左から奈波慎剛、蕪祐典、長谷川晴奈、岡田帆乃佳
11月に第2回本公演「ピエロになりたい」を上演する、秋元 康プロデュースの劇団4ドル50セント。脚本・演出を劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が手掛け、世界中から若い男女が集まってきているというピエロの養成学校を舞台に物語を紡いでいく。メインキャスト9人の中から、今回は岡田帆乃佳、長谷川晴奈、奈波慎剛、蕪祐典の4人に公演への意気込みなどを聞いた。前編では、メインキャストオーディションの手ごたえや、本作のキーポイントとなる自身の“顔”についての印象を尋ねた。
――今回もメインキャストを決めるにあたりYouTubeでの公開オーディションがありました。手ごたえはありましたか?
岡田「お芝居に関しては、徹夜で翌日のオーディションの30分前まで練習しました。ぜんぜん納得できなくて…。前回は練習時間が足りなくて後悔したので、今回は最後までやりきりたかったんです。なので、自信があったわけじゃないけど、やりきった気持ちでした。ダンスと歌は全員2回ずつしかできなかったんですが、そこで結果が出せなかったので…悔しかったです。でもやりきりました!」
長谷川「全体的には、第1回の本公演よりは悔いなくできたと思っています。でも唯一後悔が残ったのがダンス。2回クルクル回るところがあるんですが、それがどうしてもできなくて…。お芝居は前々から準備をして、何度も見直して、焦ることもなくできたんですけど。今の自分の実力は出せたかな、と思います」
蕪「演技のオーディション動画については、ほかの人がやりそうに無いことを考えてやりました。オーディションとはいえ、モノづくりとして個性的なものを作りたいと考えました。僕が観て楽しいと思えるものを動画にしたというか。すごく迷ったんですけど、YouTubeに上がったら一般の人も見るわけで、1本の動画としての面白さも欲しいなと」
奈波「前回、感情がセリフに全然入らなかったので、そこが課題になったんです。そこはすごく意識しました。実は今回のオーディションの時、お芝居は2~3回撮って“これでいい感じやん”って感じだったんです(笑)。噛まなかったし、とかそういう感じで。まだまだなんですけど、今の自分としては納得できるものになりました」
――今回の舞台では自分自身の「顔」や「表情」と向き合うことになりそうです。ご自分では、自分の顔や表情をどんなふうにとらえていますか?
奈波「僕は普段、無表情なんですよね。第一印象もクールとか、怖いとか言われたりして。でも、笑ったら“あ、笑うんや”みたいな感じで、好印象に受け取ってもらえる。だから、笑っておけばええかな、と(笑)」
蕪「確かに、最初はザ・クールガイって感じだった」
長谷川「最初はね」
岡田「私生活とかがわからない感じで、謎。今は徐々に心を開いてくれてる(笑)」
長谷川「今は素の顔を出してくれてるよね」
奈波「だんだん慣れてきて、笑ってる自分がおるわ、ってけっこう思う(笑)」
蕪「顔かぁ。昔から顔がウルサイって言われてて(笑)。表情が豊かとかでもないですけど、顔で遊ぶことが多かったんです。だから顔の筋肉が動かしやすくて。にらめっことかもめっちゃ得意。話をしていても、話の内容とかじゃなくて『顔がウルサイからちょっと喋るのやめて』とかも言われたり…(笑)」
長谷川「まぁ、その通りですね(笑)」
蕪「いや、ここは『そんなことないよ』って言うところ!」
長谷川「だって、稽古の時に後ろのほうで向かい合わせでダンスをすることがあったんですけど、いつもにらめっこしてたんですよ」
蕪「そのあと2人で揃って前を向いて最前列に出ていくんですが、その時はちゃんとした表情で。でもその直前までお互いに変な顔してね(笑)」
岡田「そういうのはいい気分転換になるよね(笑)」
長谷川「私は、すごく明るい役をもらうことが多くて。週末定期公演のときにサマンサという役をやったんですが、それでさらに相乗効果になっちゃって(笑)。役を通して、本当の自分をやっと知れたような感覚なんです。前は人見知りな部分もあって、人と距離を置いてしまっていたんです。自分を出したくないって思っていましたから。遠慮しちゃってましたね」
蕪「普段ニコニコしているのに、たまにネタでめっちゃ怒るよね(笑)」
長谷川「そう(笑)。ネタで、笑っていたのに突然無表情になるやつね。すごく得意!」
岡田「SHOWROOMを毎日やっているんですけど、そこで毎日印象が違う感じがするって言われていて。私自身も、自分の顔がよくわからなくて、鏡を見ても違う雰囲気に見える(笑)。自分の顔ってココがこうで…みたいなのが全然ないんですよ」
長谷川「でも、いつも優しい顔してるよね。大人っぽいし」
蕪「うん、お姉さんって感じ。母性にあふれてる」
奈波「あ、なんか全部先に言われちゃった感じ(笑)」
――女性陣は普段からメークで自分の顔を研究されていると思いますが、いかがでしょう。
岡田「私、メークとか研究しないから自分の顔がわからないのかな?(笑)」
長谷川「私はアイメークを大事にしています。ハーフなこともあって、目は恵まれているな、と思っていて(笑)。さらに強調したいので、アイラインをキレイに引いたり、マスカラでまつげをバサッとさせたりしています。ちょっとキリッとした感じにするのが好きですね」
――メークが好きな長谷川さんから岡田さんに、おすすめのメークはありますか?
長谷川「ほのちゃんは眉毛がすごく象徴的だから、キリッとさせるとすごく決まるし、ふわっとさせるとやわらかい印象を作れると思う。あとはやっぱりアイメークだね。まつげをもうちょっと強調してみたりとか」
岡田「勉強になります(笑)」
インタビュー後編に続く
インタビュー・文/宮崎新之
写真/村上宗一郎