暑い。そして新型コロナウイルスの脅威がまだまだ続きます。公演関係者の陽性による公演中止、なんてニュースを見るたびに胸がギュッとします。舞台が上演される、そしてそれを観られる事に感謝したい日々です。そんなこんなで、今月の「優先順位高めです」です。
俳優・田代明の優先順位高め!
最早注目度高すぎて書くか迷いましたが、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』がプレビュー公演を経て7月に初日を迎えます。赤坂ACTがハリポタ仕様にリニューアルしてるんですよね!まず劇場入るのが楽しみ!そしてなんてったって豪華なハリー役の皆様。どのハリーをチョイスするか悩ましい所です、全員観たいです、が、超人気なのでみなさん是非早目にチケットのご検討を!
浅草九劇『春のめざめ』日本では劇団四季がミュージカル版をやっていましたが、今回九劇版として上演されます。ダンカン・シークのロックな楽曲が、思春期の少年少女達の心をエネルギッシュに表現しています。そして、めちゃくちゃ個人的な意見ですが、九劇の劇場の空間感と春のめざめという作品としっくりぴったりくるなぁと。フレッシュなキャストの皆様の演じるパワーにも注目です。
また、帝国劇場では延期となっていま『ミス・サイゴン』芸劇では大人気作品の再演NODA・MAP『Q』が開幕します。
そして私事ですが、所属していた劇団4ドル50セントを7月末で卒業します。5年間沢山の感謝でいっぱいです。7/5は心臓丸、7/18は卒業イベントがあるので、皆様よろしければお越し下さい!
田代明
女優。秋元康プロデュース「劇団4ドル50セント」劇団員。東京藝術大学声楽科卒業。「お芝居の素敵なミュージカル女優さん」と言われる為に、日々いろんな作品を勉強中。そしてシンプルな観劇オタク。
Twitter:@Akari4_50
俳優・日高ボブ美の優先順位高め!
暑い日々が続いておりますね。皆様体調崩されてませんでしょうか?暑い暑い言ってる割に、カフェのテラス席でこの文章を書いています。でっかいアイスコーヒー片手に。最近、10年振りに私の中で歌謡曲ブームがきておりまして、ヒデとロザンナを聴きながらお届けしたいと思います。
さて、7月の優先順位高めはコチラ!!!
まずは、情熱のフラミンゴ「ドキドキしていた」。数年前に北千住BUoYでやっていた、情熱のフラミンゴ×トマソンのマツリを考える会×ワワフラミンゴがショーケース的な芝居をしていた時に初めて観ました。その時は演劇とダンスの二部構成で、肌にまとわりつくような感覚がなんとも心地良いような心地悪いような、そんな感じでした。でも妙に気になって、ワークショップに参加させてもらったりしたこともある団体です。久しく観れていないのでとても楽しみ!
お次は、大駱駝館「『おわり』『はじまり』」。こちらも数年前、東京芸術劇場で芝居を観た後にたまたま芸劇前でパフォーマンスをしていたところに出会しました。目が釘付けになるとはまさにこのこと。最近、様々な人の価値観について考えることがよくあります。勝手に私が考えたくて思考に耽っているだけなのですが、疲れたりもします。そんな時、「んなもん、これでもくらえ!!!」と言わんばかりのエネルギーを感じさせてくれるんじゃないでしょうか。
そしてそして!!私、ただいま絶賛稽古中なのですよ!劇団献身「最悪な大人」。これはもう優先順位高めでしょう!この作品は2016年の再演となっております。初演はオファーの際にいただいた映像資料で拝見したのですが、とにかく沢山笑いました。脚本構成もテンポのいい台詞も面白さを実現する俳優たちも素晴らしかった。今回、出演することになり、初演が面白かったプレッシャーもありますが、人が代われば見せ方も変わる、けど作・演出の奥村さんのやりたい事には忠実に、と稽古に励んでおります。共演の皆様も一人一人が面白くて誠実で、早くお客さんに観てもらいたいなぁ。新宿シアタートップスにてお待ちしておりますね!(今月の写真は稽古場より!なんやら冷ややかな目をしていますが、何が起こっているのか、、⁉︎)
最後に!やっぱりこれも観たい!東京にこにこちゃん「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!」それでは、また来月お会いいたしましょう〜!
日高ボブ美
俳優。次回出演→劇団献身「最悪な大人」7/13(水)〜7/18(月・祝)@新宿シアタートップス
Twitter:@bob000bob
ライター・古内かほの優先順位高め!
最近また公演中止のお知らせが増えて心が痛みますが、今年の後半も「たのしみにしている作品がある!」という希望を携え、観劇を謳歌したいと思います。
昨年観て、「来年も、いやこれから毎年観に行くぞ」と密かに誓ったほど、大好きな作品になったブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』の開幕が待ち遠しいです。「子供向け」「ファミリー向け」と思われがちですが、大人が観るからこそ感じる煌めきや切なさが詰まった作品。ピーター・パンや子供たちのフライングシーンの解放感、あたたかみのある楽曲、どこかノスタルジーを感じさせる舞台の佇まいなどから、上質なファンタジーの世界観と魅力を存分に味わえます。ピーター・パンを演じる吉柳咲良さんとフック船長役の小西遼生さんのコンビネーション、演劇の持つ力を最大限に引き出した森新太郎さんの演出含め、見どころ満載のミュージカルなので、未見の方には「今年こそぜひ!」と推したい一作です。
音楽劇『クラウディア』は、サザンオールスターズの楽曲で綴るジュークボックスミュージカルで、岸谷五朗さんの「反戦三部作」の第1作目。今回18年ぶりに上演されるとのことで、ぜひ観に行きたいと思っている作品です。華と実力を兼ね備えたキャスト陣の集結、見ごたえある殺陣、物語にサザンの曲がどう融合していくのかなど、たのしみなポイントがたくさん。
他にも、ディズニー音楽の巨匠、アラン・メンケン氏が来日、出演する『ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ feat. アラン・メンケン』、スリリングな物語の展開に引き込まれそうな『ザ・ウェルキン』も気になる演目です。
古内かほ
ライター。観劇の入り口は小劇場から。近年はミュージカルと宝塚歌劇団を中心に観劇しています。今年はミュージカルのZINEを制作してみたいと思っています。
Twitter:@kahonfuu
批評家・山﨑健太の優先順位高め!
からりと晴れて暑いけど気持ちのいい風が吹き抜けています。先月に引き続き今月の優先順位高めも俳優としても活動する劇作家/演出家による3本となりました。
1本目は青年団リンク やしゃご『きゃんと、すたんどみー、なう。』。芸劇eyesに選ばれた本作は三人姉妹の次女が結婚し引っ越そうとするその当日、知的障がい者の長女と結婚したいという男が現れて——という話。やしゃごは社会的でもあり個人的でもあるわりきれない問題と感情の機微を、舞台上の俳優の姿を通して「生きた人間」のそれとして観客に体感させる。今、最注目の劇作家の一人。
2本目は「ストレートプレイ枠」でPLAY/GROUND Creation『The Pride』。6月20日、同性婚を認めない現行の規定は合憲であるという判決が大阪地裁で下された。世界各地で性的マイノリティの権利を啓発する活動・イベントが展開されるプライド月間のさなかのことだ。イギリスの劇作家アレクシ・ケイ・キャンベルによる戯曲『The Pride』は1958年と2008年という二つの時代に生きそれぞれに同じ名前を持つ(しかし別人である)二人のゲイ男性と一人の女性を中心に展開する物語。チラシに引用された「僕が間違っていると世界じゅうが告げるなら、世界が正しいに決まってる。そう信じてた。」という言葉が発されてしまうような「世界」は果たして「正しい」だろうか。
3本目は「実験的作品枠」で三枚組絵『田圃』。三枚組絵は立教大学現代心理学部映像身体学科の我妻直弥と増田祥基による「シリーズ」。同名義での公演は今回が初めてだが、我妻の戯曲は『金星人』がフェスティバル/トーキョー17で上演され、『すごい機械』は第18回AAF戯曲賞最終候補作にノミネートされるなどすでに一定の注目を集めている。私自身は2018年に学部卒業制作作品として我妻自身が演出も手がけた4時間の大作『最終回』を観て時空感が歪むような衝撃を受けたのだった。
山﨑健太
批評家・ドラマトゥルク。演出家・俳優の橋本清とともにy/nとして舞台作品も発表しています。
Twitter: @yamakenta
ライター・河野桃子の優先順位高め!
“夏の日。セミも暑がる午後。”──松田正隆さんの『夏の砂の上』が栗山民也さんの演出で11月に世田谷パブリックシアターで上演されることが決まっていますが、その頃までこの暑さを覚えていられるでしょうか。暑い……!!!
今月のおすすめは2本に絞りました。
●青年団リンク やしゃご 『 きゃんと、すたんどみー、なう。』
2017年初演ですが、それがとても良かったのです。三姉妹の長女には知的障がいがあるが、ある日結婚したいと言い出して……という話で、長女役の村井まどかさんはじめどの俳優も繊細で、でものびのびと大胆でした。作・演出の伊藤毅さんもきょうだい児(※障がいを抱える兄弟を持つ人)だそう。だからというわけなのかはわかりませんが、生身の人間が演じることが難しい題材が深く誠実に、そして冷静に描かれていたと思います。前回公演の『てくてくと』では発達障害グレーゾーンをテーマにし、そちらも緻密で温かく、けれども辛辣で、優しい、密度の高い演劇でした。今回、5年も経つと世の中も作り手の感覚も変化しているでしょう。それでも今の時代に上演する舞台として、丁寧に作ってくださるだろうと信頼しています。
●『ダディ』
東京グローブ座にて、ジャニーズ事務所と、演出家の小川絵梨子さんがタッグを組みます。この組み合わせは2019年に中島裕翔さん出演にて上演した『WIRD』がとても面白く、期待しています。今回は中山優馬さんが、年上の男性と深い仲になるアフリカ系アメリカ人のアーティストを演じます。この舞台、大注目なのは、脚本が近年演劇界で話題のジェレミー・O・ハリスさんなんです!今作『ダディ』は2021年のトニー賞(アメリカの演劇&ミュージカル賞)最多ノミネートを記録し、日本ではこれが初演となります。マイノリティとされること、格差やアイデンティティなど、人間の生きる切実なテーマを描く会話劇。作家自身のアイデンティティやクィアであることが直接作品に反映されているのかはわかりませんが、表現への徹底したこだわりがあらわれている作品だろうと期待しています。
●大駱駝艦・天賦典式 創立50周年公演『おわり』『はじまり』
もう50周年なんですか……麿赤兒さんが主宰する舞踏カンパニー・大駱駝艦の新作2本立てです。客席にいて、舞台上の身体がすごく大きく見えたり小さく見えたり。次元の狭間に広がる宇宙のようなそこはかとなさを感じたかと思えば、可笑しくて吹き出してしまったり。全身が飲み込まれて細胞から甘い汗が出るみたいな、あの不思議な感覚をまた味わいたくなります。50周年。
……と、ここまではいずれも東京公演しかありませんでした。
そんなの無理やん!という方には、マーム&ジプシー『cocoon』をおすすめします。ひめゆり学徒隊に着想を得て描かれた作品で、2013年初演、2015年再演ともに高評価にて話題になりました。久しぶりの上演では、沖縄から北海道まで全国9か所で公演されます。過去公演と比べて大きな劇場での上演なので演出が変わるかもしれませんが、現代演劇史にタイトルの残るさ作品だと思いますので、ご覧になったことがない方はこの機会にぜひ。
ではでは、3本と言っておいたのにさっそく覆してすみませんでした。
良い夏をお過ごしください!!
河野桃子
ライター。翻訳戯曲と小劇場を中心に、ミュージカルやコンテンポラリーダンスなど「舞台」と名がつくものはなんでも観に行きます!
Twitter:@momo_com
ライター・中川實穗の優先順位高め!
地元・福岡では7月といえば山笠で、東京で暮らす今でも一年で一番テンションが上がる月です。そんな今月、心待ちにしているのは、ふぉ~ゆ~ meets 梅棒『Only1, NOT No.1』。「ふぉ~ゆ~と梅棒」という言葉からイメージなら「ホームラン」じゃないですか? しかもシアタークリエで観られるんですか? え、すでにもう楽しくないですか? という気持ちで2020年からずっと待っていました。楽曲は何が使われるのかな。ふぉ~ゆ~が梅棒スタイルでどんなパフォーマンスを見せてくれるのかな。梅棒の面々のホスト役、案外しっくりくるな……考えれば考えるほど楽しみが膨らみます! オススメしたいです!
そしてそして、ジョン・パトリック・シャンリィの短篇6篇を石丸さち子さんの演出で浴びてみたいと思ったパルテノン多摩 リニューアルオープン企画『お月さまへようこそ』、取材のために脚本を拝読し、そこに書かれた人種やセクシュアリティ、家族、格差社会、モラル、アイデンティティにまつわることへの自分の考えの足りなさを痛感しつつ、だからこそ絶対に生身の舞台で感じてみたいと思った『ダディ』、岩崎う大さんと吉岡里帆さんのタッグと知り、シンプルにワクワクしてしまっている『スルメが丘は花の匂い』と、書いているだけで早く観たいなあ。選挙も行きます!
中川實穗
ライター。日本の戯曲が多めですが、ジャンル問わずに観ます!
Twitter:@miho_sgt
ライター・岩村美佳の優先順位高め!
7月は、「戦争」「戦い」のなかで描かれる愛の物語、ミュージカル『ミス・サイゴン』と、音楽劇『クラウディア』に注目しています。戦争が現実に起きている今、この2作品が上演される巡り合わせ。この物語を観て、今どんな風に心がうごくのか。心して観劇したいと思います。『ミス・サイゴン』は2020年の公演中止を経て、日本初演30周年を迎えるタイミングでの、6年ぶりの上演。あらたなキャストが多数参加されることも楽しみです。『クラウディア』は、地球ゴージャス伝説の作品で、18年ぶりの上演。主宰の岸谷五朗さん寺脇康文さんは出演されず、新世代のオール新キャストでの上演されることにも注目です。
さらに、宝塚から雪組公演『ODYSSEY』と『心中・恋の大和路』です。今年1月に東京で上演されるはずでしたが、開幕の準備が整いながらも全公演が中止になってしまった『ODYSSEY』。大阪に場所を移して、ようやく幕が開きます。海賊たちの冒険旅行を描くオリジナルのダンス&レビュー作品で、華やかなダンスで魅了する彩風咲奈さんを中心にどんな世界が描かれるのか楽しみです。そして、近松門左衛門の「冥途の飛脚」をミュージカル化した『心中・恋の大和路』は、宝塚の名作日本物のひとつです。今、一際注目の和希そらさん主演で、日本物を得意とする雪組での上演。ラストの名曲「この世にただひとつ」をどなたが歌うのかも気になります!
2.5次元作品からは、舞台『呪術廻戦』も楽しみにしています。今や、話題作品こそ舞台化されないはずがないと、発表を待つようになってきました。小林顕作さんが、あの世界がどのように舞台化されるのかワクワクしますし、信頼のキャスト陣に期待です。
岩村美佳
ライター。フォトグラファー・ライター。初観劇は小学生の時に観た宝塚。ミュージカルを中心に色々と観劇しています。配信観劇も存分に楽しめるようになりました。超絶猫好き。
Twitter:@nyanyaseri
ローチケ演劇部_白の優先順位高め!
梅雨も明け、すっかり暑いですね。7月の優先順位高めです、まずはハイバイ「ワレワレのモロモロ」。前回アトリエ・ヘリコプターで観た「ワレワレのモロモロ」はいやー楽しかった。前回とは出演者もガラリと変わったけど、どんなモロモロが観れるのか。岩井さんのインタビューもぜひに。
そして、マームとジプシー「cocoon」。過去観たのは、シアターイーストだったけど、今回はなんとプレイハウス!きっと全く違う「cocoon」になるはず。
とはいえ、7月は主催公演が複数あって、時間的になかなか厳しそうですが、合間を見つけて観劇頑張りたい。そんな中でも、日本一チケットが取れる劇団を謳う、東京にこにこちゃん『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』がどうしても観たいと思ってます。
ローチケ演劇部_マロの優先順位高め!
寒いのも苦手ですが、暑いのも苦手なマロです。節電しないと…と思いながらも、暑さにやられてクーラーがフル稼働です!文明って素晴らしい!!
さて、今月の優先順位高めは、『「Dr.STONE」THE STAGE~SCIENCE WORLD~』!原作を読んだことがないのですが、「演劇を楽しみながら科学を学ぶ」って気になりませんか?学生時代、学べる環境にありながらも怠ってしまったことを後悔している身としては、一石二鳥な学びを今からワクワクしております♪まずは初日の配信から…!
続きましてはストーリーが気になる、シス・カンパニー公演「ザ・ウェルキン」です。医療が発達している今の時代であれば検査で真偽を確かめることができるけれど、陪審員によって真偽を確かめる内容になっており、個人の感情や背景がとても気になります。
レポートを見て気になっているのが、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』です。映画やテレビ放送で何度も観たなぁとしみじみ。19年後のストーリー、どんな不思議な世界を魅せてくれるのか楽しみです。周辺エリアもハリー・ポッター仕様になっているようなので、こちらも楽しみですね♪
『NODA・MAP 第25回公演『Q』:A Night At The Kabuki』も観たいです!豪華なキャストはもちろん、QUEENとシェイクスピアと日本の古典がどのように融合されているのか…気になります!
7月も観劇に向けて暑さに負けないように体力を蓄えなければ…です!