NELKE WEST PROJECT vol.2 舞台『ペパロニ・ヴァンパイア』|Takassy&石川湖太朗 インタビュー

異色タッグが挑む新しい家族の物語

関西発のNELKE WEST PROJECT第二弾は舞台『ペパロニ・ヴァンパイア』。主人公のドラァグクイーン、ローリ役には舞台初挑戦となるENVii GABRIELLAのTakassy、演出にはサルメカンパニー主宰の石川湖太朗を迎える。片田舎を舞台とした新しい“家族”の物語に異色タッグが挑む。

Takassy 「お話をいただいて、なぜ私?と驚きました(笑)。でも原作を読んだらローリの見た目がかつての自分にそっくりで。これ私じゃん!と思えたことで少し安心できました」

Takassyは原作を読み「無性に愛されたくなったし、誰かを愛したくなった」と語る。

Takassy 「登場人物全員のアイデンティティを探す旅のようなお話で。互いを大事にしあっているのが伝わってくる作品でした」

Takassyは田舎に戻った37歳の元人気No.1ドラァグクイーン・ローリを演じる。二人の目に、ローリはどう映っているのだろうか。

Takassy 「すごく強いなと。自分を偽って演じて生きていく人って弱いと言われがちだけど、強がっている人って強いなと思うんですよね。本来の自分に打ち勝って、なりたい自分を日々演じ続ける。それって、信念やプライドを持っている人にしかできないと思うんです」

そんなTakassyの言葉に、石川は頷く。

石川 「Takassyさんが演じるローリなのか、ローリを演じるTakassyさんなのか、お客さんが一瞬わからなくなるようにできたらいいですね。Takassyさんが演じるローリに意味があると感じてもらえるようにしたいです」

Takassy 「よかった~いいこと言ったっぽい(笑)。あとはもう身を委ねようと思います」

音楽活動のなかで、芝居をしたいと思ったことはなかったとTakassyは戸惑い気味に笑う。

Takassy 「歌って自分の内側を吐き出す作業で、ステージ上では見せたい姿で格好をつけるような感じ。でも、芝居って、そういったものを全部グッと押し込んで、新しい役をかぶってお客さんに見せるという印象。なので、いまはまだ対極にあるように感じています」

石川 「たしかにそういう側面もあると思います。でも僕は個性的な人間が好きで(笑)、その人が舞台に立って、固有の匂いと役が混ざる瞬間がいいなと思うんですよ。だから、Takassyさんも素敵な色を抑え込まなくていいと思います。Takassyさんだからこその匂いや色が出るローリを演出したいですね」

初タッグを組む二人に、互いの印象を聞いてみると「真摯な人」と返ってきた。

Takassy 「物腰柔らかですが、演技に対してビジョンとプライドを持つ筋の通った方だなと感じました。怒らせたら怖そう(笑)。私は仕事に真摯な人が好きなので、芯のある湖太朗さんと出会えて嬉しいです。稽古までに一度食事に行ってもっと語り合いたいですね」

石川 「ぜひ行きましょう!初共演の方も多いので、はやく皆さんのことを知りたいです」

Takassy 「LGBTQ+やアイデンティティを扱っている作品なので、字面だけ見ると社会派にも見えますが、あくまでエンタメという軸は忘れないようにしたいです。私も当事者だからこそ、芝居で押しつけたくない。家に帰ってからふと自分を見つめ直して、明日も頑張ろうと思ってもらえるような舞台にできたら」

石川 「僕らのタッグの時点で、攻めの作品を作ってほしいということだと僕は捉えています(笑)。自由に創作して、エンタメなショーとシリアスなドラマを両立させた、劇場じゃないと体験できないものを絶対に作ります」

インタビュー・文/双海しお
Photo/篠塚ようこ

【プチ質問】Q:手土産を選ぶポイントは?
A:石川 僕も舞台に立つのでわかるのですが、疲労が溜まるんですよね。なので仲間内にはアイマスクとか喉のケア用品を持っていくことが多いです。

A:Takassy 持ち帰ってもらいやすいように個別包装されていて日持ちするものというのは決めています。よく知る仲間には、足の疲れを取るケア用品をあげることもありますね。

※構成/月刊ローチケ編集部 6月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】

Takassy
■タカシ
総合エンタメユニット「ENVii GABRIELLA」のリーダー。ユニットの楽曲、アートワークを担当する。

石川湖太朗
■イシカワ コタロウ
サルメカンパニー主宰。脚本家・演出家・俳優と幅広く活躍する。