刀剣男士たちが未来に向かって進んでいく物語

刀剣男士・山姥切国広のことを「僕の俳優人生の相棒です」と表現する荒牧慶彦。舞台『刀剣乱舞』、7度目の出陣だ。

名立たる刀剣が戦士の姿になった「刀剣男士」たちが、歴史改変を目論む「歴史修正主義者」から歴史を守るために戦う、刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」（DMM GAMES/Nitroplus）。全国で刀剣ブームを巻き起こし、ゲームを原案としたミュージカルや舞台、アニメ、映画化も大ヒット。様々なメディアでも取り上げられ、知名度と人気も急上昇中だ。

荒牧「今まで『刀剣乱舞』をご存知なかった方々にも認知されていくのは本当に良いことだなと思っています。ミュージカル『刀剣乱舞』が年末の紅白歌合戦に出場したり、実写映画が公開されたり……。ここまで来たか、という気持ちはありますね。多方面で展開していく『刀剣乱舞』に僕も携わることができて嬉しく思っています。でも『刀剣乱舞』というコンテンツ自体が持っているパワーというのはもっともっとあるので、さらにいろいろな展開を見せていくのではないかと思います」

舞台『刀剣乱舞』＝通称・刀ステは2016年5月に初演。以降、再演・野外公演を含め６作品が上演された。
シリーズ集大成と謳われた舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰の上演から１年。最新作の発表は歓迎の声に迎えられ、2019年6月から8月にかけて上演される。

荒牧「またこうして出陣できると知ったときはすごく嬉しかったです！ずっと山姥切国広を演じ続けたい、また出陣したいと願っていました」

公開された第一弾ビジュアルは、荒牧が演じる山姥切国広と和田雅成の演じるへし切り長谷部が、明るい差しの中で佇む2ショット。

荒牧「刀ステは謎が多く、ずっしりとした物語だったのですが、今回のビジュアルイメージは“青空の下に集まっている刀剣男士”。これまでより明るめのイメージで撮影に臨みました」

最新作に登場する刀剣男士は、公演の場所替わりで登場する刀剣男士を含めて19振り。シリーズ最多人数となる。

荒牧「相当の人数が出陣しますよね（笑）。でも人数が多いことで、本丸（＝刀剣男士たちの住まい）のワチャワチャ感だったり、ほんわかしているところを見せられるのではないかなと思います。戦いだけではない、刀剣男士の日常をお見せできたら」

初演から刀ステに出演している荒牧は、立ち回りにも定評がある。初参加のキャストたちを率いる立場にもなりそう。

荒牧「今までの刀ステの雰囲気などを伝えて、殺陣もブラッシュアップして底上げしていけたらなと思っています。まーしー（和田雅成）とは何も気を使わないで意見を言い合える関係なので、戦友として一緒に作っていけると思います。
僕はカンパニーに入ると懇親会を開きたいタイプなので、今回のみんなとも集まってお互いのことを知る機会を持ちたい。お店の予約も積極的に取る方なのですが、19人だとスケジュール調整が大変そうですね……。懇親会のために軍議を開かないと（笑）」

目指すは「ニコニコと仲の良い、でも締めるところはキッチリ締まっているカンパニー」だ。

荒牧「シリーズで初めて座長を務めさせていただいた舞台『刀剣乱舞』ジョ伝 三つら星刀語りのとき、殺陣が得意ではないキャストもいたので、朝練なども組んでかなり練習したんです。脚本・演出の末満健一さんにも“そんなんじゃ、刀ステの殺陣すごいねって言われないぞ！”と発破をかけられていましたし、見返してやろと気合いを入れて、僕もけっこう厳しく言いました。みんなも悔しい思いをしながらそれに応えてくれて、本番を良い形で迎えることができたので、今回もどんどん鍛えていきたいです！」

そして気になるのは、『AnimeJapan2019』の会場にて配布された号外チラシで明らかになった「謎の人物」の登場。荒牧も期待を隠しきれない様子だ。

荒牧「“謎の人物”のことは、ゲームに出てきた時からチェックしていました。刀ステにはいつ現れるんだろう？とドキドキしていたら、けっこう早くきましたね（笑）。きっと彼を巡ってひと悶着あるんだろうなと思います。刀ステの山姥切国広はシリーズのなかで成長を遂げましたが、背負っている物語に関わる人物が登場したら……。成長の余地はまだきっとあるので、どう展開していくのか楽しみです。最新作は、刀剣男士たちが未来に向かって進んでいく物語なのではないかという気がします。審神者（＝刀剣男士たちの主）のみんなが笑顔で見られる作品になるかと思いますので、楽しみに待っていてください！」

インタビュー・文／片桐ユウ

※構成／月刊ローチケ編集部　5月15日号より転載

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【プロフィール】
荒牧慶彦
■アラマキ　ヨシヒコ　’90年生まれ。’12年、ミュージカル『テニスの王子様』で甲斐裕次郎役デビュー。アニメや映画などでも活躍中。