ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~うずまきナルト物語~ 中尾暢樹 インタビュー

変化と信念を見せられれば、僕がうずまきナルトを演じる理由になる

 

4年ぶりに新作の上演が決定したライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」。2015年の初演から斬新な演出が話題を呼び、海外公演でも成功を収めている舞台シリーズである。
原作は週刊『少年ジャンプ』(集英社)にて長期連載された大人気漫画。“木ノ葉隠れの里”に生まれた少年・うずまきナルトが里一番の忍(しのび)である“火影(ほかげ)”を目指し、数々の試練を乗り越えていく物語だ。今作からナルトを演じるのは映像・舞台で活躍中の俳優、中尾暢樹。

中尾「オーディションで選んでいただきましたが、役が決まった瞬間から“あれもやらなきゃこれもやらなきゃ、これから大変だぞ”という気持ちが一気に押し寄せてきたので、まだ嬉しいという気持ちを実感できずにいます。喜びを感じられるのは舞台に立ったときかなと思っています」


『NARUTO-ナルト-』にはさまざまな術が存在する。舞台シリーズでは、あらゆる表現方法を使ってそれらをステージに描き出し、国内外で喝采を浴びた。

中尾「プロジェクションマッピングに合わせて体を動かしたり、トランポリンを使ったアクションがあったり、今まで見たことがなかった表現に驚かされました。最前線に立ってたくさんの挑戦をしている舞台だと感じていたので、今作ではどんな試みがあるのだろうかと気になっています。僕は映画でチアリーディングをやったことがあり、バク転などできることはあるのですが、舞台の公演数をこなす体力も必要ですし……でもやるしかない。ナルトとして舞台の真ん中に立つには、説得力が必要だと思うので。今から準備できること、すべきことをしていきます!」


原作コミックスも『週刊少年ジャンプ』も、「物心つく頃には読んでいました」という中尾。

中尾「最初は敵に思えた相手も、実は事情を抱えていて背景がある。それぞれの正義がぶつかり合うので、子どもながらにすごく考えるものがありました。ナルトもどんどん成長していくので、その魅力を出せたらなと思っています。今作のナルトは師匠を失い、里の襲撃を受けたりと大きく傷つく。でもその痛みを背負って、ひとりの忍として大人になります。自分のことに必死でガムシャラにやっていたナルトから、里を背負うと決めたナルトの変化と信念のようなものを見せられたら。それがナルトを演じる理由にもなるのではないかと思います」


ナルトの決意同様に中尾からも強い覚悟が漂うが、ふと「ナルトが仙人ならぬ仙蝦蟇であるフカサクの元で修業する場面はどうするんだろう。僕、蛙とふたりきりになるんですよね……」と、微笑ましい呟きも。楽しみにしているシーンを尋ねると、弾けるような笑顔で「螺旋丸!」と技名を挙げた。

中尾「僕はシリーズに初めて参加しますが、続投されている方も多いので、すでに世界が作り上げられている中に乗せていただけるのは安心感があります。これまで僕が経験してきた舞台の主演の方々は、ご自身の役と向き合いながらどっしり構えてくださっていて、それを心強く感じていました。僕も自分のやるべきことに向き合うことで、みんなとも向き合っていければ。無理に引っ張ろうとすると、変に空回りそうですし(笑)。このキャストさん、スタッフさんたちと一緒に、ナルトとして舞台に立てるよう、上演に向けて気を付けて稽古に臨みたいと思います。皆様に作品をお届けできることを願っています!」

 

インタビュー・文/片桐ユウ

 

※構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載

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【プロフィール】
中尾暢樹
■ナカオ マサキ ’96年生まれ。’16年、『動物戦隊ジュウオウジャー』にて風切大和/ジュウオウイーグル役で主演を務める。