左から 橋本淳、趣里 (撮影:益永葉)
11月13日(日)に神奈川・KAAT 神奈川芸術劇場で初日を迎えた舞台、KAAT×城山羊の会『温暖化の秋 -hot autumn-』。ソフトバンクモバイルの白戸家シリーズなど、話題のCMを数多く手掛ける鬼才のCMプランナーであり、2015年には『トロワグロ』で第59回岸田國士戯曲賞を受賞した劇作家・演出家、山内ケンジによる書き下ろし新作公演で、神奈川県内での初公演となる本作は、人間の本能や欲望を、絶妙なユーモアで描写する大人の会話劇が繰り広げられる。出演は、<城山羊の会>作品のファンの1人で、舞台はもちろん、テレビ・映画と幅広い活躍で存在感を示す女優・趣里。彼女はKAAT神奈川芸術劇場プロデュース『オレステスとピュラデス』(杉原邦生演出)以来、KAAT主催公演に2度目の出演となる。また、山内作品へは3度目の出演となる橋本淳、<城山羊の会>作品になくてはならない役者 岡部たかし・岩谷健司に加え、俳優としても活躍する、お笑いコンビ「シソンヌ」のじろうらが名を連ねた。本作は11月27日まで KAAT 神奈川芸術劇場で公演が続く。
そして、この開幕に際して、 作・演出を手掛ける山内ケンジから初日コメントが舞台写真と併せて到着した!
山内ケンジ(作・演出) コメント
感染状況が悪化しており、なかなかの緊張感の中で、無事に初日を迎える事ができました。緊張感、と言ったのは、稽古中からのそれもありますが、この劇の内容についてでもあります。
一昨年からの私の劇作はどれもコロナ禍を扱っていて、今回もマスクをする、しないに拘っているのですが、とはいえ、今思えば、企画の段階の頃、2022 年の秋には、「あの頃の風景」としてマスク題材を振り返ることになるかもしれないな、と思ったりもしました。ところが現在結局こうです。現在進行形の緊張感。これ以上望むべくもない達者な俳優たちのおかげで、このリアルタイムな緊張と不安を、「その場所」へ行くのか行かないのかという形而下的な会話だけで表現できていると思っています。是非とも一人でも多くの方に観て頂きたいです。そして、観た後も、コンクリートに切り株が点々としているだけの「現在の」日本の風景に思いを馳せてもらえたら幸いです。
舞台写真 撮影:益永葉
左から 趣里、じろう(シソンヌ) 左から 東野絢香、じろう(シソンヌ)、橋本淳、趣里
左から 趣里、岩谷健司、笠島智、岡部たかし、東野絢香、橋本淳 左から 東野絢香、じろう(シソンヌ)