左/愛希れいか 右/珠城りょう
©宝塚歌劇団
2月9日(金) 兵庫県・宝塚大劇場で開幕した宝塚歌劇 月組公演 ミュージカル・プレイ『カンパニー -努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー)-』/ショー・テント・タカラヅカ『BADDY(バッディ)-悪党(ヤツ)は月からやって来る-』ローチケ演劇部員(は)、による観劇レポートをお届けします!
『カンパニー -努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー)-』は、2017年5月に新潮社から発行された伊吹有喜の小説『カンパニー』を舞台化した作品。愛妻を亡くし生きる意欲を失った製薬会社のサラリーマン・青柳誠二(珠城りょう)が、社の協賛公演を行うバレエ団に出向し、実力を発揮出来ずに思い悩むバレリーナ・高崎美波(愛希れいか)や、世界的プリンシパル・高野悠(美弥るりか)ら、個性豊かな登場人物らとともに様々な困難を乗り越え協賛公演を成功に導くために奮闘する姿を描くバック・ステージ・ミュージカルだ。
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「こんなサラリーマンいる!」と思わず心の中で声を上げてしまう程、珠城演じる青柳の通勤姿はとてもリアル。穏やかで人望厚い青柳が、今まで触れ合ったこともない世界の存在だったバレエ団員たちと過ごす中で、少しずつ心の奥が移り変わっていく様子が繊細に表現されていく。こんな上司や同僚がいたら、さぞ仕事に張り合いが出るであろうと思わずにはいられない。
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コンビニでバイトをしながらも懸命にバレエを続ける高崎美波(愛希)ら、団員たちが踊る美しいバレエシーンは見どころの一つ。愛希は2017年に上演された『グランドホテル』でもバレリーナのグルーシンスカヤ役を演じているが、今回の高崎美波役は同じバレリーナでも全く異なる輝きを放っている。
細やかな感情の揺れで観客を魅了する芝居を発表してきた若手演出家・上田久美子が挑んだ初のショー作品『BADDY(バッディ)-悪党(ヤツ)は月からやって来る-』は、これまでとは一味違った魅力に満ちたお芝居仕立てのショー作品。舞台は、全ての悪が鎮圧されたピースフルプラネット“地球”の首都・TAKARAZUKA-CITY。月から大悪党Baddy(珠城りょう)がやって来て悪事を働くが、万能の女捜査官Goody(愛希れいか)が、彼を追い詰めて…。大胆でかっこよく、豪快な珠城Baddyは、最初から最後までフルスロットル!そこに元気ハツラツな正義のヒーロー・愛希Goodyの愛らしさが加わり、観客を魅了する。
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珠城と愛希のコンビだからこそ出来る力強いリフトや、魅力が光る男役群舞、華やかなロケット(ラインダンス)など、ショーの醍醐味はもちろんそのままに、今までとは一味違うショー作品に仕上がっている。
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一幕の『カンパニー』では真面目で誠実(結婚相手にもぴったり!)な珠城、二幕の『BADDY』では破天荒でワイルドな珠城と、様々な魅力を楽しむことが出来、一度で二度美味しい本作は、宝塚は初めて!という方にもオススメの作品だ。
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兵庫県・宝塚大劇場公演は3月12日(月)まで上演。
東京宝塚劇場公演は3月30日(金)から5月6日(日)まで上演される。