パントマイム・アーティストのが~まるちょばの新作公演「が~まるちょば シネマティック・コメディー JAPAN TOUR 2023」が、6月3日(土)、4日(日)に東京・よみうり大手町ホール、6月24日(土)に東京・町田市民ホールで開催。上演に先駆け、合同取材会を行った。
2021年の初頭から2022年秋まで全国各地で上演した前回公演「が~まるちょば LIVE 2021-2022 STORIES “PLEASE PLEASE MIME”」は、コロナ禍で中止を余儀なくされた時期もあり、結果的に約2年間に渡って同じ演目を行うことになった。これまでにない状況下で長期間、同じ演目を披露していくなかで、HIRO-PON自身は観客の変化を感じていたという。「この期間中に国際的な行事に携わったり、メディアに出たりしたことで、僕がパントマイムをやっていることを知った方もいて。各会場で初めて見に来て下さった方を伺ったところ、ほぼ半数、半分以上のところもありました。そのお客さんが今回また見に来て下さるか、どうなるのかな?というところは、自分自身も興味があります。コロナ禍で強く感じたのは、結局ライブには勝てないということ。媒体や方法を変えると、違うものになってしまう」。
今年6月からスタートする公演には、「が~まるちょば シネマティック・コメディー JAPAN TOUR 2023」というタイトルをつけた。が~まるちょばが2人組だったころは、「パントマイムは世の中的に“こういうもの”という既成概念がある」と感じ、〈パントマイム〉という言葉を使わず〈サイレント・コメディー〉というタイトルで全国を回っていた。今回の〈シネマティック・コメディー〉には、「〈サイレント・コメディー〉だとストーリーがあるイメージが浮かばないかもしれない。そこで、2019年に1人になったことと、パントマイムを舞台でやること自体を知っているお客さんがあまりいなかったりするので、新しくするではないですけれど、〈シネマティック・コメディー〉、要はストーリーがあるものを舞台で見られますよ、という意味合いが入っています」と思いを込めた。〈JAPAN TOUR 2023〉と西暦を入れたことも、HIRO-PONの気合いの表れだ。
制作中の新作については、「今しかできないことをやろうと。肉体的な老いと相当戦っているので、果たして十年後にできるだろうか、今はぎりぎりできるだろうと思って無理してやろうとしています。パントマイムは喋らない身体表現なので、肉体の鍛錬も必要になってくるのですが、僕は一生できる仕事だと思っています。動かずともお客さんの心を動かすことはできるけれど、動くことで伝えられるものもありますし。そういう意味でちょっと無理をしようかなと、理想の高いところでの台本作りをしています」とのこと。最後に、公演を楽しみにしている方へのメッセージとして、「が~まるちょばは知っているけれど、舞台を見たことがない人って多いと思うんです。パントマイムを知ってもらうことは二の次にして、まずは、が~まるちょばを知ってもらわなければいけない。文字として、音として、テレビで、SNSで見て、が~まるちょばをを知ってもらうのではなく、舞台上でストーリーを演じて、お客さんと一緒の空気でいる、が~まるちょばを知ってもらいたい。表現やエンターテイメントはそこに来てもらわないと、味わって頂けないですし、舞台公演は唯一無二と言ってもいいぐらいのエンターテイメントなので、ぜひ生きてるうちに、チャンスを逃さず見に来ていただけたら。僕は舞台の上からお客さんの心を動かそうとしていますので、ぜひ劇場にお越しください」と、取材を締めくくった。
「が~まるちょば シネマティック・コメディー JAPAN TOUR 2023」は、6月3日(土)、4日(日)に、東京・よみうり大手町ホール、6月24日(土)に東京・町田市民ホールで開催。