日本演劇史に燦然と輝く不朽の名作『女の一生』が、10月17日(土)~27日(火)まで京都・南座、10月31日(土)~11月26日(木)まで新橋演舞場にて上演されます。
『女の一生』は昭和20年4月終戦直前に、森本薫が文学座に書き下ろし、杉村春子が初演、生涯に947回にわたって主人公の布引けいを演じ続けた名作であり、舞台女優として円熟味を増す大竹しのぶが、杉村春子の当り役『欲望という名の電車』ブランチ、『日の浦物語』日の浦姫に続いて、満を持して取り組む話題の舞台です。
大竹しのぶの主演を発表しておりましたが、この度、風間杜夫、高橋克実、銀粉蝶、段田安則、林翔太(ジャニーズJr.)、宮澤エマ、服部容子、多岐川華子の出演が決定いたしました!
令和の時代に上演される『女の一生』にご期待ください!
【ストーリー】
明治38年(1905年)日露戦争の後―日本がようやく近代的な資本主義国の姿を整え、同時に同行が世界の国々と絶ちがたく結び合い、影響し始めた時代。戦災孤児の境涯にあった布引けいが、不思議な縁から拾われて堤家の人となったのは、そんな頃である。
清国との貿易で一家を成した堤家は、その当主はすでに亡く、後を継ぐべき息子たちはまだ若く、妻のしずが義弟・章介に助けられながら、困難な時代の一日一日を処していた。かいがいしい働きぶりを見せるけいは、しずに大変重宝がられた。同時にけいと同様に闊達な気性の次男・栄二とも気性が合い、お互いにほのかな恋心を抱くようになった。そのけいの思慕とは裏腹に、しずは跡取りであるべき長男・仲太郎の気弱な性格を気がかりに思い、気丈なけいを嫁に迎えて、堤家を支えてもらうことを望んだ。しずの恩義に抗しきれなかったけいは、仲太郎の妻となった。けいは正真正銘堤家の人となり、しずに代わって家の柱となっていく。担い切れぬほどの重みに耐えながら、けいはその「女の一生」を生きるのである。
時は流れて昭和20年。二つの大戦を経る激動の時代を生きて、今、焼け跡の廃墟に佇むけいの前に、栄二が再び戻ってきた。過ぎ去った月日の、激しさと華やかさを秘めて、二人はしみじみと語り合うのであった…。