ブルーマングループ ワールドツアー IN JAPAN 松本幸四郎&ブルーマン インタビュー

ブルーマン、幸四郎と意気投合!歌舞伎との共通項は?

 

2007年から4年に及ぶロングラン公演を行い、日本でも広く存在を知られるようになったBLUE MAN GROUP。その彼らが、スケールアップしたワールドツアーで、来年5月に東京、6月には名古屋、大阪で合計58公演を披露する。日本初演時にパフォーマーとして出演し、その滞在中に日本文化に親しんだという現役ブルーマンが、アダム・エドッシーだ。今回のステージにも参加するアダムが、このたび歌舞伎役者・松本幸四郎に遭遇! 実はメイクや生演奏が重要な点など、意外なほどに通じる部分がある様子で、互いへのリスペクトを示しつつ、終始笑顔が溢れる対談が実現した。

まず幸四郎が「前回の日本公演を拝見しましたが、観るというより体験するという感覚でしたね。テクニックもすごくて、みなさん本当にプロフェッショナルだと感じました」と話すと、日本滞在中に何度も歌舞伎座に足を運んだというアダムは「歌舞伎には役者とお客様の間に壁というものが存在せず、その力強さを肌で感じられるところがあって。そこはブルーマンのショーとも共通する部分だと思います」と語った。

 

また古参のご贔屓がいれば初心者もいる幅広い客層を相手にしている点や、常に新しいアイデアを取り入れ進化し続けるところも共通項だ。

「曾祖父の代から観ている方に教わることもある一方で、まだまだ歌舞伎には可能性があると思っているので。古典で培ったものを土台にして、新しいことに挑戦することも大事だと思うんです」という幸四郎が、2015年にラスベガスのホテル“ベラージオ”前の噴水で『鯉つかみ』を上演した際のエピソードを語ると、その模様を映像で観たというアダムは「私も大変感動しました。あの場の観客は多くが歌舞伎を観たことがなかったはず。そういう方にもしっかりと歌舞伎の本質を届けられた、素晴らしい企画でした」とコメント。

 

「今日、お会いできてたくさんのインスピレーションをいただきました!」と目を輝かせるアダムに、「僕から見ても、ブルーマンは確実に“傾奇者”ですね!」と、幸四郎もニヤリ。改めて刺激を与え合う、貴重な機会になったようだ。今後の二人の進化からも、ますます目が離せない。

 

インタビュー・文/田中里津子

 

※構成/月刊ローチケ編集部 11月15日号より転載

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【プロフィール】
松本幸四郎
■マツモト コウシロウ ’73年、東京都出身。初舞台は’79年。七代目市川染五郎の名を経て、’18年に十代目松本幸四郎を襲名。

アダム・エドッシー
アダム・エドッシー 米国、バーモント出身。『ブルーマングループ』のパフォーマーとしてNY、シカゴ、ボストン、東京公演に出演。