Bloody Love 歌劇『ババンババンバンバンパイア』|水江建太 インタビュー

誠実に役に向き合い、
殻を破った姿をお見せできたら

極上の血を求める吸血鬼が純粋無垢な少年の貞操を守るべく奮闘する『ババンババンバンバンパイア』が舞台化。“BL(ブラッディ・ラブコメ)”と銘打たれた本作で吸血鬼・森 蘭丸役を演じるのは、これが初のコメディ出演となる水江建太だ。

「原作はちょっとお下品なところもあるのですが(笑)、それも作品の味になっていて、すごく面白かったです。蘭丸は演じたことのない役柄でもあったので、ぜひ挑戦してみたいと思いました」と、蘭丸役への意気込みを語る。

解禁されたビジュアルでは見事な吸血鬼姿を披露してくれた水江だが、吸血鬼役に挑むのはこれが初めて。「稽古を通して、どんな蘭丸に仕上がるのか、僕自身も未知数な感覚です」と、期待と緊張を覗かせた。

「森 蘭丸は最初の印象だと、かなりクセの強いキャラクターに見えるのですが、実はすごく一貫性のある人物なんですよね。だから、演じる際も、まっすぐ蘭丸でいること――李仁くんに対する想いやバンパイアとしてのアイデンティティを意識すると、それが作品の面白さに繋がるんじゃないかなと。コメディだからといって小手先の部分で笑いに走るというより、蘭丸としての一貫性を大事に役作りをしていくことがカギだと感じています。蘭丸はバンパイアなので、共感できるところというのは難しいのですが、最近、日光のダメージをすごく感じるんですよ(苦笑)。半袖で外出するのが嫌で、上着を羽織っている方が安心できる。そういう瞬間に、『バンパイアってこういう気持ちなのかな』って思っています(笑)」

水江にとって初のコメディ作品出演という点も、本作の見どころだろう。

「まだ想像できていない部分もあるのですが、自分の中にある壁をいくつも壊していかないといけないんだろうなと感じています。最近はコメディ関連のものをたくさん観て勉強中です。そこで共通しているなと感じるのは、“楽しんでやっている人というのは、観ていて楽しいんだな”ということ。なので、自分が楽しんで演じる、というところまで持っていくのが、今回の目標かなと思っています」

蘭丸が血を狙う立野李仁役は初共演となる崎元リスト、兄の森 長可役はこれまで何度も共演している染谷俊之が演じる。

「リストくんは役と同じ16歳と聞いて、僕としても役に入りやすそうだなと。16歳かぁ……眩しいですね(笑)。本当に宝のように大切に接してあげたいですし、彼にとってもいい作品になるよう頑張りたいです。染谷さんにはずっとお世話になっているので、森兄弟での掛け合いのシーンは頼りにしていますし、安心して演じられそうです。先日まで共演していた作品では、僕と染谷さんは違うチームなので楽屋が違ったのですが、僕はしょっちゅう染谷さんたちの楽屋に遊びにいってゲームをしていて。そうしたら毎回、染谷さんはゲームに参加するわけじゃないのに、『お茶でいい?』とおもてなししてくれて(笑)。そういうところに、お兄ちゃんというかお父さんっぽさを感じていました。そんな染谷さんと演じる兄弟役が楽しみです」

今年の秋、水江建太が吸血鬼役&コメディ作品で見せる新境地が楽しみでならない。

「僕を応援してくださっている方にとっては、水江建太がコメディに初めて挑戦するところを観ていただくことになります。温かい目で見守ってほしいのと同時に、期待していただけたら嬉しいです。役者として誠実に作品に向き合い、殻を破った姿をお見せできたらと思っているので、応援よろしくお願いします」

インタビュー・文/双海しお
Photo/大野洋介

ヘアメイク/AKi
スタイリスト/深澤勇太

【プチ質問】Q:手土産を選ぶポイントは?
A:よく差し入れするのはせんべいです。僕はシンプルが好きなタイプなので、王道が一番だと思うけど、中には変化球な味が好きな人ももちろんいて。好みにも個性が出るので面白いですし、そういう会話が広がるアイテムを差し入れたいなと思っています。
最近はラムネにハマっていて、いろんなラムネを見かけるので、今度差し入れに持っていってみようかなと思います。

※構成/月刊ローチケ編集部 8月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布

【プロフィール】

水江建太
■ミズエ ケンタ
数多くの舞台、ミュージカルに出演。主な出演作はMANKAI STAGE『A3!』、ミュージカル『刀剣乱舞』など。