☆1月28日(土)開幕☆つかこうへい復活祭2023「新・幕末純情伝」稽古場公開レポート

2023.01.17

昨年11月に櫻坂46を卒業した菅井友香が主演を務める舞台「新・幕末純情伝」の公開稽古が行われた。

本作はつかこうへいの代表作の1つで、菅井演じる新選組の沖田総司が実は女だったという設定のもと、幕末の激動を描いていく物語。1989年に初演され、主演の沖田総司役は牧瀬里穂、広末涼子、石原さとみ、鈴木杏、桐谷美玲、松井玲奈といった、そうそうたる女優らが演じた役となっている。菅井は「飛龍伝2020」でもヒロインの神林美智子役を演じており、つか作品の2大ヒロインと言われる両役を演じるのは広末涼子と桐谷美玲に続く3人目となる。

公開された稽古では、剣の道に生きながらも女性としての心を秘めて葛藤する姿や、池田屋事件など激しい殺陣のシーンなどが披露。

男らに紛れて紅一点、勇ましい殺陣を繰り広げていく刹那の中に、菅井は女として愛するよろこび、愛されるよろこびを垣間見せた。

菅井は今回が殺陣に初挑戦とのことだが、初めてとは思えない軽やかな身のこなしで鮮烈に剣を振るう。わずか十分少々の時間ではあったが、本番への期待を高めるには十分なほどの気迫だった。

稽古後の取材で、沖田に惹かれていく坂本龍馬役を演じる松大航也は「必死に食らいついて、今までの公演に負けないような坂本を作っていきたい」と話し、沖田が慕う男・土方歳三を演じる高橋龍輝は「僕は2回目の参加。また帰って来られたことを光栄に思っていますし、全力で頑張っていきたい」と力強く語った。そして、主演を務める菅井は「長年愛され続けてきた『新・幕末純情伝』を上演させていただけること、本当にありがたく嬉しく思います。全身全霊、精一杯、命をかけて演じさせていただきたいと思います」と意気込みつつ、笑顔を見せた。

「新・幕末純情伝」は東京・紀伊國屋ホールにて1月28日(土)~2月12日(日)、神戸・AiiA 2.5 Theater Kobeにて2月17日(金)~19日(日)に上演される。

取材での各コメントは以下の通り。

■菅井友香(沖田総司 役) コメント

つかこうへいさんの作品は『飛龍伝2020』で神林美智子を演じさせていただいて、今回で2作目。前回はつかさんの作品が持つエネルギーやパワーに日々圧倒されていましたが、今回はさらに殺陣も加わって毎日、心も体も熱く、汗いっぱいで過ごさせていただいています。改めてこの作品のメッセージに気付かされることも多くて、そのたびに圧倒させられて、なんて素敵な作品なんだろうと、日々感じています。少しでも多くの方、今を生きている方にそのメッセージを届けられるように頑張りたいです。

殺陣は初めてで、最初は納刀と抜刀の仕方もわからず、どう持てばいいのかもわからなくて、向きを間違えてしまうことも結構ありました。手に馴染むまでが難しかったですが、基本的なことから勉強して『沖田総司は人斬りって呼ばれていたよな』と説得力を出せるように、日々稽古しています。自宅でも練習できるように、同じ長さのものを買ったんですけど、家の天井が傷だらけになって…昨日も家族に怒られました(笑)。猫も興味深そうに見ています。猫に見守られながら、練習しています。

男性ばかりの現場は、ありがたいことにみなさん親切で…(櫻坂46の)メンバーに会えない寂しさは今もありますが、皆さんの優しさにいつも助けられています。私の練習にも、みなさん結構忙しいのに付き合ってくださって。本当に毎日ありがたいと思っています。

今回、『新・幕末純情伝』を6年ぶりに上演できるということ、岡村俊一さんの演出のもとでできることで、私自身も本当に初日が楽しみだなと日々ワクワクしています。長年つかさんの作品に携われて来られたベテランキャストの皆さんをはじめ、平均年齢もぐっと下がって、今までとは違う、エネルギッシュで真っ直ぐなものをお届けできるのかな、と思っています。力を合わせて、精一杯お届けしますので、ぜひ楽しみに待っていてくださったら嬉しいです。

■松大航也(坂本龍馬 役 ) コメント

つかこうへいさんの作品に参加させていただくのは本当に初めて。自分にとっても久しぶりの舞台ということもあり、とても緊張しながら稽古をさせていただいています。本当に、殺陣とセリフ回しがとても多くて、日々疲れ切っておりますが、それでも裏に込められている意味などを考えると、これだけの熱量になってしまうんだな、と最近気づき始めています。必死でくらいついていけるよう、頑張ります!

■高橋龍輝(土方歳三 役 ) コメント

僕は何作品か、つかさんの作品に出させていただいていますが、毎回血管が切れないのが不思議なくらい激しい舞台です。舞台は、本当にみんなのため、お客さんのためにと、自分のためにとやっていますが…今回は菅井友香さんという素敵な女性を輝かせられるように、全力でぶつかっていきたい。そのうえで、キャスト全員で輝きたいと思います。

取材・文/宮崎新之