44年目を迎える“夏の風物詩”『ピーター・パン』。
ピーターは山崎玲奈が続投、ウェンディは鈴木梨央が初挑戦
今や夏の風物詩のひとつともいえるブロードウェイ・ミュージカル『ピーター・パン』。今年はピーターを昨年に引き続き山崎玲奈が、ウェンディを今年初挑戦となる鈴木梨央が演じることになった。
山崎 私は2回目なので、よりアップグレードしてお届けしたいです。昨年はパルクールとかフライングとか、初めてのことがたくさんありましたが、すごく楽しかったんです。舞台に立った時、お客さまの声援や熱気がすごく心に響いて、こんなに応援してもらえるんだ!と感動しました。そこまで感情豊かに楽しんでもらえていることが、ピーターを演じる上で本当に心の支えになりました。
鈴木 歴史ある作品に参加できることを光栄に思っています。みなさんに楽しんでいただけるように、そして自分なりのウェンディを演じられるように挑戦する気持ちを忘れずに稽古に臨んでいきたいと思います。フライングもとても楽しみです!
まもなく始まる稽古を前に、それぞれ役どころについてイメージを膨らませる。
山崎 ピーターってヒーローみたいな存在でもあるけど、それだけではないんです。さみしがり屋で、子どもみたいに強がっているところもある。そのギャップもすごく感じます。強くてカッコよくみせたいからこそ、孤独な部分も可愛くて、そこも含めてピーターですね。
鈴木 ウェンディは迷子になった子どもたちのお母さんのような存在になったり、ピーターに特別な感情を抱いたり……、その時その時の感情の変化を大切にしながら、演じていけたらと思います。
演出と振付を務めるのは長谷川寧。身体表現に長けた長谷川の演出には、発見がたくさんあるという。
山崎 演出の(長谷川)寧さんは、台本から私がイメージしたこととは別の視点でいつも考えています。固定概念を覆すような想像力をお持ちなんだなと実感しますね。そして、寧さんしか生み出せないような細かい動きがあって、体ってこうも動くんだ!って驚くんですよ。初めて参加する梨央ちゃんには、稽古前の入念なストレッチをオススメします。
鈴木 作品に入る前に、寧さんのワークショップを受けさせていただいたのですが、自分の内面を常に見られているような感覚になりました。集中力が高まって研ぎ澄まされていくような感じにもなりました。いつでもその状態を受け入れられるように、緊張感をもって臨んでいきたいと思います。
44年目を迎える本作ならではの魅力を、ぜひ劇場で感じてもらいたいと2人は語る。
鈴木 ピーターの自由さや無邪気さに憧れを抱きながらも大人へと成長していくウェンディとピーターの相反する部分にも注目していただきたいです。それぞれが自分なりに“生きていく”んだという思いをみなさんに伝えられたら嬉しいです。
山崎 ミュージカルという枠組みではありますが、フライングやアクションなど、ミュージカルの枠を超えた楽しみがたくさん詰まった作品です。ぜひいろんな視点から、楽しんでいただきたいです!
インタビュー&文/宮崎新之
Photo/篠塚ようこ
※構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載
※写真は誌面と異なります
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
山崎玲奈
■ヤマサキ レナ
’20年「ホリプロタレントスカウトキャラバン」グランプリ。’23年からミュージカル『ピーター・パン』で11代目ピーター・パン役を務める。
鈴木梨央
■スズキ リオ
5歳より芸能活動を開始。大河ドラマ『八重の桜』で注目を集め、その後ドラマ・映画・CM・舞台など数多くの作品に出演。