©内藤泰弘/集英社 ©舞台『血界戦線』製作委員会
秘密結社・ライブラが三たび舞台上に推して参る!
原作ファンからも高い評価を得る舞台『血界戦線』シリーズ。その魅力は、キャラクターの息吹が吹き込こまれたような俳優たちの演技。クラウス役の岩永洋昭も、スティーブン役の久保田秀敏も、アニメの声まで研究した演技でファンの心をつかんだ。
岩永「試しにやってみたら、(アニメでCVを務める小山力也氏の声に)意外と似てるじゃないかと思って。それで調子に乗ってやってたら、どんどん気持ち良くなっていったという感じです(笑)」
久保田「僕もアニメを拝見したときに、この声質だったら僕の声帯的にも出しやすいかなと。すべての2.5次元作品をやるときに(CVに)声を寄せるというわけではなくて。僕らがすべきはモノマネではなく、ちゃんと板の上で生きること。そのために使える武器は何でも使う。声に関してもそうで、似ていれば使うくらいの感覚で僕は考えています」
岩永「自己評価としては、普通に喋っているときより、血闘術を叫ぶときの方が似ているのかな。しかも、技を繰り出すときってテンションが上がっているし、後ろにバババッて文字が出るでしょ?もう気持ち良くてしょうがない(笑)。よく子どもがロボットの人形を持って1人の世界に入って遊ぶじゃないですか。あの感覚に近いです」
バトルシーンでは、スティーブンの美しい蹴り技も話題を呼んだ。
久保田「あそこは、いかに股関節を柔らかくできるかが勝負。今回は毎日稽古場で股割りをやって(本番に)臨みたいです(笑)」
10月から上演される第3弾では「幻界病棟ライゼズ」など人気エピソードが舞台化される。
久保田「ルシアナの分身とか舞台上でどう表現するんだろう。映像を使うのか、それとも…」
岩永「映像も使いつつ、アナログの表現にこだわるのも舞台『血界戦線』の魅力のひとつ。その発想力が、演出の西田(大輔)さんのすごいところですね」
久保田「1作目のときもアリギュラが飛ぶシーンは、みんなで持ち上げたりしてね。あれなんかはザ・演劇だと思いました。あとはドローンを飛ばしたり…」
岩永「あったあった。今回気になっているのは、(ザメドルの犬役の)郷本(直也)くんのビジュアルがカッコよすぎること!これはもうあとで郷本くん説教です(笑)」
さらに、バンドメンバーによる生演奏が舞台を華やかに彩る。
久保田「生演奏が入るだけで、一気にヘルサレムズ・ロットに来た感が上がるんですよね。僕たち演者もそうですが、何よりお客さんが一番ワクワクするんじゃないでしょうか」
岩永「血界戦線の世界を表現するには生バンドという選択は大正解だと1作目のときに思いました。音楽に携わっている知り合いも観に来てくれたんですけど、『(バンドの演奏まであるのに)チケット代が安いんじゃないか』と言ってくれて。僕もそれだけのものをお届けできている自信がある。すごく贅沢な舞台です。だから、まだ観ていない方には、チケット代の何倍もの充実感とハッピーをお約束しますので、ぜひ劇場に足を運んでくださいと伝えたいですね」
久保田「僕からは、『観に来ないとガッチガチに凍らせちゃうぞ』と(笑)」
岩永「最後にいきなり芸人風吹かせてきたね(笑)」
久保田「あはは(照)。でも本当に観て損のない作品だと思います。こういうご時世なので、無理はなさらず、体調と相談しながら、作品を楽しんでもらえるとうれしいです」
インタビュー・文/横川良明
※構成/月刊ローチケ編集部 9月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
岩永洋昭
■イワナガ ヒロアキ ’79年生まれ。長崎県出身。近作に「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra”Stage、映画『ぐらんぶる』など。
久保田秀敏
■クボタ ヒデトシ ’87年生まれ。福岡県出身。近作にミュージカル『憂国のモリアーティ』、ミュージカル『薄桜鬼 真改』など。