黒澤明 没後20年記念作品 ダイワハウス presents ミュージカル「生きる」 市原隼人 インタビュー

この『生きる』でしか感じられない感情を味わって

 

映画監督で脚本家の黒澤明没後20年となる今年、世界中の映画ファンを魅了する黒澤作品が初めてミュージカル化する。
そのタイトルは、1952年に公開され、今もなお愛される名作『生きる』。演出を務めるのは日本を代表する演出家の宮本亜門、作曲・編曲はブロードウェイミュージカル『若草物語』などを手掛けたジェイソン・ハウランド、脚本はディズニー作品の訳詞などでも知られる高橋知伽江。そして主演は市村正親と鹿賀丈史のダブルキャストという、超がつくほど強力な布陣だ。
そんな本作でミュージカルに初挑戦するのが、市原隼人。数多くのテレビドラマや映画で活躍する彼だが、実は舞台そのものは3作目となる。その挑戦について問うと、彼はすでに先を見ていた。

市原「もちろん大きな挑戦ですが、それはあくまで自分の中での勝負。映画やドラマ、舞台はお客様のためにあるものなので、最終的にはお客様に楽しんでいただけるように努力していこうというのが一番の気持ちです」

 

黒澤明の不朽の名作と言えば、それだけで漂う重厚感がある。それに加えて一人の男の死ぬまでの姿を描く『生きる』という作品について市原はこう語る。

市原「命を題材にしているので重苦しいイメージを持たれている方もいらっしゃるかと思いますが、実際はコミカルなシーンやキュンとするシーン、親子のぶつかり合いなど、喜怒哀楽いろんな姿を観ていただけると思います。お客様には肩の力を抜いて観に来ていただきたいです」

 

演じる主人公の息子・光男は、鹿賀と市村と真正面から向き合う役柄。俳優として贅沢な体験ができる役どころで「この作品で鹿賀さんと市村さんがどう芝居と向き合っていくのか。見方、捉え方、感じ方、入り方…盗めるものはすべて盗んでいきたい。楽しみです」と意気込んだ。

市原「これだけ素敵なスタッフ、キャストが集まることはなかなかないですし、日本を代表する黒澤明監督の不朽の名作が、どのようにして舞台に降りてくるかを見届けていただけたら嬉しいです。この『生きる』でしか感じられない自分の中の感情をぜひ味わってください」

 

インタビュー・文/中川實穗
Photo/村上宗一郎

 

※構成/月刊ローチケ編集部 9月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

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【プロフィール】
市原隼人
■イチハラ ハヤト ’87年、神奈川県出身。舞台は’15年『最後のサムライ』以来の出演。10月には映画「あいあい傘」が公開予定。