗に攻撃されているとミズエに相談してきている。
正直言うと、ミズエは辟易としていた。
何を言っても母には伝わらないだろうし、ミズエは義姉のことも受け止めきれずにいる。ミズエは孤独を感じていた。だからどっちつかずの関係を持ってしまった男に連絡をする。
だが、彼は自分のことなんて興味ないのだとミズエは知っている。それは離婚を話し合っている旦那もそうだ。旦那はミズエが不在の際に、家に知らない女を同情心から宿泊させ体の関係を持った。ミズエはそれが許せなかった。
そんなある日、中学生の頃の友人が何十年ぶりかに彼女の家を訪ねてきて、同居を申し立てる。
さらには父と関係があったという女子高生までもが家に押しかけてきて…。

とある家族、余命幾ばくかの父。その娘であるミズエが、女3人の奇妙な共同生活を通して他者を許すまでの過程を描く。

「わたしたちは当たり前に他人を傷つけることができる。それをどこで許すか、それが大人になることだ」