2/13(土)よりチケット発売開始!!
スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』博多座公演
★☆合同取材会レポート★☆
↑ 写真左から、中村隼人、市川猿之助、坂東巳之助
壮大な世界観で描かれるストーリー、魅力あふれるキャラクターで幅広い世代に大人気の漫画『ONE PIECE』。その人気は日本のみならず世界中に広がり、累計発行部数は3億2000万部以上を誇る。そんな超人気の漫画が、日本の伝統芸能である“歌舞伎”とコラボレーションし、スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)として上演され、昨年の10・11月には、東京・新橋演舞場公演にて連日超満員を記録し、10万人を超える観客を動員した。そんな話題作がいよいよ3月の大阪松竹座に続いて4月の博多座に登場する。
2月某日、大阪・福岡公演を目前に、今作に出演する四代目市川猿之助、次世代の花形俳優のホープで博多座初登場となる坂東巳之助、同じく花形俳優として注目を集めている中村隼人が来福して会見を開いた。
漫画が歌舞伎化されるというニュースを初めて聞いた時の三人の率直な感想、今回のコラボが今後の歌舞伎界に与える影響が気になるところだが―
猿之助「歌舞伎化する話に関しては、僕は作り手側でもあるので、お客様にどうやったら来て頂ける作品になるかを第一に考えました。今後の歌舞伎界へ与える影響としては、若手の成長のためになるといいますか・・・。もちろん、古典歌舞伎をそのまま演じることも勉強のひとつです。その一方、スーパー歌舞伎は、古典の裏側に光を与えたようなものでして、新作をやることで古典の素晴らしさがわかる。若いうちにこういった新作歌舞伎の経験を経て古典歌舞伎に帰った時、役者として自分の足りない部分がよく見えてくるものなんです。そうすることで、古典への向き合い方がより真剣になり、深くなっていくんですね。若手たちにより進化してもらいたいなと思いますので、この新作も今後の歌舞伎に多大なる影響を与えるだろうと思います」
と、作り手としての冷静な判断力・洞察力がうかがえる感想だったが、歌舞伎界の影響に関して語る彼の表情には熱をおびたものがあった。
そして、若手の二人が初めて歌舞伎化のニュースを聞いた時の感想から、中村隼人の意外な日課が明らかに!
巳之助「歌舞伎化の話は、皆さまと同じように公式情報で知ったのですが、当初は自分が出演するとは思ってもみませんでした。『ONE PIECE』という作品自体は、小さい頃から読んでいた大好きな作品でしたし、漫画を読んでいる時に『この作品は歌舞伎に向いているだろうなぁ』と漠然と感じる部分がありましたので、『とうとう手を出す人が現れたかぁ』と思いましたね(笑)。“今後の影響”としては、猿之助のお兄さんが言われていたとおりのことを痛感しまして…。今年1月の浅草花形歌舞伎に出演して古典中の大役を演じさせて頂いた時のことですが、昨年の『ワンピース』東京公演で初めて歌舞伎というものに触れたという方や、そこで初めて僕を知ったという方が浅草花形歌舞伎にも大勢来て頂いて、『歌舞伎って古典でもおもしろいんですね』と言ってくださったんです。とても嬉しかったのと共にこれは今後の歌舞伎の発展にも一番大事なことだなと痛感致しました」
隼人「僕は毎朝、起きたらまずネットニュースを見る・・・という日課があるんですが(笑)、そのネットニュースを見ていた時に〝ONE PIECE 、歌舞伎へ″という題を目にしまして、『これ、夢かな?』と(笑)。それからは皆さんと同じように、『どうやってあのONE PIECEを、漫画を歌舞伎化するんだろう?』と思いました。(原作では手が伸びる主人公ルフィの)手は伸びるのか?とかを考えていました。自分が出演できるというお話を頂いた時は非常に嬉しかったですし、新作ならではの何もない状態のところから作品が出来上がっていく素晴らしさも実感できました。今後の影響としては、やはり客層に関してでしょうか。僕も今年1月の浅草花形歌舞伎に出演させて頂いていて、浅草花形歌舞伎は元々、少し客層が若いのですが、特に今年はそれが強かったように感じました。小学生くらいも観に来てくれていて。中でも『スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」を見て歌舞伎に興味を持ちました』という意見が多くて、「ワンピース」が古典歌舞伎の公演に足を運んでくださることにもつながったのがすごく嬉しかったです。この流れを切らないように自分自身も古典歌舞伎をもっと勉強したいですし、新しいものにも挑戦して新しいお客様の獲得を目指したいなと思います」
「お客様に考えさせる間を与えないほど、見せ場の連続に!」(猿之助)
今作では演出も手がけた市川猿之助は、原作を知らずに脚本作りに携わったそうで―
猿之助「漫画『ONE PIECE』を知らない人でも分かるような脚本作りを大事にしつつ、なおかつ『ONE PIECE』のファンの方たちに納得してもらうものを作るという点で非常に苦労しました。脚本が出来上がって実際に私も『ONE PIECE』を読んで勉強し、再び脚本を読んでみたのですが、『あ、これはどちらのお客様にも通じる仕上がりだ』と確信できました。演出面に関しては、とにかくお客様が『今の場面は?』などと考えさせる間を与えないくらいに見せ場の連続にして、『なんだかわからなかったけど、楽しかったな~』と思わせる芝居を、限られた予算内で作り上げようと知恵を出し合いましたので、我ながらいい作品に仕上がったと思います」
そんな苦労もありつつ、漫画の歌舞伎化という未知なる世界への表現に挑んだ猿之助だが、納得のいく仕上がりと言いつつも東京公演を終え、大阪・博多公演ではさらにブラッシュアップさせるという。
猿之助「知り合いの子どもの意見を聞きまして、その子がつまんないと子どもが言った場面はスグに修正をしました。もっと内容をまとめた分、ムダがそぎ落とされて洗練されています。それによって、福岡以外の県からも来られるお客様がその日のうちに帰れるようにしました(笑)。また、博多座は宙乗りがどこよりも一番映える劇場だと(市川)猿翁の伯父が言っております。そんな博多座で斜め宙乗りが1回だけで終わるのは勿体ない。僕がやる1回と、その他にもう1回・・・は誰がやるか内緒ですが、計2回の宙乗りを実現させます」
と、自信に満ち溢れたその表情で、今作のさらなる進化が私たちを待ち受けていることを明かしてくれた。
続いて、気になるのが原作者・尾田栄一郎氏の今作への感想だが、その話から交友関係の幅が広がる話も飛び出した。
猿之助「尾田先生は、東京公演を観に来てくださいまして、終わってからお会いした時、第一に尾田先生が涙ぐまれていて、二人でハグをしました。『言葉が出ない。こんなに嬉しいことはナイ!自分の作品を観て泣いたよ。有難う!』と言われたことが印象深いですね。あとは、声優さん方も来られたんだよね?」
巳之助「はい。アニメの方の『ONE PIECE』でそれぞれのキャラクターを演じている声優さんが来てくださって、それぞれの役者に感想を言ってくださったのが嬉しかったです」
隼人「今作のことは、声優業界でもスゴいビッグニュースだったらしくて、期待してくれていたそうです。サンジの声優をされている平田広明さんは『演劇は観るより演じる方が楽しい』と思っていたのが今作を観て、『観ても楽しいものなんだなぁと思った』と言ってくださったことが嬉しかったですね。歌舞伎役者が声優の方とお仕事をする機会はなかなかナイので、交友関係の幅も今回で広がりました」
最後に博多座公演への思いを三人が語ってくれた―
猿之助「これは何回も言っていることですが、博多座はスーパー歌舞伎を上演するにあったって、一番理想的な、ふさわしい劇場です。宙乗りが一番美しく映えます。昨年の初演から大幅に台本・登場人物に手直しを入れまして、さらに大阪公演からも改定を加え、博多座では“スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」”の最終完成形をご覧頂けることと思います!」
巳之助「昨年の東京公演から劇的に進化・変化を遂げているという話ですが、噂程度でしかまだ耳に入っておりません。僕は博多座初お目見えということもあるので、今からとても楽しみにしております。」
隼人「私は今回で4回目の博多座公演となります。まずは3月、進化した“スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」”を自分たちの中にしっかりと入れ込んで、4月博多座では集大成という形で臨みたいと思います!」
博多座リニューアル後初の公演となるスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』。歌舞伎初心者でも、東京・大阪公演で観劇した人も、歌舞伎通の人でも、今までに見たこともない歌舞伎の世界観、『ONE PIECE』の世界観を博多座で目の当たりに出来ることだろう。この機会にスーパー歌舞伎の醍醐味をぜひ体感して欲しい。
チケットはいよいよ明日、2月13日10時よりローソンチケットでも発売開始!詳細は下記URLよりご確認ください!
【公演情報】
スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』
公演期間:4/2[土]~26[火]
※公演日時の詳細は下記URLよりご確認ください
会 場:博多座
料 金:A席18,000円 B席9,800円 C席5,000円
※特Bの取扱いなし
Lコード:85656