(左から) 中村 蒼、岡本 玲
アカデミー賞脚本賞受賞作家・ケネス・ロナーガンの戯曲を、
新国立劇場初登場の桑原裕子が演出!
ジェンダー、上司と部下、人種――。複雑に入り組んだ現代における正義とは。
シリーズ「声 議論, 正論, 極論, 批判, 対話…の物語」第二弾『ロビー・ヒーロー』は、2017年アカデミー賞脚本賞受賞で話題となった映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケネス・ロナーガンが執筆。自分のやりたいことを見いだせずロビーの警備員として過ごしている若者が、おもわず口を滑らせてしまったことから起きるトラブルとその顛末を描いている。ジェンダー、上司と部下、人種など、さまざまな格差のレイヤーがある中で、彼なりに考えて起こした行動は、果たして正義なのか、正論とはいったい何なのか…。自己承認欲求がSNSであふれ出す現在、さまざまな角度から考えられ身近に感じる戯曲だ。2001年オフ・ブロードウェイ初演、翌年にはウエストエンドで上演、18年にはブロードウェイでリバイバル上演され、新国立劇場初登場の桑原裕子演出のもと、日本初演を迎えた。
コメント
演出:桑原裕子
日本初演の「ロビー・ヒーロー」がついに幕を開けました。たった4人の男女が三時間に渡り膨大な台詞を怒濤のようにぶつけ合うこの会話劇は、日本人の感覚からすれば過剰と思えるほどの「声」に溢れています。ですがちっぽけなロビーで想いを吐き出す彼らの姿は、日々、正しさを求められ、葛藤し、もがく、今を生きる私たちの心を映しているようでもあります。千穐楽まで、ご覧になる方々の見えない「声」とたくさん繋がれますように。
主演:中村 蒼
『ロビー・ヒーロー』がいよいよ開幕しました。登場する4人がそれぞれの”正義”で葛藤し、その4人の日常的な会話から人種、ジェンダー、格差など様々な問題が出てきます。何者でもない人達が何者かになろうとしてもがく姿を是非見守って頂ければと思っています。”声”や”議論”をテーマとするシリーズなので観劇後に皆さんでも今作について議論してもらえたらと思います。
新国立劇場 2021/2022シーズン演劇公演
『ロビー・ヒーロー』2022年5月
撮影:引地信彦
公益財団法人 新国立劇場運営財団