☆5月京都・南座で開催☆「歌舞伎鑑賞教室」片岡千次郎、片岡りき彌、上村吉太朗、旭堂南龍 取材会レポート!

写真右から)旭堂南龍、上村吉太朗、片岡千次郎、片岡りき彌

京都・南座では、5月12日(金)~5月21日(日)まで、「歌舞伎鑑賞教室」を上演。その公演に先駆けて取材会が行われ、片岡千次郎、片岡りき彌、上村吉太朗、旭堂南龍が出席し、それぞれの思いを語った。

『妹背山婦女庭訓 願絲縁苧環』にて烏帽子折求女を勤める片岡千次郎は、「今回の演目は、二人の女性が一人の男を取り合うというお話です。女方のお二人のしぐさや感情の動きにも注目いただきたいですし、私もこれまでにあまり経験がなかった二枚目の役をさせていただきます。中から出てくる色気や品格を出せるよう、(二世片岡)秀太郎の旦那がよくおっしゃっていたように“よいかげん”に勤めたいです」と意気込みを語った。

そして『願絲縁苧環』で橘姫を勤める片岡りき彌は、「昨年の鑑賞教室は客席で拝見していて、いつか出演したいと思っていたところ、橘姫というお役を頂戴して大変うれしく思っております。私の演じる橘姫と、吉太朗さんが演じるお三輪は、お姫様と町娘というところで役柄も違いますので、動きの違いなども見ていただければなと思います。舞踊ですので、しっとりと踊れるように、また役をしっかり理解して臨みたいです」と顔を引き締めてみせた。

東京よりリモートで出席し、『願絲縁苧環』でお三輪を勤める上村吉太朗は、「昨年に引き続き二年連続出演させていただけますこと、とても嬉しく思っております。『願絲縁苧環』は、初めて歌舞伎を見ていただく方にも分かりやすい演目ですし、今回は常磐津での上演ということで、常磐津の魅力もお楽しみいただけるのではと思います。以前、上方歌舞伎会でお三輪を一度勤めさせていただきましたが、また新たな気持ちで一から勉強したいです」と熱く語る。

『歌舞伎の講釈』で解説を勤める旭堂南龍は、「南座の鑑賞教室は以前、桂九雀師匠が解説をされていた時に拝見したことがありまして、分かりやすくて華やかで、素敵な世界だなと思っていたところにお声をかけていただき、本当に光栄です。今回僕は補助役に徹しまして、「講釈」の名の通り、鑑賞するにあたって難しい言葉などを面白く解説しながら、より分かりやすくなるように心がけたいなと思っています。僕自身も『妹背山婦女庭訓』を勉強しなおして、講談の語り口も取り入れながら話そうと思っております」と自身のプランを教えてくれた。

ローソンチケットでは、「歌舞伎鑑賞教室」のチケットを4月9日(日)10:00から一般発売開始!詳細は下記公演概要欄よりご確認ください。

「歌舞伎鑑賞教室」 について

今年こそ、「初めて」を始めよう。歌舞伎鑑賞教室ー
歌舞伎鑑賞教室は、歌舞伎を見たことがない初心者のための公演です。
どなたでも楽しめる定番の演目を、講談師によるたのしい解説つきで上演いたします。
歌舞伎に興味はあるけれど、「難しい」「敷居が高い」と観劇に踏み切れずにいる方、この機会にあたらしい世界へ足を踏み入れてみませんか?

登壇者プロフィール

片岡千次郎(かたおか・せんじろう)

大阪府出身。昭和56年生まれ。平成11年3月に上方歌舞伎塾第1期修了。同月大阪松竹座『忠臣蔵』十一段目の磯貝十郎左衛門ほかで小林慎吾の名で初舞台。12月片岡我當に入門し、片岡千次郎を名乗る。25年12月南座『厳島招檜扇』の難波六郎で名題昇進。『東海道四谷怪談』宅悦、『忠臣蔵』六段目おかやなど、立役、女方ともに大役も的確にこなす。また、千次郎ら上方歌舞伎塾の卒塾生を中心に開催される「晴の会」では亀屋東斎の名で脚色も担当。日本俳優協会奨励賞、大阪文化祭賞奨励賞を受賞。

片岡りき彌(かたおか・りきや)

大阪府出身。昭和57年生まれ。平成11年3月に上方歌舞伎塾第1期修了。同月大阪松竹座『忠臣蔵』十一段目の間瀬九太夫ほかで初舞台。12月二世片岡秀太郎に入門し、南座『浪華の春雨』の小女で片岡りき彌を名乗る。令和3年12月南座『三人吉三』の夜鷹おとせで名題昇進。幅広い演目で様々な役柄を多彩に演じ分け、『夏祭浪花鑑』傾城琴浦や、上方歌舞伎会では『熊谷陣屋』藤の方、『伊勢音頭恋寝刃』お紺、『絵本太功記』初菊など、女方の大役にも挑戦している。国立劇場特別賞を受賞。

上村吉太朗(かみむら・きちたろう)

大阪府出身。平成13年生まれ。19年5月に第三回みよし会『傾城阿波の鳴門』どんどろ大師の巡礼お鶴で上村吉太朗を名乗り初舞台。21年12月南座『時平の七笑』の稚児松乃丸で片岡我當の部屋子となる。関西を地盤に芸の研鑽を積み、令和3年2月歌舞伎座『於染久松色読販』丁稚久太、4年12月南座『すし屋』若葉の内侍などを勤めた。昨年の「南座 歌舞伎鑑賞教室」では『吉野山』佐藤忠信実は源九郎狐を力強く演じ、好評を博した。十三夜会賞奨励賞、国立劇場奨励賞、令和4年度咲くやこの花賞を受賞。

旭堂南龍(きょくどう・なんりゅう)

大阪府出身。昭和55年生まれ。平成16年、旭堂南左衛門に弟子入り、南青を名乗る。30年、上方講談界で27年ぶりの真打昇進。同時に上方の名跡、南龍を襲名。柔和で端正な語り口調で人気を博し、上方講談界の次代を担う講談師として注目を集める。昨年は1年間を費やしての連続講談会、365日千鳥亭にて「赤穂義士傳」323席を口演。近年は、大阪を中心に全国各地での講談のほか、奈良テレビ「ゆうドキッ!」へのレギュラー出演、若手による上方伝統文化ユニット「霜乃会」でも精力的に活動。咲くやこの花賞、文化庁芸術賞新人賞、八尾市文化新人賞を受賞。