小泉萌香、星波、村田寛奈、中江早紀、あまりかなり インタビュー|なでしこ童話「白雪姫」

2.5次元作品を中心に活躍する演出・脚本家のなるせゆうせいが、誰もが知る童話に新たなストーリーを書き加えた「なでしこ童話」。まるで絵本のようなフォトブックをはじめ、おはなしを朗読したボイスCD、オリジナル主題歌など、さまざまなコンテンツで新たな童話世界を紡ぎ出していく。その第一弾となる「白雪姫」にキャスティングされた、小泉萌香、星波、村田寛奈、中江早紀、あまりかなりの5人に、その魅力などをたっぷりと語ってもらった。


――最初に「なでしこ童話」の企画を聞いた時は、どんな印象でしたか?

小泉「最初に「なでしこ童話」って聞いた時は、正直よくわからなくて(笑)。こういう企画も初めてで、童話がテーマにあることはわかったんですけど、フォトブックも出るし、それぞれの役で衣装を着て、セリフもあって朗読もやるし、主題歌もあるし!って、盛りだくさん過ぎてビックリ。…でも、これめっちゃ面白くない? って、思いました。撮影の時も、なんだこのシーン!って思うようなものもあったんですけど、完成したものを見てみるとめっちゃ面白いんですよ。」

あまり「小泉ちゃん、現場に入って衣装合わせしているときに「え、私が白雪姫役なんですか?」ってなっていたもんね(笑)」

小泉「そう、知らなかったんです。だからビックリしました。現場に入ってから「白雪姫さんですよね」って言われて、白雪姫…?って(笑)。そこから衣装を見て、私、これ着るの~⁉ってなりました」

星波「私は王子と狩人をやったんですけど、企画を最初に聞いた時に、女性キャストでこういう作品をやっているのって聞いたこと無いな、って思ったんですよね。でも、絵コンテとかを拝見させていただいたら、私の知っている白雪姫とはちょっと違うぞ?と思って。」

あまり「そこは、おはなし担当のなるせゆうせいさんの衝撃的なところが、ね。」

星波「だから、ビックリはしたんですけど、女の子だけで作る作品でこれだけ、ギャグチックなお笑い要素を含んだものって無かったと思うんです。コロナ禍で大変な状況だけど、そんな中でも新しいものを作れることにワクワクした気持ちになりました。」

村田「私は、こびとと魔法の鏡役で、まぁ、こびとは分かるじゃないですか。でも、魔法の鏡って?何するんだろう、って思ったんです。 そんなにしゃべっていたっけ?そもそも人でいいのかな?って、ハテナいっぱいでした。 そこからお話を読んでみると、これはOKなのかな?っていうくらい内容がぶっ飛んでいて、 時事ネタみたいなことも入っていて、これはなんだ?って(笑)。私はナレーション部分も読ませていただいたんですけど、どういうふうに伝えたら面白いかな、っていう方向性でやったので、不思議な感覚でした。みなさんに、お家でクスっと笑ってもらえたらいいな。」

中江「新しいなって思いました。私はこびとと王妃役なんですけど、衣装もフィッティングの時に何種類も着させていただいて。すごくかわいくて、撮影のときにこれに決まったんだ!って思いました。」

あまり「ヒロコトクミネさんのロリータウェディングとタイアップさせていただいて、いろんなコンセプトの衣装があったので、どれが似合うか、たくさんフィッティングしたんです。」

中江「撮影もどうやってやるんだろう?って思ったんですけど、楽しく撮影できましたし、出来上がりも面白かったです! こうやって撮って、実際はこうなるんだ!って、後からわかることも多かったんです。」

あまり「順番どおりじゃなくて、割と衝撃的なシーンから撮影していったしね。」

小泉「え、ここから?ってなりました(笑)」

あまり「しかも初対面で?って感じでしたよね。私は、継母と老婆役で、制作にも携わらせていただいた作品なんです。少し大変な世の中になってしまったので、お客さんがどこかに出かけなくても楽しめるものを作りたかったんですね。そこから、童話みたいなフォトブックが作れたらかわいいな、そこに声もついてきたら、まるで劇場にいるように目でも耳でも楽しんでいただけるんじゃないかと思ったんです。…って言うことを、頑張って企画書に書いたつもりだったんですが、みんなには現場で驚かれてばかりだったみたいなので全然伝わっていなかったみたいです(笑)」


――新しいものを作るときには、想像を超えるものが現場で出てくるものですから(笑)。今回のおはなしは、なるせさんの手で、白雪姫がちょっと新しいお話に変わっているんですよね?

あまり「流れは童話の白雪姫と同じなんですけど、ところどころに現代的な要素が入ってきたりとか。なるせワールドです(笑)。キャスティングも、あんまりコテコテのギャグコメディに出なさそうな人たちばかりなので、あえてここで出していただきました。」

小泉「私、めちゃめちゃコメディやりたかったんです。」

中江「オンライン打ち合わせの時から、もう面白かったですよね(笑)」

あまり「それならよかった! 今回は、可能な限り徹底的に会わずに作っているので、本読みとかもオンラインだったんですよ。だから、歌の稽古ができなくて…(笑)。微妙なずれができちゃうんですよね。」

村田「ナレーションを読んでいて、継母の説明に『ボインボインの~』とか書いてあって、そんなこと言っちゃっていいの⁉って思いました(笑)。そう書かれているから、あまりさんがちゃんと撮影の時に、お胸に影を入れてボインボインにしていたんですよ。けっこう踏み込んだことを書いてありますね。」

あまり「星波ちゃんと中江ちゃんは、普段のお芝居では絶対にしないような、強めのやりとりもあったもんね。」

中江「でも、こびとの声の収録は一緒にやったんですけど、そのほかは別々に収録だったので…出来上がったのを聞いて「会話になってる!」って思いました。こびとの声は台本に無いガヤもあって、こういうニュアンスのこといっぱい言って、って言われてしゃべったので…。」

村田「なんか歌ったりもしたよね?面白かった!」

あまり「オリジナルのハイホーが聞けます(笑)」

星波「私は、おはなしというか、個人的な話なんですけど。私、王子役って聞いていて、そのほかにももうひとつ狩人もやってもらうよ、って聞いていたんです。2役できるんだ、ありがとうございます!って思っていたんですけど、内容を見てみると、狩人がメインですよね(笑)」

小泉「騙されちゃったんだ(笑)」

あまり「確かに、狩人のほうが衣装が2着あるっていうね(笑)」

星波「そうなんです(笑)、王子(狩人)くらいの感じかと思ったら、狩人(王子)だった、っていう。YouTubeで、みんな衣装を着て、それぞれコメントをアップしてあるんですけど、王子役なのに狩人の恰好なんです。やっぱこれ、狩人メインだよな…って(笑)」

あまり「でも、ビジュアルを見ていただけると分かると思うんですけど、お髭がすごく似合うんですよ。狩人はおはなしの途中でどこかに行ってしまうんですが、そのシーンもすごく面白いので注目してほしいポイントです。…でも、ごめんなさい!」

星波「いやいや、いい経験をさせてもらいました!」

小泉「でも、出来上がりのビジュアルを見ていると、こびとと白雪姫のサイズ感は、写真の出来上がりをみて驚きましたね。こびとだから小さくなるのかな?と思ったら、小さくなってるんですよ!」

あまり「そのこびとが、まぁまぁエグい武器を持ってるんですよ。」

村田「その一撃でもう、死んじゃう(笑)」

小泉「合成をいろいろします、とは聞いてたんですけど、すごくないですか?これ。照明具合とか、明るさとか…。普通だと撮れないような絵本になっていて、見ていて楽しいんです。」


――みなさんのお話を聞いていると、一体どんな白雪姫になっているのかワクワクしますね。それぞれ、こういうところに注目してほしい!というポイントはどこですか?

小泉「基本的に、私は白雪姫だけなんですけど、他の方はみんな2役されていて、その役の幅すごくない?っていうのは思っていました。王子、狩人もそうですけど、こびとと何か役とか、ふり幅すごいんですよ。」

中江「でも、私はこびとと王妃なんですけど、王妃はしゃべってないんです(笑)」

あまり「王妃はビジュアルのパンチがすごいから!」

中江「まぁ、しゃべっては無いけど、出オチみたいな…」

小泉「(笑)。そういう感じで、みんな幅が広くて羨ましいな、って思いました。」

あまり「今日は残念ながら来れなかったんですけど、こびとと王様役の錦織めぐみちゃんの王様も、お髭が似合ってるんですよ。なんかかわいくて。ちっちゃい王様というか、なんか居そうな王様なんです。チャーミングでした。」

中江「キャラクターとかで居そうな感じですよね。」

あまり「そうそう、キャラクターになってるの。あと、めめたん のこびとは、こびとたちの中で一番優しいんですけど、一部シーンで突然キレます。優しさのあまり、って感じで。そこもすごかったな。」

村田「声のお仕事もされているからか、こびとの時はめちゃくちゃカワイイ声なのに、王様の時はめっちゃカッコよくて、すごいなと思いました。」

星波「私は個人的に、あまりさんが継母役で毒りんごを作っているシーンでの「お腹がすいた…あぁ、いけないんだった」っていうボイスがめっちゃツボです(笑)」

あまり「私は収録が一番最後で、時間もあまりなかったんですよ。それぞれ、ボイス収録でなるせさんがいろいろ注文していたと思うんですけど、私への注文は割と喉をぶっこわす系のものが多くて(笑)。けっこう、ヘンな感じです。ビジュアルと合わせて聞いて、こういう表現なんだ!って思ってもらえるんじゃないかな。さらに想像できる、っていうか。みんなそれぞれに、そういうシーンがあるんですよ。白雪姫も、毒りんごを食べるシーンとかは衝撃的だよね。」

小泉「さっきコメディをやってみたかったとは言ったんですけど、割と白雪姫は真面目に生きている役。だから、そのシーンにコメディ感を全力で入れていきました(笑)。その他は、真面目に言ってるから面白い、みたいな感じなんですよね。」

中江「私は、主題歌も聞き込んでほしいな。歌詞とか、すごくないですか?」

あまり「ひとしきりビジュアルを見てもらって、ボイスを聞いてもらって、その後に主題歌を聴いて…っていう流れですね。主題歌が総集編的な。「一番への毒林檎」 って言うタイトルなんですけど、白雪姫のおはなしのテーマにも沿いつつ、女性の永遠のテーマも描かれているんです。美しさはいずれ老いていってしまう、みたいな女性のテーマ曲になっています。」

星波「私が歌わせていただいたパートは、女性にもそうですけど、今の自分たちの活動にもつながるものなので、気持ちが入っちゃいましたね。ココだー!って。」

村田「6人で歌わせていただいて、私はハモリパートも歌ったんですけど、めちゃくちゃ難しくて。オンラインで練習もしたので、合ってるのかもわからないな…と。本番まで、あまりさんが歌ってくれた仮歌を必死に聴いていきました。だから収録も必死すぎて、YouTubeに動画が上がってるんですけど、ずっと目をつぶってるんですよ。本当に必死だったんだな、って思いました(笑)。頑張ったので、聴いてほしいですね。」


――「白雪姫」が第一弾ということで、今後、第二弾、第三弾と続いていく時に、この作品、この役をやってみたい!というものはありますか?

中江「「不思議の国のアリス」とかやってみたいですね。すごくカワイイおはなしになりそうじゃないですか?」

あまり「死ぬほどコメディになりそうだけどね(笑)。アリス自体、ちょっと面白い世界観だから。」

小泉「ハンプティダンプティとか、どうなっちゃうんだろう? これだけ合成とかができるなら、なんでもできそう。」

あまり「シンデレラも最初の案にあったんです。女の子にはいいですよね。シンデレラでも、やりたい役は…継母です。」


――継母役はゆずらない、と(笑)

あまり「あとは、一寸法師とか日本の童話でもいいんだよ。ももたろうとか、面白そうじゃない?」

村田「女版ももたろう! キジとかどうやるんだろう? 本当になんでもできちゃいそうですね。」

小泉「織姫と彦星のおはなしとかもいいですね。」

星波「アルタイルとデネヴのところに顔ハメパネルみたいにして…」

中江「みんなの顔を繋いで星座にするの?(笑)」

村田「星座のおはなしも面白そう!」

小泉「あとは、意外とこまかく知らないおはなしとかもいいかも知れない。おやゆび姫とか、結果的にどうなるのか知らないんですよ。」

あまり「確か旅する系のお話ですよね? 葉っぱに乗って旅して、カエルさんとかに食べられそうになったりして、最後、誰かに助けてもらうみたいな…。」

小泉「誰に助けてもらうんだろう。」

あまり「ざっくりとしか知らない(笑)」

小泉「作品の一部になれるなら、どんなおはなしのどんな役でもやってみたいです!」


――また別の作品でみなさんが拝見できるのも、楽しみですね。最後に、第一弾の「白雪姫」を待ち遠しく待っている方に、メッセージをお願いします!

小泉「本当に24年間生きてきて、自分が白雪姫になれる世界線が訪れるとは、っていう感じなんです。こういうフォトブックは初めてだし、目で見て、耳で聴いてっていう、舞台では当たり前のことですけど、それをご自宅で楽しんでもらえるもの。大人が本気で作った絵本なので、子どもも大人も、ぜひ皆さんで楽しんでほしいです。」

星波「こういうご時世だからこそ、自宅で楽しめるものになっていますし、地方にお住いの方など、なかなか都内に出ることが難しい方にもお届けできるということは、私たちにとって、とても嬉しいこと。CG合成とかもすごいんですけど、衣装も本当にかわいくてカッコいい。おはなしの面白さももちろんですが、そういう部分も見逃さないでほしいですね。小さいときは白雪姫の老婆とかがすごく怖いイメージがあったんです。ちょっとトラウマになるくらい(笑)。でも今回は、お子様でも怖くなりすぎずに見てもらえるし、大人もクスっと笑って見ていただけると思います!」

村田「本当に写真がたくさんあって、みなさんの“推し”の写真がこんなにたくさん楽しめる上、耳でも“推し”の声が聴けちゃう。本当にもりだくさんで、いろいろな楽しみ方ができる作品になっています。グッズとかもあるので、コンプリートしてたくさん楽しんでいただきたいです。」

中江「普段の公演で、パンフレットとかはありますけど、ここまでのボリュームのフォトブックでおはなしがあるものってほとんど無いじゃないですか。皆さんが知っている白雪姫をいい意味で壊してくれて(笑)、新しい楽しみ方ができる素敵なコンテンツなので、フォトブックとCDの両方を楽しんでほしいです。」

あまり「みんなのコメントを聞いて、本当に作れてよかった…!って思います。11月29日にはオンラインイベントも予定しているので、フォトブックやCD、グッズをぜひ目の前に並べていただいて(笑)。イベントでは生の朗読も予定していて、そちらでは動きや表情も楽しんでもらえるのではないかと思うので、ぜひフォトブックやCDで予習していただいて、オンラインイベントで新しい魅力を感じてもらって、よりみんなのことを好きになってもらえたらと
思っています。楽しみにしていてください!」

 

インタビュー・文/宮崎新之