Ⓒ岸本斉史 スコット/集英社 Ⓒライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2023
岸本斉史による大人気コミックを原作に2015年よりシリーズを重ねてきたライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」。俳優陣のアクロバティックな動きや歌、さらに生演奏や映像を加えた演出で人気を博してきた物語が「ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』~忍の生きる道~」でついに完結を迎える。開幕を控え、KAAT神奈川芸術劇場にて行われた公開ゲネプロの模様をレポートする。
2015年の初演、翌2016年の再演に続き、2017年には続編となる「暁の調べ」が上演。2019年にはその再演が行われ、2021年の「うずまきナルト物語」では原作でも人気の高い「ペイン来襲篇」、「五影会談篇」が描かれた。さらに2022年の「忍界大戦、開戦」では第四次忍界大戦が勃発。そして、最終章となる本作では、大戦の決着と共にナルトとサスケの長きにわたる因縁に、ついに終止符が打たれる。
今回の最終章は途中の休憩を挟んで約3時間の長丁場となるが、ナルト(中尾暢樹)&サスケ(佐藤流司)のみならず、人気の登場人物たちが入れ替わり立ち替わり登場し、アツいシーンが続く!
冒頭からサスケにより大蛇丸(悠未ひろ)が復活し、さらに禁術・穢土転生によって初代火影・千手柱間(姜暢雄)、二代目・千手扉間(河合龍之介)、三代目・猿飛ヒルゼン(塚田知紀)、そして四代目でナルトの父親である波風ミナト(北園涼)という4人の歴代火影がよみがえる。そこで、柱間の口から、マダラ(中村誠治郎)との間に生まれた友情、木の葉隠れの里の誕生の経緯、そしてマダラとの決別などの真相が明かされる。真実に直面し「里とは?」「忍びとは?」と問いかけるサスケの歌声が哀しく響く…。
その後も、息つくひまもなく濃いシーンが続き、十尾を復活させたマダラとオビト(伊勢大貴)が最強の幻術“無限月読”を発動させようとするのに対し、ナルトをはじめとする忍連合軍はそれを阻止すべく奮闘。ナルト、サスケらが背負った知られざる因縁や秘密が明かされていく。
ハイクオリティの殺陣やアクションに映像、さらに透過型のスクリーンへのプロジェクションやスモーク、レーザーを使った忍術シーンの巧みな演出など、見応えたっぷりだが、何よりもこの最終章は、人と人、チームが織りなすドラマ、“エモさ”が観る者の心を揺さぶる。
ナルト、サスケ、サクラ(伊藤優衣)、そしてカカシ(君沢ユウキ)の「第七班」の再集結、かつての「ミナト班」のミナト、カカシ、オビトの共闘、猿飛ヒルゼンと大蛇丸の師弟コンビにシカマル(池岡亮介)、いの(小嶋紗里)、ヒナタ(星波)の奮闘など、登場人物たちの関係性やこれまでに背負ってきたものがあってこそのドラマが、過去のセリフや映像などと共に次々と展開する。中でもやはり胸アツなのが、ミナトとナルトという父と息子の関係。ミナトのナルトへの惜しみない愛情、2人で繰り出す螺旋丸、そして別れ……親子の絆が涙を誘う。
そして、クライマックスはナルトとサスケの最終決戦!因縁の場所でもある終末の谷で再び向かい合い2人。ナルトが歌い上げるサスケへの思いと己の“忍道”。一族が背負ってきた歴史や怨念を超えて、思いを吐露するサスケ。2人の因縁はどのような結末を迎えるのか――?
8年にわたるシリーズの最終章にふさわしい、熱く濃い戦い、ドラマを堪能してほしい。
うずまきナルト役:中尾暢樹 コメント
2021年から3年間うずまきナルト役を演じてきて、周りの皆さんへの信頼や作品への理解が、当初よりもずっと深くなりました。今日初日を迎えるにあたって、早くこの「NARUTO」の世界をお客様に観ていただきたい、という楽しみな気持ちが、昨年、一昨年よりも一段と上がっています。ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」は、2.5次元作品というジャンルの中でも沢山の工夫を凝らし、映像やギミックも多用して「NARUTO」の世界を舞台上にリアルに出現させようと皆で頑張っています。シリーズが8年続いてきて、本当に今回が最後です!必ず、最高の舞台にします!是非、楽しんでいただけると嬉しいです。
うちはサスケ役:佐藤流司 コメント
ひと月半の稽古を終え、本日無事に、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~忍の生きる道~の初日を迎えました。ナルト役の暢樹も前に同じことを言っていたのですが、自分自身、体力の限界を超えて、お客様に感動やパワーを与えられるような公演にしたいと思っております。8年間の集大成をお見せできるよう、カンパニー一同、怪我なく最後まで駆け抜けてまいりますので、是非、見守っていただけますと幸いです。