撮影:宮川舞子
あるユダヤ人一族の物語を、芸術監督の小川絵梨子が演出。
ストッパード自身の自伝的要素を含む超大作を日本初演!
新国立劇場 開場25周年記念公演『レオポルトシュタット』が、10月14日(金)に東京・新国立劇場にて開幕した。本作は、英国の劇作家トム・ストッパードの最新作であり、日本初演作品。『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『コースト・オブ・ユートピア』『アルカディア』など、日本でもこれまで多くの作品が上演されているストッパードが「最後の作品になるかもしれない」としたことから、その上演前より大きな話題を呼び、2020年1月にロンドンで世界初演を迎えると瞬く間に絶賛された。2022年のオリヴィエ賞作品賞を受賞し、ブロードウェイをはじめ英国国外での上演も既に決定している本作で描かれているのは、あるユダヤ人一族の物語。戦争、革命、貧困、ナチスの支配、そしてホロコーストに直面した20世紀前半の激動のオーストリアに生きた一族の一大叙事詩は、50代で初めて自らのユダヤ人としてのルーツを知ったというストッパードの自伝的要素も含まれているといわれている。
翻訳に超大作『コースト・オブ・ユートピア』を手掛けた広田敦郎を迎え、『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』『かもめ』『ほんとうのハウンド警部』などこれまで数々のストッパード作品に演出者・翻訳者として携わってきた演劇芸術監督の小川絵梨子が演出を手掛け、この大作をおよそ30名のキャストと共にお届けする。
演出・小川絵梨子、主演・浜中文一 よりコメント到着!
■演出:小川絵梨子 コメント
無事、開幕を迎えることができたことを大変に嬉しく思っております。この作品は、20世紀の幕開けから第二次世界大戦後までを舞台にしています。しかし、決して過去や歴史だけでなく、「今」についての物語だと思っております。「今」は常に過去や歴史と地続きであり、私たちの人生も歴史の一部として存在しています。現代でも繰り返し起き続ける凄惨で不合理な出来事も、遠くにあるものではなく、私たちの一部と言えるのだと思います。 本作を楽しんでいただけましたら幸いです。
■主演:浜中文一 コメント
差別や迫害、戦争、貧困の時代といった重いテーマもありますが、あくまで家族の物語です。家族とジョークを言い合うなど楽しい時間もあります。家族のつながりや次の世代へのバトンタッチなど、お客様がいろんな視点から何かを感じ取っていただける作品になっていると思います。ぜひ観に来ていただけると嬉しいです。