ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~忍の生きる道~│中尾暢樹 インタビュー

©岸本斉史 スコット/集英社 ©ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2023

全員が一丸となって作る『NARUTO』の世界と熱量を感じてほしい

2015年の初演より8年の時を経て、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」シリーズが完結する。再現度の高いビジュアルとアクションや映像を斬新に織り込んだ演出によって国内外で公演を成功させ、新作の度に新たな要素を加えて話題を呼んできた2.5次元界屈指の人気シリーズだ。2021年の『うずまきナルト物語』からうずまきナルト役を演じてきた中尾暢樹が、作品への想いを明かした。

「ナルトとして舞台に立って3年。3年ってこんなに早いのかと驚いています。この作品でいろいろな経験をしましたし、素敵な光景も見ることができました。『うずまきナルト物語』『忍界大戦、開戦』の2作品だけで数えきれないほどの思い出があります。舞台でナルトとして本気で生きて、キャスト・スタッフのみんなも本気で舞台「NARUTO」の世界を作り上げる。その一員になれたこと、子供の頃から好きだったキャラクターを演じていること……本当に役者冥利に尽きます。僕の中ですごく大切な作品になって、『忍の生きる道』を迎えることになりました」

中尾は『NARUTO-ナルト-』連載時からの原作ファン。ナルトのことは「ずっと知っているヤツ」だったと微笑む。

「一緒に育ってきたような感覚と言いますか。“ナルトの生い立ちから全部知っているし!”と、自信を持てるところはありました。だから役作りに困ったことはなかったですね。ナルトの心情はすごく理解できました。ただ、舞台上では“ライブ・スペクタクル”ならではの大変さがあって。動きのタイミングを映像に合わせなくてはいけないとか、スモークの中で息を吸ったらむせてしまうとか(笑)。激しく動いた後はすぐにでも息を吸いたいけど、一回体を伏せて煙の下に潜り込むようにしてからでないと呼吸できない。時には痛い目を見ながら習得していきました」

々の仕掛けが目を引く舞台だが、役者同士の魂を込めたぶつかり合いも見どころ。

「素手でのアクションシーンは思い出深いです。ギミックだけでなく役者がガッツリ動くことで、この作品の世界観を表現しているんだなと思いました。体力的にはキツかったですけど、こんなに任せてくれるんだと感動したことを覚えています」

今年5月には中尾を始めとするキャスト5名がアメリカ・ニューヨークで開催された「JapanParade 2023」に参加。『NARUTO-ナルト-』の世界的人気を肌で感じてきた。

「街中をパレードしたのですが、みんなナルトのことを知っていましたね。名前を呼んでくれたり、作品やキャラクターへの愛を感じました。カカシ先生(君沢ユウキ)とサクラちゃん(伊藤優衣)、一緒に行ったメンバーとの思い出が増えました」

今作のクライマックスでは、ついにナルトとサスケが激突。互いの矜持をかけて「終末の谷」で死闘を繰り広げる。

「このふたりの対決シーン無くして『NARUTO-ナルト-』は語れない。僕がナルトを演じるようになったのはサスケが里を抜けた後からなので、一緒に立つ場面が少なかったんです。ようやくガチでサスケとやり合える日が来てワクワクしています!様々な想いを背負って対峙できるのが楽しみ。毎公演、全力の役者パワーでぶつかり合いたいです。全員が一丸となって作る舞台「NARUTO」の世界と、僕らの熱量を劇場で感じていただけたら嬉しいなと思っています。みんなで魂を込めますので、楽しみにしていてください!」

インタビュー&文/片桐ユウ

※構成/月刊ローチケ編集部 8月15日号より転載

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【プロフィール】

中尾暢樹

■ナカオ マサキ
2016年、『動物戦隊ジュウオウジャー』にてテレビドラマ初出演にして初主演。以後、数多くの映像作品、舞台などに出演。