舞台『魔法歌劇アルマギア~episode.0~』|太田奈緒 インタビュー

『月刊アクション』(双葉社)、『GANMA!』ほかで連載中の「アルマギア-Project-」。漫画のほかにも豪華声優陣が歌うキャラクターソングや、文化放送での作品ラジオなど幅広くメディアミックスを展開してきた人気作が待望の舞台化。舞台「魔法歌劇アルマギア~episode.0~」では、歌うことにより体内に魔力を注ぎ込むことができる「ディーヴァ」と、その魔力により変身し戦闘力へと変える「マーギアー」と呼ばれる少女たちの、歌の力による戦いと絆を描く壮大なストーリーの前日譚、始まりの物語が描かれる。イクタル王国の次期女王で「ディーヴァ」のティア・イクタル役で、本格的な2.5次元舞台に初挑戦する主演の太田奈緒に、公演を目前にした心境や作品の魅力、2.5次元ならではの役作り、稽古場でのエピソードなどを聞いた。

――11月2日(木)に舞台「魔法歌劇アルマギア~episode.0~」の幕が上がります。公演を目前にした心境をお聞かせください

2.5次元の舞台はあまり経験していないので、演じるキャラクターにどれだけ自分を寄せられるかとか、そのキャラクターとしての立ち方みたいなものを学ぶ日々です。でも、それがすごく面白いですし、2.5次元舞台の経験豊富な共演者の方々に、どうすれば良いのか教えていただくことも、すごくありがたい時間だなと思いながら稽古時間を過ごしていて。まだ本当に本番が来るのかな?っていう、なんか不思議な初めての感覚なんです。今は、本番までに自分がティア・イクタルとして舞台上に立つために、この舞台の熱量をより皆さまにお伝えするために、残りの稽古期間でどれだけ詰められるのかというのをすごく意識しています。頑張らなきゃなって。

――今作の脚本を読んで最初にどんな感想を持たれましたか?

すごい世界観だなと思いました。内容も盛りだくさんですし、話の展開もどんどん切り替わっていくので読んでいて引き込まれました。ディーヴァの歌がマーギアーの力に変わって戦うところが、舞台上でどう表現されるんだろうって、すごくワクワクしましたね。

――太田さんが思われる今作のストーリーの魅力は?

ティアをはじめ登場人物たちは本当は戦いたくはないけれど、誰かを守るために戦う。その姿に女性の強さを感じて、素直にカッコいいと思いました。それぞれに何か守りたいものがあって、そこに人の絆をすごく感じて、稽古をしていて自分のシーンじゃないところでも熱くなったりします。そういうところが魅力だなと思いますね。

――演じるティア・イクタルはどんなキャラクターですか?

妹のミアが大好き。そして、国と妹を守るために行動する姿はすごく勇敢。その女性としての強さには、演じていてすごく刺激を受けますし、そういうところが素敵だなと思います。

――内面的なところで、ティアとご自身の共通点はありますか?

大切な人を守りたいという思いはあるかな。私には妹はいないですけど姉や家族に何かあったら守りたいし、いつも笑顔でいてほしいと思いますし。でも、ティアのようなみんなを引っ張るリーダーシップはあまりないかもしれません(笑)。

――「ディーヴァ」のティアがペアを組む「マーギアー」の妹ミアは、一心同体の存在。ミア役の高井千帆さんとはどんなコミュニケーションを心がけましたか?

稽古場の席が決まっていなくて、毎回どの席に座っても自由なんですけど。稽古が始まったくらいから、とりあえず自分の席をとって、『ちーちゃん(高井)、隣に来て~!』って呼んで(笑)、そこから隣を指定席にさせてもらって。早く姉妹の感じが出るように、ちょっとずつ関係性を作っていきました。稽古場で演出の(松多)壱岱さんから言われたことについて二人で話し合ったりしています。二人とも2.5次元作品の経験があまりないので、キャラクターらしい立ち方をどういうふうにしたらいいのかを共演者に聞いたり、協力しながら役作りをしてます。

――仲良くなるために、稽古以外でもされたことはありますか?

はい。軽くご飯に行ったりもしました。あとは、稽古場の近くにあるお店のバナナジュースがキャストの間で流行って、『トッピング何にした?』とかそういう話題でみんなで盛り上がったり。主に食べ物の話で絆を深めてました(笑)。

――太田さんは数多くの舞台に出演されていますが、それでも2.5次元作品は難しさがあるんですか?

ありますね。演出の壱岱さんから、主役としてどっしり構える感じで居てほしいとすごく言われて。でも、どういう立ち方が正解なのかわからないんですよね。例えば、話しているときに腰に手を持ってくるとか。そういうところから、キャラクターとしての形を作っていくんだなって。今までの舞台ではできるだけ自然な動きを求められて、どちらかというと手もそんなに大げさに動かさないことが多かったので、自分の中では難しくて。2.5次元舞台にたくさん出演されているキャストは、声の出し方も原作の声優さんの声に寄せている方も多いですし、自分はどういうふうにティアというキャラクターを作っていこうか、稽古動画を見て勉強して、日々考えています。

――「アルマギア-Project-」の楽曲についてはどんな感想をお持ちですか?

盛り上がる感じとかバラード調とかいろいろなパターンの曲があって、どれも曲調がすごく印象に残りますし、めっちゃ素敵です。今回の舞台版では、声優さんが歌われている既存の楽曲だけでなく、書き下ろした新曲も初披露されます。ディーヴァだけでなくマーギアーも歌うので、新たなアルマギアの世界を感じていただけるんじゃないかなと思うので、楽しみにしていただきたいですね。

――初めてキャラクタービジュアルを経験したご感想は?

メイクをしていただいて衣装を着て、仕上がった自分を見て“誰?”って(笑)。あ~これがティアなんだって思いました。衣装はすごく動きやすくて、みんなそれぞれ特徴があるんですけど、細かいところにもすごくこだわっていて、ひとつひとつチェックしちゃいました(笑)。

――ご自身のビジュアルは気に入っていますか?

正直ちょっとまだ見慣れない部分もあるんですけど、本番ではテンションが上がっていくんじゃないかな。このビジュアルでお芝居をするのが楽しみです。

――原作ファンも期待していると思います。舞台「魔法歌劇アルマギア~episode.0~」の見どころと太田さんが注目してほしいポイントを教えてください

歌う側のディーヴァと、そこからパワーをもらうマーギアー。舞台では激しい殺陣をしながらマーギアーが歌うところも注目です。キャストの皆さんが本当に素晴らしい歌を披露されるので堪能していただきたいです。ティアとミアの教育係のケラ先生とマーブル先生ペアほか、それぞれのディーヴァとマーギアーのペアが個性的な戦い方をするので、観ていて面白いです。舞台版オリジナルキャラクターも登場します。展開もどんどん進んで行くので、あっという間の舞台だと思います。

――クライマックスのイクタル王国とオリジアース帝国の戦いはかなり激しいものになりそうですが?

殺陣もすっごくカッコいいです。稽古場で見ていて思わず『めっちゃカッコいい~』って声に出してしまうくらい。早く皆さんに生で観ていただきたいです。

――舞台期間中に体調管理で気をつけていることは?

喉が弱めなので、喉ケアはしっかりするようにしています。今回は特に歌があるので念入りに。加湿器を置いたり、吸入器を使ったり、プロポリスの飴を舐めたり…。それから手洗いとうがい。あとは朝昼晩、野菜を中心に栄養を考えた食事をするくらいですね。

――最後に、読者と公演を楽しみにしている方へ、意気込みとメッセージを願い致します!

漫画の物語が始まる以前を描いたエピソード0のストーリーなので、原作を知らない方も絶対に楽しんいただけます。原作ファンの方には、こういうところにつながっていたんだとか、腑に落ちるエピソードが散りばめられています。本当に盛りだくさんな華やかな舞台に仕上がっていますので、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいです。

ライター/井ノ口裕子