『スタンド・バイ・ユー ~家庭内再婚~』 稽古場レポート

1月12日からいよいよ開演!『スタンド・バイ・ユー ~家庭内再婚~』12/26の稽古場をレポート!

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稽古場に近づくと、中から聞こえてくるのは大きな笑い声!休憩中のようですが、稽古場に入る前から雰囲気の良さが伝わってきます。中に入ると、和気あいあいとした明るい雰囲気の中、一人自主練習をしていたのは戸次重幸さん。柔軟を始めても台詞は止まることはありません。ミムラさんは台本をじっくり読み込んでいます。皆ジャージやスウェットなどのリラックスした格好です。そして開始の合図がかかり、二週間目の稽古が始まりました。

 

今回の稽古は第三幕。二組の夫婦[藤沢ハルカ(ミムラ)×藤沢英明(戸次重幸)・榊愛子(真飛聖)×榊誠治(勝村政信)]が連れ立って貸別荘に休暇に訪れていたのですが、ハルカと誠治、愛子と英明がそれぞれ一夜を共にしてしまいます。翌朝、ハルカと誠治が貸別荘に戻ってきますが、そのうちに互いの昨晩の過ごし方がバレてしまい、てんやわんやに。貸別荘の管理人(モト冬樹)とその妻(広岡由里子)、アルバイトの町田君(馬場良馬)まで巻き込んで、馬鹿馬鹿しい修羅場が始まる場面です。セットはというと、なぜかボクシングなどで用いられるリングの上に、ソファーやテーブルが置かれたリビングルーム。リングの上にリビングルームのセットなんて斬新!修羅場を象徴しているのでしょうか。

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お互いの夫婦が伴侶ではない相手(ハルカ×誠治・愛子×英明)とそれぞれ一夜を明かすということで、壮絶な修羅場になってしまうと思われますが、思わず吹き出してしまう場面がたくさん!岡田惠和さんの脚本がすでに十分面白いのに、さらに堤幸彦さんの演出が加わって爆笑間違い無しの舞台になっています。さらに戸次さんやミムラさんが繰り出すアドリブがバラエティ豊か。例えばハルカと誠治が帰ってきて、「二人で何の話していたのよ!」と愛子が怪しむ場面。ミムラさん演じるハルカは苦し紛れに「衆議院・・・?」だったり、「みゅ、ミュージカル版NARUTO・・・?」とアドリブ。スタッフ、そして堤監督も声を上げて笑っていました。稽古でさえ毎回アドリブ部分を変えていたので、本番のハルカはなんと答えることやら??うーん、何回も観たくなってしまう予感・・・。

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流れるように進んでいく会話劇にストップの声がかかり、堤監督の指示が入ると、一気に空気が引き締まり、キャストは指示に集中します。堤監督は主に台詞の「間」や、立ち位置の角度など細やかな指示をしていくのですが、少し変えただけで、見違えるほど面白く進化していました。戸次さん&真飛さんの「ガーン!」と、口をひん曲げて大きく開ける表情に、勝村さんはこらえきれず演技しながら吹き出してしまいます。戸次さんは大マジメにその表情を何回も練習していて、取材に行った私たちも笑いっぱなし。そしてモト冬樹さんは監督の指示に対して常に+αを付け加えて返し、引き出しの多さを感じさせてくれます。三幕の前半では台詞は少ないですが、強烈な印象を残していました。この場面、パワフルな広岡さんとフレッシュな馬場さんの組み合わせにも要注目ですよ!

 

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また、三幕では貸別荘に泊まる予定の新婚カップルがナレーションのみで登場するのですが、このナレーションもその場にいるかのように自然です。それもそのはず、本公演のナレーションは“七色の声を持つ男”の異名をとる山寺宏一さんと、劇団ナイロン100℃の女優でありながら声優・ナレーターとしても活躍する犬山イヌコさんが担当しているのです!是非「声」の芝居にも注目してみてください。

 

三幕は終盤へと進み、「後悔のない結婚なんてない!」と言い切る四人。果たしてそれぞれの夫婦はどうなってしまうのでしょうか?「あなたのそばにいる!」という強い意思を持つ意味の「スタンド・バイ・ユー」。結末は舞台を観てのお楽しみ!稽古から面白さ全開の『スタンド・バイ・ユー ~家庭内再婚~』は1/12よりシアタークリエにて。