「レビューと言われても、おそらく今の若い方はよく知らないですよね」と中尾ミエは語る。
では、「レビュー」とは?
中尾「優雅で華やかなダンスを通して、夢の世界を見せてくれるものですよね。この作品を企画したのは、“自分はレビューを作ることができる、最後の世代かもしれない”と思ったからなんです」
その舞台とは、中尾が自らプロデュースし、出演するThe レビュー「カーテンコールをもう一度!」。
中尾「私が若かった頃は日劇や浅草の国際劇場があり、レビューが盛んに上演されていました。今も宝塚のレビューはありますけれど、他ではほとんどやられていない。なぜなら最近はヒップホップ系のダンスが中心で、レビューに欠かせないジャズやシアターダンスを踊れる人がなかなかいないんですよ。でも前田美波里さんのショーを観た時に、ダンスが素晴らしい上に、私と同世代なのに本当に綺麗でね。そこでふと、もう一人、金井克子さんがいればレビューができる!とひらめきました。あれだけ踊れる身体をずっとキープされていること自体、すごいことですよ。それをぜひ皆さんに観て頂きたいなと思って、早速お二人に声をかけたら「やりましょう!」と。「でも一日でも早くね」と言われたんですけれど(笑)。さらに尾藤イサオさんも出て下さるので心強いですし、運良く海辺に建つ雰囲気のいい銀河劇場が見つかって、実現できてとても嬉しいです」
高級レストラン「カーテンコール」を舞台にした芝居仕立ての1幕から、2幕では生バンドのショーが展開する本作。
中尾「レビューの楽しさは何といってもダンスです。美波里さんと金井さんには到底追いつけませんが、私はタップを踊って、尾藤さんにはジャグリングを披露してもらいます。みんな半世紀以上、この世界で生きてきた仲間同士。それぞれが培ってきた財産を、全部ひけらかそうという意気込みです」
自身もデビューから50年以上、第一線で活躍し続けてきたが、あらためて舞台の魅力とは?
中尾「努力しないとできないのが魅力ですよね。テレビは撮り直しや編集できるけれど、生の舞台はそうはいかないので。たとえ3、4日のステージでも1ヶ月くらいかけてリハーサルをし、本番では自分の持てる力を100%出せないといけないわけですよ。だからこそ、自分がどこまでできるかというバロメーターにもなるし、「まだいけるな」と実感できる。この年齢になると「いつまで舞台ができるかな」と思うけれど、でもできるかぎりやりたいなって。自分の限界と常に向き合っている感じですね」
中尾が舞台をプロデュースするのはこれが3作目。目下全国ツアー中のオリジナル・ミュージカル「ザ・デイサービス・ショウ」など、いずれも高齢者がテーマだ。
中尾「それはやっぱり自分がその世代になったから(笑)。すごく年齢にとらわれた時期もあったけれど、ある時、自分のままでいいんじゃない、と気付いて。するとやりたいこと、自分がやるべきことがどんどん出て来たんです。その一つがレビューであり、特別な時間を過ごしていただけたら嬉しいです」
また全公演、オリジナルグラスとスペシャルワイン付のプレゼントもあるという。
中尾「新年の始まりに、せっかくなのでぜひオシャレをして、日常とは違う夢のひとときを味わいにいらして下さい」
インタビュー・文/宇田夏苗
構成/月刊ローソンチケット編集部 11月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケHMVは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
中尾ミエ
■ナカオ ミエ ’46年、福岡県出身。昭和37年に「可愛いベイビー」でデビューし、昭和史に残る大ヒットとなる。以降、コンサートにディナーショー、テレビやラジオ、映画に舞台と多方面で活躍。世界マスターズ水泳大会に毎年出場している。
【公演情報】
The レビュー「カーテンコールをもう一度!」
日程:2017/1/5(木)~1/9(月・祝)
会場:東京・天王洲 銀河劇場
★詳しいチケット情報は下記ボタンにて!