2019年、新作公演ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝飛翔〞史上初!稽古場公開レポート

Ⓒ古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会 photo by GEKKO

 

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝飛翔〞が、いよいよ11月1日(金)に開幕する。シリーズ初となる稽古場公開取材が行われた。集英社「週刊少年ジャンプ」にて絶賛連載中の古舘春一による大人気バレーボール漫画を原作に、2015年11月の初演からシリーズ8作目となる本作。今回から主人公・日向翔陽役の醍醐虎汰朗をはじめとする烏野高校メンバーが全員新キャストとなり、「新生烏野」が始動する。

稽古場に入ってまず目を引いたのは、新しい舞台セット。これまでの演劇「ハイキュー!!」で印象的であった“盆”も無くなっており、これまでとはイメージがガラリと変わっている。そこで早速披露されたのはオープニングシーン。烏野メンバーから登場人物全員でのダンスにうつっていく華やかなシーンだ。その稽古前、演出のウォーリー木下が烏野メンバーと変更点について打ち合わせる。例えば烏野のメンバーが登場する場面では、誰がどう動いていくのかを、よりキャラクターらしく表現するために詳細まで話し合う。見ていると「あそこの振付はもっとキャラ出したほうがよくない?」とウォーリーが言うと、キャストが「なんなら声出したほうがいいですよね」と応えるなど、それぞれが積極的にアイデアを出し合っている。そしてオープニングシーンが始まると、「繋がなくてはならない、託さなくてはならない」という台詞から、和田俊輔の音楽に乗せた激しいダンスへうつっていった。そのダンスもこれまでとは印象の違うもの。ぜひ劇場で確認してほしい。

次に披露されたのは伊達工業高校との練習試合のシーン。演劇「ハイキュー!!」らしいアクロバティックな振付で、試合の展開が表現されていく。既に一人ひとりのキャラクターが立ちつつあるといった印象で、ここからさらに深まっていくのが楽しみになる稽古場公開だった。

稽古後の囲み取材には、主人公の日向翔陽役・醍醐虎汰朗、影山飛雄役・赤名竜之輔、そして脚本・演出のウォーリー木下が出席。稽古が進んだ今を醍醐は「今まで体験したことのない世界や動き、これまで自分がやってこなかった身体の使い方をイチからやっている状態。ワクワクしているのと同時に『時間がないな』という焦りもあります」と明かす。さらに赤名がこれからの課題として「日向と影山の関係性ももっと深めないといけない」と話すと、すかさず醍醐は「そこは余裕だろ!」とツッコミを。体力を使う舞台だが、醍醐は「(前作まで主演を務めた)須賀健太くんが『いつも、きついほうを選んでた』と言っていたので、しんどいという理由で『できない』とはまだ言っていません」と話した。

ウォーリーは今作について「今までやっていなかったメソッドを取り入れている」と話し、新たなセット、新たなダンスについて「同じ演劇「ハイキュー!!」ですが、違う視点で描きたいなと思いました。意図はたくさんあるのですが、大きくは、今回、烏野高校が全国大会出場が決まって、ある意味できあがったチーム…井の中の蛙が外に出て、いろんな人たちに出会っていく話なので。そこを大事に描こうという思いから、振付や美術も新たに考えて作っています」と解説。そして「これまでに観てくれた方にも、初めての方にも、間口は広く作っているつもりです」とアピールした。

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝飛翔〞は、11 月1 日(金)に東京・TOKYO DOME CITY HALL にて開幕。大阪・宮城・東京凱旋の4会場にて上演される。

 

写真/GEKKO
文/中川實穗