撮影:宮川舞子
2023年11月から2024年1月にかけて、日本テレビ開局70年記念舞台として、『西遊記』が上演される。
孫悟空を中心に、三蔵法師一行が天竺を目指す物語は広く知られ、長年にわたり愛されて来たスペクタクルエンターテインメントだ。
主演の孫悟空は片岡愛之助、三蔵法師は小池徹平、猪八戒は戸次重幸、沙悟浄は加藤和樹、玉竜は村井良大、三蔵法師一行としてこれらの5人が旅をし、妖怪側として、牛魔王に松平健、妻・鉄扇公主に中山美穂、息子・紅孩児に藤岡真威人、金角は藤本隆宏、銀角は山口馬木也、虎力大仙を小宮璃央、鹿力大仙を押田岳、羊力大仙を桜庭大翔が演じる。また、鎮元子を田村心、玉帝と高伯欽を曽田陵介、高翠蘭を柳美稀が演じ、ベテランから若手まで様々なジャンルで目覚ましい活躍を魅せる俳優陣が勢揃いし、新たな『西遊記』が誕生するだろう。
開局60年舞台『真田十勇士』、開局65年舞台『魔界転生』に続いて、脚本はマキノノゾミ、演出は堤幸彦が担当する。
上演に先立ち9月27日(水)製作発表会見が行われ、メインキャスト16名が勢揃いし、作品への意気込みを語った。
日本テレビ放送網株式会社 取締役執行役員 澤桂一
皆様、本日は日本テレビ開局70年記念舞台『西遊記』の製作発表にお越しいただきありがとうございます。この物語は皆さんに長年に渡って愛していただいた作品です。今回の作品の特徴として、素晴らしいキャストの皆様に集合していただいたということが挙げられます。そして、演出の堤さん、脚本のマキノさんも日本テレビとご縁がございます。今回は、デジタルとリアルを融合させた舞台演出に加え、フライングや特殊効果といった新しい挑戦があると聞いております。物語は笑いあり涙ありと非常に多くの展開があるストーリーになると思います。11月の大阪オリックス劇場を皮切りに、福岡博多座、12月には札幌の上映会、年末年始は名古屋御園座、1月は東京明治座で上演いたします。どうぞご期待ください。
脚本 マキノノゾミ
日本テレビさんが『西遊記』をやるというのは僕らの世代からするととんでもないことだと思い、大変プレッシャーのかかる中で台本を書きました。『西遊記』は世界的に大ヒットしましたので、今回の舞台も必ず国際的にヒットするような作品になるよう思いを込めて書きました。どうぞよろしくお願いいたします。
演出 堤幸彦
先ほど、(制作発表の時に)流れていた曲を聴き、条件反射的に身体が動く方もいらっしゃると思いますが、是非、俳優の皆さんは「ご覚悟を…。お願いしたいと思っています。」(一同笑い)。『西遊記』は私が若く心が荒んでいる時に、ずっと面白いと思い見ていた番組でした。まさか自分の手で大々的に上演できることになるとは本当に光栄に思います。テクノロジーとストーリーの面白さ、何より人間の肉体の面白さを追求して作品を作っていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
片岡愛之助(孫悟空)
本日はお忙しい中、たくさんの皆様にお集まりいただきありがとうございます。
日本テレビ開局70年記念公演で孫悟空を務めさせていただくなど夢にも思っておりませんでしたし、大スター大集合というしだいですので、僕自身も楽しみにしております。
脚本をマキノさん、演出を堤さんにしていただきますが、前回の「魔界転生」の時は私もナレーションで参加させていただき、すごいエネルギーを感じて圧倒されました。
もちろんLEDなどを使った演出も素晴らしと思いますが、これだけの素晴らしいメンバーが集まってくださっていますので、アナログのヒューマンパワー、役者の魂もお見せしたいです。千穐楽まで一丸となって駆け抜けたいと思います。
小池徹平(三蔵法師)
こんな大人数での登壇はなかなかないと思います。今回は初対面の方もいるのですが、この皆さんと天竺を目指し、いろいろなところを経て東京に戻ってくるということを非常に楽しみにしております。三蔵法師はまだどうなるかわからないようなところもたくさんありますが、先日堤さんにもホワイトボードでセットの説明をしていただいて、さらにワクワクが増してきました。どんなものが飛び出すかぜひ劇場でご覧いただければと思います。素敵な作品になるように全身全霊をこめて精進してまいりますので、よろしくお願いいたします。
戸次重幸(猪八戒)
この素晴らしい豪華キャストの中で皆さんが唯一違和感を感じるのが僕かと思います。やはり西田敏行さんはじめ古今東西、豚の妖怪なので恰幅のいい役者がやるものだというイメージが皆さんにあると思います。そんななかでこんなやせ型の猪八戒です。でもまったく新しい猪八戒をやらせていただくつもりでおりますので、安心して見ていただきたいなと思います。台本を読んで立ち回りがすごく多い舞台だと思いました。私は50歳を迎えるのでフィジカル面が心配ですが、そこはしっかりケアして最後まで猪八戒を元気に演じていきたいと思います。
加藤和樹(沙悟浄)
台本を読んだのですが、沙悟浄は僕もいままでやったことのない役なので、さきほど堤さんに質問しようとしたら、今日は質問を受けないといわれまして、怖いやら楽しみやらです(笑)。立ち回りも多い舞台なので、全員で怪我なく最後まで完走したいと思います。
村井良大(玉竜)
この役のお話をいただいたとき、最初はなんの役かわからなかったのですが、三蔵法師にお仕えしている馬の役ということで、小池徹平さんをおぶる役かもしれないです。70ステージあるので腰に気を付けながら頑張りたいと思います。台本を読んで『西遊記』という作品のスケールの大きさがひしひしと伝わる内容でした。いったいどうやってやるのか本当に予想のつかない作品となっております。70周年にふさわしい本当に豪華なスケールの大きい作品ですのでこの感動をぜひ劇場で体感していただきたいと思います。
中山美穂(鉄扇公主)
脚本をいただいた時から私が務めることができるのかと毎日ずっと思っています。昨日少しだけ稽古を覗かせていただきあまりのエネルギーに圧倒されました。エネルギーをいただいて頑張っていきたいと思います。
初めての立ち回りとか、初めての役回りとか、初めての大所帯の舞台とか、初めてのことばかりです。まだまだチャレンジできることがありがたく、頑張っていきたいと思います。
松平健(牛魔王役)
5年前、『魔界転生』でもお世話になりまして、今回も参加させていただけることを嬉しく思います。前回も立ち回りがハードでしたが、今回はそれ以上の宙での立ち回りがあるということですので体力の限界の限り、頑張りたいと思います。
藤岡真威人(紅孩児)
演出の堤さんをはじめ錚々たる大先輩方とこの素晴らしい大きな舞台でご一緒できることを大変光栄に思います。そしてなによりも父上と母上、松平さんと中山さんの息子を演じられるということ、皆様一人ひとりのパワーに負けずに、全力を出して頑張りたいと思います。
田村心(鎮元子)
僕は堤さんの作品に出演させていただくたびに毎回吐血をする役でして、舞台『巌流島』では周りのキャストから「お前は吐血キャスティングかよ」と言われました。今回も吐血する役なのかどうか、非常に楽しみです。
曽田陵介(玉帝、高伯欽)
僕のような未熟者がこのような大先輩方とご一緒させていただけるのが嬉しいです。まったくタイプの違った2役を演じさせていただくので全力で演じたいです。少々失敗しても先輩が受け止めてくださると思いますので、僕は稽古でたくさんチャレンジしたいと思います。
小宮璃央(虎力大仙)
虎力大仙は三大仙の一人で遊べるようなお芝居がたくさんありますので、皆様にエンターテイメントをたくさんお届けできるように頑張りたいなと思います。
柳美稀(高翆蘭)
私の役は正直いっておいしいなと台本読んで思いました。女性キャストが2人しかいないので、男性キャストに負けないようにくらいついていきたいと思います。
押田岳(鹿力大仙)
僕も三大仙の一人として参加させていただきます。牛魔王の臣下ということで、今回飛び道具もあるので面白い役に育てられるようにチャレンジしていきたいと思います。
皆様に楽しんでいただける作品を届けられるよう稽古から精進したいと思います。
桜庭大翔(羊力大仙)
大先輩の方々とご一緒でき、素敵な作品に参加できまして光栄です。僕は毎日ジムに通っているのですが、筋肉はここで使おうと今日改めて思いました。死力を尽くして頑張っていきたいと思います。
山口馬木也(銀角)
僕ら世代にとっては『西遊記』というのは非常に思い入れが深い作品ですので光栄です。生みの親がマキノノゾミさん、育ててくださるのが堤幸彦さんです。お二人のもとで座組の一員となって精一杯、そして藤本の兄貴の胸も借りて大暴れして50歳オーバーの力を見せつけていきたいと思います。
藤本隆宏(金角)
金角という面白い役をいただいて、どう演じていこうかと思っています。今回は1人で役を作り上げていくのではなく、馬木也さんと金角、銀角として二人で一つのような感じですので、一緒に作り上げていきたいと思います。
文/宮崎新之