『ミュージカル「黒執事」-Tango on the Campania-』
古川雄大、内川蓮生、植原卓也 インタビュー

main-(2)©2017 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト
 

2017年12月31日(日)から2018年1月14日(日)まで、東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演される『ミュージカル「黒執事」-Tango on the Campania-』。
『月刊Gファンタジー』で連載中の枢やなの漫画「黒執事」を原作として、長きに渡り愛されているミュージカル「黒執事」シリーズ、通称“生執事”の第5弾。今回は演出に児玉明子を迎え、原作エピソードの中でも人気の高い「豪華客船編」を上演する。

舞台は19世紀の英国。セバスチャン・ミカエリスは、名門貴族ファントムハイヴ家に仕える万能の執事。しかし、その正体は13歳の当主シエル・ファントムハイヴと契約した“悪魔”である。女王の密命を受け暗躍する“悪の貴族”シエルと共に、裏社会の事件を闇で片付けている。 ある日、「死者蘇生」の噂を耳にしたシエルとセバスチャンは、調査のため豪華客船・カンパニア号に乗り込むのだが……。
セバスチャン役の古川雄大、シエル役の内川蓮生、2年ぶりの出演となるグレル・サトクリフ役の植原卓也に話を聞いた。

 

―― 植原さんは、前作の『ミュージカル「黒執事」~NOAH’S ARK CIRCUS~』をご観劇されているとのことですが。

植原「初日に観に行きました。みんなの歓迎ぶりが本当に優しかったです。楽屋に行ったら、蓮生くんが「あ、グレルだ~!」って来てくれて。」

古川「グレルが出ていた『ミュージカル「黒執事」-地に燃えるリコリス2015-』を見ていたんだもんね。」

内川:「はい!」

植原「本当は僕が「シエルだー!」と言いたかったのですが(笑)。僕も観終わった直後だったので興奮していて、お互いが興奮し合っている感じでした(笑)。「サーカス編」は、蓮生くんは初めてのシエルで、雄大くんのセバスとは初のタッグだったのに、しっかり向き合っていてすごいなと思いましたし、今までも色々なシエルを観てきましたが、大変な役どころだなと改めて感じました。今回、そのお2人と一緒に出演させて頂けるのだと思うとうれしいです。」

 

―― 「豪華客船編」は去年アニメ映画化もされましたが、ご感想はいかがですか?

内川「ビザール・ドール(※劇中に登場する「歪んだ肉人形」と呼ばれる、動く死体)が怖かったです……。」

古川植原「(笑)」

内川「でも、たくさんアクションシーンがあって、葬儀屋の素顔が初めて現れたりとか、色々新しいことが出てきて「次はどうなるんだろう? 何が起こるんだろう?」とドキドキできて、すごく面白かったです!」

植原「面白かったよね。映画は原作にとても忠実に作られていたので、演じてきた身としても「このセリフ、久しぶりだな!」と思うところがありました。それと、グレルは毎回登場の仕方が独特というか……足元のアップからの登場だったりするので、僕、ついニヤッとしてしまって。ひとりで観ていたのですが、そこで「やっぱりグレルが好きだ!」と、ニヤついてしまった自分がダメだと思いました(笑)。」

古川「舞台でもそうなんだよね。「リコリス~」も後ろ姿で登場していた(笑)。」

植原「毎回、焦らすんですよね。今回の舞台ではどんな登場になるのか……楽しみになりました!」

古川「僕は原作を読んで、純粋にお話が素敵だと思いました。このエピソードを舞台化するなんて、もう全部が「どうなるんだろう?」と、ワクワクしているところです。大量のビザール・ドールや、船の沈没を舞台上でどうやって描くんだろうというところも楽しみですし、台本を頂く日を待ちわびています。」

 

―― 楽しみにしているシーンはありますか?

内川「劇中で登場する“フェニックス”というポーズを取るシーンが楽しみです。」

古川「“フェニックス”のポーズは、稽古場で自分が思い切りやれるか否かにかかっているよね。ちょっとでも照れたら終わり(笑)。」

植原「僕は、やっぱり最後のバトルシーン。原作でも迫力満点の描写なので、あれをいかに生で魅せるかというドキドキ感があります。」

古川「しかも、先に登場する……」

内川「ロナルド・ノックスです。」

古川「そうそう、ロナルドの登場がグレルの前フリみたいなとこもあるし。」

植原「(笑)。ロナルドもキャストは変わりますが、“生執事”には久しぶりの登場になるので、楽しみですね。原作では、この2人が映画で有名な“タイタニック”のポーズをしているシーンがあるので、出来ればあれもしたいですね。しかもグレルはヒロインなので、私生活では絶対出来ない!」

古川内川「確かに(笑)」

 

―― 今作の公演は2017年の大晦日が初日。特別な年末年始になりそうですね。

植原「そうなんです! でも、ただでさえハードな演目なので、体力の限界がピークの時なのではないかとも話していて(苦笑)。大晦日の夜公演が終わった後、みんなで日付が変わるまで一緒にいられたら「ハッピー・ニュー・イヤー!」と言い合いたいですけどね。夜中まで騒いでいたら、元旦の昼公演に響いてしまいそうで(笑)。」

古川「元旦公演は昼の回だけだから、その後にみんなで何か出来たらいいよね。」

植原「まずは蓮生くんにお年玉だ。」

古川「そうか! (内川に)いっぱいもらえるぞ今年は!」

植原「このスケジュールを知った時、「ヤッター!」って思ったでしょ?(笑)」

内川「気付いていなかったです(笑)。」

古川「誰からいくらもらったか……って、メモ取る?」

内川「やらないです!」

古川植原「(笑)」

植原「いいなあ~。僕らも欲しいですね?」

古川「欲しい!」

 

―― では「欲しい」つながりで……ご自身にも“執事”が欲しいと思いますか?

内川「僕は欲しいです!」

古川「何をお願いするの?」

内川「勉強をいっぱい教えてもらいたいです。授業で分からなかったところを、もう一度家で教えてもらったりしたい。」

古川「エライ!「宿題やっておいて~」じゃないんだ!?」

植原「あくまでも自分でやる正しさ!」

古川「僕は今、粗大ごみを出したくて色々調べているんですけど、大変で……。「やっておいて」って言えたらどれだけ楽だろうと思っていたところだったので、執事が欲しいです。」

植原「僕は欲しいとは思わないです。自分がダメになるのが目に見えるので(笑)。甘えちゃいます、絶対。」

古川「分かる。何も自分でやらない人間になってしまいそう。でも執事がいるのに、あえて何も命令しないっていうのはどう?」

植原「そういうパターン?」

古川「いるんだけど、命令するのをガマンするの。」

植原「じゃあそっちにしておこうかな(笑)。」

古川「そう思うと、シエルってすごいよね。」

内川「ダメにならないですね。」

植原「自制心がある。見習います(笑)。」

 

―― では最後に、公演に向けての意気込みをお願いします!

植原「僕は2年ぶりにシリーズに出演させて頂くので、この2年間で他のステージで勉強したことを、グレルを通して表現者として出せたらいいなと思っています。パワーアップしたグレルをまだまだ突き詰めて、究極のところまで行き着きたいです!」

内川「「豪華客船編」という新しい作品で、シエルの婚約者・エリザベスも登場するので、去年とは違うシエルを見せていきたいです!」

古川「完璧な執事であるセバスの色々な面が見えてくるお話でもあると思うので、シエルとの関係性と同時に、もっとセバスを深めていきたいと思っています。そして原作を読んでいて感じた良さ、原作の良さそのものを引き出せたらいいなと思います。ご期待ください。」

 

取材・文:片桐ゆう

 

【公演概要】
『ミュージカル「黒執事」-Tango on the Campania-』

日程・会場:

2017/12/31(日)~2018/1/14(日) 東京・TBS赤坂ACTシアター
2018/1/19(金)~22(月) 兵庫・神戸国際会館こくさいホール
2018/1/26(金)~28(日) 愛知・江南市民文化会館
2018/2/3(土)・4(日) 石川・本多の森ホール
2018/2/10(土)~12(月・休) 福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール

原作:枢やな(掲載「月刊Gファンタジー」スクウェア・エニックス刊)
演出:児玉明子
脚本:Two hats Ltd.

出演:
古川雄大 内川蓮生

植原卓也 味方良介 原嶋元久 岡崎百々子 高木俊 寺山武志
内海啓貴 秋園美緒 那須幸蔵 河合龍之介 和泉宗兵 佐々木喜英 ほか