浦井健治と加藤和樹が実話をもとにしたミュージカルに挑む!
日本が誇るミュージカル界の精鋭12人が顔を揃えることでも話題を集めている、ブロードウェイミュージカル『カム フロム アウェイ』。2001年9月11日(火)。同時多発テロの影響で米国空港を目指していた世界各国の旅客機が急遽ルート変更させられ、カナダ・ニューファンドランド島の空港にはなんと38機の飛行機が着陸、7,000人の乗客が突然この島に上陸する羽目になる……。
この実話をもとにミュージカル化された本作について、2023年は『キングアーサー』で二度目の共演を果たし、さらに親交を深めた浦井健治と加藤和樹に想いを訊くと「よくこの12人を集めたと衝撃でしたし、作品の内容的にも挑戦作になると思う!」と口を揃えて意気込みを語ってくれた。ちなみに浦井と加藤はそれぞれ〈ケビン・T〉と〈ボブ〉というメインの役がある上に、複数のキャラクターを演じ分けることとなる。
浦井 僕は〈ケビン・J〉役の田代万里生くんとカップルです!
加藤 そこ、楽しみですよね。
浦井 お客様にちょっと笑っていただけるような緩急の部分を請け負う役にも思えるし、実は現実的に双方のケビンが案外冷静に人生を見ているところや、またその人生の中に揺るがない、譲れないものを持っているところもいいスパイスになる気がします。
加藤 ボブの役設定は“生粋のニューヨーカー”。ニューヨークの人たちってどこか冷めていたり人間不信気味なところがあるイメージで、ボブもそういう身に染み付いているものがあったのに、ああいう大きな出来事に巻き込まれることで人生観がガラッと変わってしまう。その変化を物語の中で繊細に出していけたらと思っています。そのほかに僕はパイロット、機長の役もありますし。
浦井 僕なんて大統領の役もやりますから。だけど浦井が大統領ってちょっと説得力がないというか、どういう役作りでいこうかなあ(笑)。全員がこうして何役もやりつつ、セットのことも含めみんなで作品を動かしていく。これは人々が生きていく過程、その経過を豊かにすることが人生なんだという、生きることそのものに焦点を強く当てたミュージカルなんだと感じています。
それにしても、この豪華な顔ぶれは実に圧巻だ。
加藤 みんながみんな個性的な先輩ばかり。この全員で歌ったらとんでもないことになるだろうという予感はすごくあります。そこにどうにか自分も乗り遅れないようにしなければ。
浦井 演劇界、ミュージカル界の先輩方ばかりですからね。僕が下っ端な方で。
加藤 僕なんか年齢的にはたぶん下から二番目です。
浦井 この諸先輩方が揃うと、なんだか喋れないぐらいの圧を感じますから。このビジュアルの圧!強いです(笑)。さらにそれぞれのスピリット、心掛けの部分からもものすごく熱を感じますし。しかも今回ソロ曲はほとんどなくて、全員で少しずつ歌って一曲を作りあげたりするんですから。なかなかない、貴重な体験になると思います。
加藤 本当に稽古が楽しみ。先輩たちの芝居の作り方や歌へのアプローチの仕方など、毎日が勉強になると思います。
浦井 しかしこの面々をまとめられる人、果たしているのかな?
加藤 浦井さん、お世話になります(笑)。
浦井 いやいや!みんなで頑張ろう!!(笑)。
インタビュー&文/田中里津子
※構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載
※写真は誌面と異なります
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
浦井健治
■ウライ ケンジ
2000年に『仮面ライダークウガ』の敵の首領役で俳優デビュー。以後。ミュージカル、ストレートプレイなど幅広く活躍。
加藤和樹
■カトウ カズキ
2005年、ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴び、’05年に「Rough Diamond」でCDデビュー。歌手・声優・俳優として幅広く活躍。