舞台『機動戦士ガンダム00 -破壊による覚醒-Re:(in)novation』 橋本祥平 インタビュー

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「再生」から「覚醒」へ。続編で目指す、さらなる進化

 

舞台『機動戦士ガンダム00-破壊による覚醒-Re:(in)novation』が始動する。主演を務めるのは、初演に引き続き橋本祥平。実は、前作の出演が決まるまで『ガンダム』にはふれてこなかったというが、今ではすっかり『ガンダム』ワールドに夢中となっている。

橋本「『俺よ、なぜもっと早く見なかったんだ!』と思いました(笑)。モビルスーツでの戦いはめちゃくちゃ興奮しますし、舞台をやることで『ガンダム』にしかない人間ドラマと戦争ドラマの面白さにも気づくことができた。戦いに魅了され、ストーリーに魅了され、キャラクターが放つ言葉に魅了され、沼に落ちる(笑)。素晴らしい作品です」


舞台では実現不可能と思われたモビルスーツ戦は、前作ではコクピットを模したライザーに乗ることで表現した。ライザーを動かすのは、アンサンブルキャスト。舞台らしいマンパワーの熱量が光る演出となった。

橋本「稽古場で、演出の松崎史也さんを筆頭に考えて、考えて辿り着いた結果が、あの表現でした。人の力で動かすからこその感動がありましたし、一歩間違えれば大怪我につながりますから、並の信頼関係ではできない。それを誰ひとり大きな事故を起こすことなく乗り切れたのは、出演者同士の連携プレーと絶大なる信頼感があったから。稽古場でみんなで猛練習をしたおかげで、本番では呼吸すらまったく同じ感覚でしたね。つまり、『俺たちがガンダム』なんです!」


今年2月に配信したオーディオコメンタリーで、共演者の窪寺昭から
「『ガンダム』をやっているときは性格が暗かった」と指摘されるほど、役にのめり込んでいた橋本。演じた刹那・F・セイエイはそれほどハードな役だったよう。

橋本「作品的に明るいお話ではありませんので、生半可な気持ちではできないなと思っていました。サーシェスに洗脳されて神を信じ、信仰のため両親を殺害するなど、刹那は僕なんかでは想像できないほどの過去を背負った役。役づくりのために同じような経験をしてみようと思ったとしてもできないですし、せめて刹那に近づこうと当時は戦争のことについていろいろ調べたりしていました。その感じを稽古場でもずっと引きずっていて……ある意味、まっすぐすぎましたね(笑)」


数ある2.5次元舞台の中でもチャレンジングな作品となった前作。無事に大千秋楽を迎えたときは、格別な想いが胸に押し寄せた。

橋本「『ガンダム』の舞台化を通して、舞台で表現できないものなんて何ひとつないんだと思いました。演劇の表現力、人間の想像力に改めて感動しましたし、高い壁でしたけど、チャレンジできる環境に立たせてもらえたことが幸せだった。続編でも変わらず挑戦していきたいと思います」


今作は、新国立劇場 中劇場で上演される。演劇の聖地・新国立劇場で2.5次元舞台が上演されるのも、異例の「事件」である。

橋本「最初に聞いたときは、聞き間違いかな?と思いました(笑)。新国立という素晴らしい劇場にこの作品で立たせてもらえることが光栄ですし、今回の挑戦のひとつだと思っています。前作の副題は「-破壊による再生-」。そして今作は「-破壊による覚醒-」です。「再生」から「覚醒」へ。2度目の刹那を、この1年で培った経験を活かして、さらに深めて演じていければと思っています。舞台『機動戦士ガンダム00』のさらなる進化にご期待ください」

 

インタビュー・文/横川良明

 

※構成/月刊ローチケ編集部 3月15日号より転載

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【プロフィール】
橋本祥平
■ハシモト ショウヘイ ’93年、神奈川県出身。2.5次元舞台をはじめ、映画やテレビドラマにも数多く出演。’19年には声優デビューも果たした。